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サントリー「金麦」が“ビール化”へ。「金麦〈豊潤〉」も加わりデイリービール市場創造へ

2026年7月16日 発表
ビールになるサントリーの新「金麦」

 サントリーは「2026年酒税改正 ビール戦略説明会」を開催し、10月の酒税改正を機に「金麦」ブランドをビール化すると発表した。「金麦」「金麦〈糖質75%オフ〉」を従来の新ジャンル製法(発泡酒②)からビール製法に変更して10月6日に発売するほか、新たにラガービール「金麦〈豊潤〉」を10月13日に発売する。説明会には代表取締役社長の西田英一郎氏と、常務執行役員 ブランド部門長の多田寅氏が登壇した。

ビール化する「金麦」

右からサントリー「金麦」「金麦〈糖質75%オフ〉」「金麦〈豊潤〉」

金麦

発売日: 2026年10月6日
販売地域: 全国
容量: 350mL缶、500mL缶、250mL缶
アルコール度数: 5.5%
品目: ビール

金麦〈糖質75%オフ〉

発売日: 2026年10月6日
販売地域: 全国
容量: 350mL缶、500mL缶
アルコール度数: 4%
品目: ビール

金麦〈豊潤〉

発売日: 2026年10月13日
販売地域: 全国
容量: 350mL缶、500mL缶
アルコール度数: 6%
品目: ビール

※飲食店向けには樽生(10L、15L、20L)を10月27日から発売予定

縮小するビール類市場を「デイリービール」で再活性化へ

サントリー株式会社 代表取締役社長 西田英一郎氏(左)と、常務執行役員 ブランド部門長 多田寅(すすむ)氏(右)

 西田氏は、2026年上期のビール事業の状況と下期の事業方針を説明。上期は各カテゴリーが好調に推移し、酒類事業計の販売実績は金額ベースで対前年103%と、対前年99%(同社推計)の市場を上回った。ビール事業では、市場が数量ベースで対前年97%(同社推計)と縮小するなか、同社のビール類計は対前年99%と市場のトレンドを上回っている。3月にリニューアルを実施した「ザ・プレミアム・モルツ」は、3~6月の缶の販売実績が対前年109%と好調に推移し、「サントリー生ビール」もリニューアル後に購入者数が1.7倍に伸長した。

「金麦」は2007年の発売以来、「日々、家で飲むのに一番ふさわしいビール類」を目指してきたブランドで、新ジャンル内のブランドシェアは2020年の21.4%から2026年上期には35.5%まで拡大している。

 下期の最大のトピックが10月の酒税改正で、ビールと発泡酒の酒税の税率が一本化される。西田氏は、前回2023年の酒税改正時には、価格が上がった新ジャンルの飲用者に「酒離れ」「ビール類離れ」が発生し、その規模が当時のビール類市場全体の約4%に相当したと振り返り、今回も新ジャンルを含む発泡酒市場の縮小は避けられないとの見方を示した。

 一方でサントリーは、1967年の「純生」による生ビール市場の創造、1994年の「ホップス」による発泡酒市場の創造、2003年の「ザ・プレミアム・モルツ」によるプレミアムビール市場の創造など、環境変化をチャンスに変えて市場を創造してきた歴史を持つ。西田氏は2026年下期の挑戦として、「金麦」のビール化による「デイリービール市場」の創造を掲げた。

「デイリービール市場」の創造とは、エコノミー価格帯でビールを展開し、価格以上の価値を提供して新たな市場を創造すること。6缶パックの想定価格(税別・同社試算)では、プレミアムビール(1130円)、スタンダードビール(1030円)に対し、デイリービール(880円)という位置付けになる。同社は税率の一本化後もビールと発泡酒には一定の価格差が残ると見込んでおり、手頃な価格で満足感のあるビールを求めるニーズに応えていく考え。ビール類市場は2020年を境に縮小が続いており、西田氏は「ビール化した金麦によって、デイリービール市場を創造することで、市場の縮小に歯止めをかけ、ビール類市場の再活性化を図ってまいりたい」と話した。

