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てんや新業態“和食のファストフード”「おにどん」オープン。まかないから生まれた「おにぎり天どん」を味わってみた

2026年7月7日 開業
登壇したブルース&ブラザーズのブルース佐藤氏(左)、ロイヤルホールディングスの山崎氏(中央)、佐々木氏(右)

 ロイヤルグループでコントラクト事業を担うロイヤルコントラクトサービスは、天丼てんやの新業態となるおにぎり天どん専門店「おにどん」の1号店を、JR御茶ノ水駅「エキュートエディション御茶ノ水」内に7月7日10時にグランドオープンする。

「おにどん」は、揚げたての天ぷらを天丼のタレで味付けし、握りたてのご飯で包んだ“おにぎり天どん”の専門店。合言葉は「天丼にぎりました」。オープンに先立つ7月6日、報道関係者向けの発表・試食会が開かれ、開発の背景やメニューが披露された。本稿ではその内容をリポートする。

さまざまな種類のおにぎり天どん

「おいしい=商売になる、とは限らない」低投資の新業態を求めて

ロイヤルホールディングス株式会社 専務執行役員 佐々木徳久氏

 はじめに、ロイヤルホールディングス専務執行役員の佐々木徳久氏が、開発の背景を語った。

 佐々木氏はまず、コロナ禍でグループの財務が痛んだ経験に触れた。ロイヤルホストやてんやなど「移動を伴う消費」を軸にしてきたため、外出が止まった際の打撃が大きかったという。「次に同じことが起きても同じ状況にならないように」と、以降はテイクアウトや物販、海外など“移動を伴わなくても成り立つ商売”に力を入れてきた。おにどんもその一つに位置づけられる。

 もう一つの課題が、建築費の高騰だ。佐々木氏によれば、店舗の建築費はコロナ前の約2倍。ブランド力のあるロイヤルホストやてんやならある程度回収できるが、大型店を次々に出すのは難しい。「低投資で、多くのお客さまに利用してもらえる業態」の開発が急務だった。

 そのうえで佐々木氏は、開発の難しさを「ロイヤルはおいしいものは作れる自負がある。ただ、“おいしい=商売になる”とは限らない」と明かした。2000年以降は嗜好が多様化し、よい素材を使ってもそのよさが伝わらないことがある。そこで外食に精通した人物に相談し、紹介されたのがブルース佐藤氏だった。佐藤氏とはフランチャイズでもアドバイザー契約でもなく“業務委託”という形を取る。「自社のリソースだけに頼らず、外部の力と組んで、今までロイヤルだけでは提供できなかった価値を一緒に作りたい」と語った。

「会議はしない、つまらなければノーギャラ」佐藤氏が挑んだ開発

株式会社ブルース&ブラザーズ 代表取締役 ブルース佐藤氏

 続いて、「おにどん」のプロデューサーを務めたブルース&ブラザーズ代表取締役のブルース佐藤氏が、開発の舞台裏を明かした。

 佐藤氏が率いるのは、直営3店舗・社員6人のクラフトバーガー店「JB's TOKYO」。世界地図を描くロイヤルとは規模が正反対だ。それでも組んだ理由を「大きい小さい、強い弱いではなく、コンテンツの面白さで結びつく“今どきの座組”」と表現する。

 佐々木氏から示されたお題は「世界で戦える、日本初のファストフードを一緒に作ってほしい」。佐藤氏はこれを引き受けるにあたり、2つの条件を出したという。1つは「会議をしないこと」。1から10まで佐藤氏の思うとおりにやらせ、途中で口を出さないことにしたそうだ。もう1つは「つまらなければやらない。ノーギャラでよい。面白ければやる」。この条件は「99%守ってもらえた」と振り返る。

当初はてんやの鶏天を使った「チキンバーガー」を開発していた

 当初、佐藤氏が目をつけたのは、てんやの隠れた人気メニュー“鶏天”。「鶏天は言ってみればジャパニーズフライドチキン」と捉え、タレを絡めてバンズに挟む「てんやチキン」を開発した。ロゴや商品撮影まで進み、社内のゴーサインも出た。だが佐藤氏は「ただおいしいだけで、ワクワクする新しい体験がない」と不安を拭えなかったという。

佐々木氏の「ライスバーガーもやってみたら」という一言が転機になった

 転機は、佐々木氏の「ライスバーガーもやってみたら」という一言だった。そこから“天むす”を連想し、「パンを捨てて、天丼屋なんだから天丼を握ったらよいのでは」という発想に至る。約400日間浅草のテストキッチンで山崎氏とともに試作を重ねたが、なかなかうまくいかなかった。

決め手になったのは、てんやの職人が食べていた“まかない”だった

 決め手になったのは山崎氏が見せた、余った天ぷらを刻んで天丼のタレでまぶし、ご飯をラップで丸めたボール状の“まかない”だった。それを食べた佐藤氏は「一口の中に、天丼一丁がある」と衝撃を受けたという。

