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キリン、ノンアルチューハイ新ブランド「氷ゼロ スパークリング」発表

2025年8月26日 発売
「氷ゼロ スパークリング」シリーズ

 キリンビールは、「キリン 氷ゼロ スパークリング シチリア産レモン」を8月26日に発売する。期間限定フレーバーの「キリン 氷ゼロ スパークリング グレープフルーツ」も10月28日に登場する。

 氷ゼロ(ヒョウゼロ) スパークリングは、近年の健康志向の高まりや適正飲酒への関心の広がりを背景に伸長傾向にあるノンアルコールチューハイ市場のさらなる拡大を目指して開発された新ブランド。

 同社では、おいしさへの期待と実態にギャップを感じている人が多く、これがトライアルの障壁になっているとして、「お酒のような飲みごたえ」「果実感」「爽快感」を追求したとしている。

 シチリア産レモンについては、シチリア産レモンのクリア果汁を使用。みずみずしい果実感とお酒のような飲みごたえを表現している。

キリン 氷ゼロ スパークリング シチリア産レモン

 期間限定のグレープフルーツについても、グレープフルーツのクリア果汁を使用することで、雑味のない、みずみずしい果実感と飲みごたえを表現している。

キリン 氷ゼロ スパークリング グレープフルーツ

 いずれも350ml缶での販売となる。オープンプライスとなるが、コンビニ店頭での販売価格は155円前後になる見込み。

 発売に先立ち、18日に発表会が開催され、マーケティング部 カテゴリー戦略担当 カテゴリーマネージャーの木村正一氏とマーケティング部 商品開発研究所 中味開発グループの佐藤良子氏がブランド立ち上げの背景や味覚設計などについて語った。

マーケティング部 カテゴリー戦略担当 カテゴリーマネージャーの木村正一氏(左)とマーケティング部 商品開発研究所 中味開発グループの佐藤良子氏(右)

 木村氏は冒頭、お酒を取り巻く社会環境や消費者の意向が変化するなかにおいて、同社として「DRINK FOR FUTURE ―未来に向けた責任―」というスローガンを掲げ、酒類メーカーとしての社会的責任を果たしていくという方針を説明。さまざまな啓発活動を行なったり、学術的な研究に取り組んだりすることとあわせ、ノンアルコールや低アルコールの構成比を増やしていくとする。

 ノンアルコール飲料の市場については堅調に伸長しており、大半がビールテイストで占められているが、2017年から2024年にかけてノンアルコールRTD(Ready To Drink、いわゆるチューハイテイスト)が約2倍に成長。

 同社による調査によれば、ノンアルコール飲料を月に1回以上飲む人(ヘビーユーザー)は約440万人となっているが、日常的に飲用しない人(ライト・ノンユーザー)は約6700万人も存在するとして、同氏は後者へのアプローチがノンアル市場全体の拡大の機会になると指摘する。

 ライト・ノンユーザーの意向を深堀りすると、ノンアルに期待することのトップに「おいしさ」が挙がる一方で、実態とのギャップが大きく、「事情がある時に仕方なく飲むもの」というイメージに繋がっているとして、改めて魅力的に感じられるおいしい商品を販売していくことで、そのイメージを「生活を豊かにしてくれるもの」へと変えていきたいとする。

 佐藤氏によれば、「みずみずしい果実感と爽快感とお酒のような飲みごたえの全てにこだわった」とした上で、「爽快感と飲みごたえというと、一見すると相対する言葉に捉えられるが、どちらもチューハイには欠かせないおいしさのキーワードになる」と指摘。

 2012年の「ゼロハイ」発売時には実現できなかった味わいを、雑味や渋みを取り除いたクリア果汁を使用したり、独自の苦味や酸味の黄金バランスを成立させる技術を用いることで表現できるようになったと説明する。製法については、アルコール飲料を作って脱アルコールするのではなく、果汁、食物繊維、酸味料、香料といった成分を組み合わせることで実現しているとのことだ。

 なお、同社では2020年から健康ニーズにマッチする商品としてノンアルコールチューハイの「氷零カロリミット」を販売しているが、同商品については9月頃に終売となる予定。

 木村氏によれば、今回の2商品に加え、秋をめどに第2弾商品の発売も予定されており、シリーズ全体で約30万ケースの販売を目標に掲げている。