「金麦〈豊潤〉」はコク・飲み応え重視層に向けた1本

確かな満足感に注力した「金麦〈豊潤〉」が10月13日から登場。従来の「金麦〈ザ・ラガー〉」は9月に順次終売していく

 続いて多田氏が「金麦」ブランドの今後の展開を説明した。ビール化にあたっては、支持されてきた中味の骨格はそのままに、従来よりも麦芽比率を高めてビール製法へ変更。「金麦」「金麦〈糖質75%オフ〉」のいずれも、麦のうまみ・飲み応えを強化するとともに、澄んだ後味を感じられる生ビールに仕上げたという。従来のスピリッツ添加もビール化にあわせてなくなる。

 同社の調査では、エコノミー銘柄を週1回以上飲むユーザーの60%が「金麦」のビール化に「興味がある」と回答しており、手頃な価格帯を維持することへの驚きとともに、味わいの進化への期待が寄せられている。

 新たに加わる「金麦〈豊潤〉」は、満足感のある豊かな麦のうまみを特徴とするラガービール。エコノミーユーザーの嗜好は「飲みやすさ重視」(約50%)、「コク・飲み応え重視」(約25%)、「機能重視」(約25%)の3つに大きく分かれるといい、「金麦〈豊潤〉」はこのうちコク・飲み応え重視層に向けて開発された。1日頑張った自分をねぎらうためにビールが欠かせないという思いが強い層で、ビール購入時に「価格に見合った価値があるか」を重視する度合いはエコノミーユーザー全体の約1.5倍にのぼるという。

 中味は、麦のうまみが詰まった欧州産の希少麦芽「ダイヤモンド麦芽」を一部使用し、2回煮出す工程で麦のうまみとコクを引き出す「ダブルデコクション製法」と、高い熱伝導率を持つ銅で厚みのある味わいを引き出す「銅炊き仕込」を採用。金麦ブランド共通の贅沢麦芽仕込・天然水仕込とあわせて、麦の豊かな味わいを余すことなく引き出しながら、すっきりとした後味と両立させた。パッケージは、1日の締めくくりにふさわしい本格感を演出するグラファイトグレー(黒鉛色)を基調に、「生ビール」の文言を中央に配してビール区分を分かりやすくしている。

 記者も会場で「金麦〈豊潤〉」を試飲した。飲み応えがしっかりとありながら、後味はすっきりとしている。飲み込んだあとの余韻や存在感まで求めるかどうかで、好みが分かれるかもしれない。

7月16日から丸の内で先行体験イベント

現行の「金麦」ブランド3種は、「金麦」がビール化することを訴求する特別なデザインの缶・6缶パックを7月出荷分から順次発売する

 ビール化の周知に向けた施策も展開する。現行の「金麦」ブランド3種については、ビール化を訴求する特別なデザインの缶・6缶パックを7月出荷分から順次発売している。7月16日~20日の5日間は、丸の内ビルディング(東京都千代田区)内のマルキューブで「『金麦は、ビールへ。』先行体験イベント in 丸の内」を開催。ビールになった樽生の「金麦」をひと足早く味わえるイベントで、開催時間は11時~20時(初日のみ12時オープン、ラストオーダーは19時30分)。生ビールの「金麦」をおつまみ付き300円で提供する。

7月16日~20日の期間、「金麦は、ビールへ。」先行体験イベント in 丸の内をマルキューブで開催する

 また、道新・UHB花火大会(北海道)や大曲の花火(秋田県)、長岡まつり花火大会(新潟県)など全国8エリアの花火大会では、「花火特等席」の当選者に樽生の「金麦」を先行提供する。10月に向けては、「金麦〈豊潤〉」に新たなメッセンジャーを迎え、TVCMや交通広告などで大々的に広告を出稿する予定としている。

花火特等席の当選者に樽生の「金麦」を先行提供する