「僕がやったのは、“おにどんを発見”したこと。てんやの歴史と職人のプライドの中に、すでにあったものを発掘しただけ」と佐藤氏は言う。そして、「おにどんは総菜店や物販のおにぎり屋ではない。天ぷら屋のてんやが天丼を握っただけ。形がおにぎりなだけで、あくまで飲食店です」と強調した。佐藤氏は開発現場を「数名のおじさんで文化祭の出し物を作るような勢いだった」と振り返る。大企業の新業態でありながら、個人店さながらの手作り感と熱量が、随所ににじんでいた。

まかないが原点。“ミスターてんや”が語るメニュー

ロイヤルホールディングス株式会社 国内事業開発部 山崎大博郎氏

 メニューを説明したのは、てんや歴の長い“ミスターてんや”こと、ロイヤルホールディングス 国内事業開発部の山崎大博郎氏だ。

 山崎氏によれば、おにどんの原点は約20年前にさかのぼる。店長時代、衣が剥がれるなどして客に出せない天ぷらをラップに包んでおき、手が空いたときに事務所でほおばったという。その“ほっと一息”のまかないが、佐藤氏のクリエイティブと掛け合わさって商品になった。すべてオーダーを受けてから握って揚げるため、熱々の状態で提供される。

「おにどん」商品ラインアップ

具材で選ぶ「おにぎり天どん」

・「元祖おにどん」(370円)
・「いかと紅生姜のおにどん」(320円)
・「三種きのこのおにどん」(310円)
・「磯揚げ貝づくしのおにどん」(340円)
・「やわらか煮穴子のおにどん」(440円)
・「海老づくしのおにどん」(460円)

元祖おにどん
いかと紅生姜のおにどん
三種きのこのおにどん
磯揚げ貝づくしのおにどん
やわらか煮穴子のおにどん
海老づくしのおにどん

 看板商品の「元祖おにどん」は、佐藤氏と山崎氏が約400日をかけて試作を重ねた集大成で、6種類の具材を1つに詰め込んでいる。記者も実際に食べてみたところ、海苔で包まれたおにぎりにかじりつくと、タレの染みたご飯と複数の具材の食感、甘辛いタレを一気に味わうことができ、確かに“一口で天丼一丁”という表現がしっくりくる満足感だった。片手で手軽に食べられるにもかかわらず、十分な食べ応えが感じられた。

もう一品楽しめる、天ぷらをのせた「おにどんスペシャル」

・「おにどんスペシャル 玉子天」(490円)
・「おにどんスペシャル いか天」(500円)
・「おにどんスペシャル 海老天」(560円)
・「おにどんスペシャル 一本穴子天」(580円)

おにどんスペシャル 玉子天
おにどんスペシャル いか天
おにどんスペシャル 海老天
おにどんスペシャル 一本穴子天

 元祖の6種盛りとはまた違い、素材ひとつひとつの味を主役にした構成で、その日の気分で選ぶ楽しさがある。

サイドを添えて「一汁一飯」に

・「ごろごろ野菜のおにどん豚汁」(290円)
・「あおさ汁」(190円)
・「どんタレからあげ(2個)」(260円)
・「サラダ感覚 自家製白菜漬け」(130円)
・「駅弁のお茶」緑茶/ほうじ茶(140円)
・「天ぷらまんじゅう」(180円)

ごろごろ野菜のおにどん豚汁
どんタレからあげ(2個)
サラダ感覚 自家製白菜漬け
駅弁のお茶

 おにどんに汁物とおかずを添えれば、満足な“一汁一飯”になる。名物は、天丼のタレで甘みをきかせた具だくさんの「ごろごろ野菜のおにどん豚汁」。おかずには、天丼のタレに漬けた「どんタレからあげ」や、毎朝店舗で仕込む「自家製白菜漬け」がそろう。

 このほか、塩むすび(130円)、ごま昆布(190円)、ツナマヨ(210円)といった定番のおにぎりも用意する。おにどんに小さなおにぎりを1つ添えたり、豚汁とおかずを組み合わせたりと、時間帯や食べる量に応じて自由に選べる。

おにどん エキュートエディション御茶ノ水

所在地: 東京都千代田区神田駿河台2-6 JR御茶ノ水駅 2階(改札外)
アクセス: JR御茶ノ水駅直結、東京メトロ千代田線 新御茶ノ水駅 B1出口から徒歩2分
営業時間: 平日10時~22時(ラストオーダー21時30分)、土日祝10時~21時(ラストオーダー20時30分)
席数: 72席

 支払いは現金、コード決済、クレジットカード、電子マネーに対応する。テイクアウトのみ電話予約を受け付ける。

「JB's TOKYO」も同時オープン、コラボキャンペーンも

キャンペーン実施期間: 2026年7月7日~12日

 同じフロアには、佐藤氏が手がけるクラフトバーガー専門店「JB's TOKYO」も同時にグランドオープンする。オープンを記念して、御茶ノ水の「おにどん」または「JB's TOKYO」で商品を購入した先着30人(各店)に、おにどんのロゴ焼印付き「JB's TOKYO自家製食パン(半斤)」をプレゼントする。