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タリーズコーヒー「コスタリカ マイクロロット プライムレッド」発売。“完熟の中の完熟”で作った甘さにこだわるコーヒー

2026年9月16日 発売
タリーズコーヒー「コスタリカ マイクロロット プライムレッド」の発表会に登壇した渡邊瑛子氏(左)と田代洋介氏(右)

 タリーズコーヒージャパンは、コスタリカのドータ農協と協働する「マイクロロットプロジェクト」から生まれた季節限定のコーヒー豆「コスタリカ マイクロロット プライムレッド」を発売した。

 発売に先立って開かれた発表会では、マーケティング本部 ビーンズマーケティンググループ グループ長の田代洋介氏が商品の狙いを、プロダクト本部 ビーンズ開発グループ グループ長の渡邊瑛子氏が産地での取り組みを説明した。

左から「コスタリカ マイクロロット コーヒーマスター限定ロット」(1820円/150g)、「コスタリカ マイクロロット プライムレッド スイートルビー」「コスタリカ マイクロロット プライムレッド ブライトルージュ」(各1820円/200g)、通年販売の「コスタリカ ラ ミニータ ウェットミル スイートウォッシュド」(1640円/200g)

タリーズコーヒー「コスタリカ マイクロロット プライムレッド」

発売日: 2026年9月16日
商品:
・「コスタリカ マイクロロット プライムレッド スイートルビー」(1820円/200g)
・「コスタリカ マイクロロット プライムレッド ブライトルージュ」(1820円/200g)
・「タリーズジップス シングルサーブ コスタリカ マイクロロット プライムレッド ブライトルージュ」(230円/1P)
・「タリーズジップス シングルサーブ コスタリカ マイクロロット プライムレッド スイートルビー」(230円/1P)
・「コスタリカ マイクロロット コーヒーマスター限定ロット」(1820円/150g・コーヒーマスター在籍店舗限定)
※一部取り扱いのない店舗あり

コーヒーは黒い液体ではなく「赤い果実の種」

タリーズコーヒージャパン株式会社 マーケティング本部 ビーンズマーケティンググループ グループ長 田代洋介氏

 田代氏はまず「コーヒーは、真っ赤な果実の種から生まれている」と切り出した。コーヒーは苗木を育て始めてから十分に収穫できるようになるまで3年ほどかかり、その間に木を健康に育てることが実のおいしさに大きく影響する。真っ赤に熟した実「コーヒーチェリー」から種を取り出し、精製、焙煎を経てコーヒー豆になる。

コーヒー豆は、赤く熟した果実「コーヒーチェリー」の種を精製・焙煎したもの
収穫されたコーヒーチェリー(写真提供:タリーズコーヒージャパン株式会社)

「プライムレッド」は、どの熟度を目指すかを生産者と共有するための共通言語としてタリーズが作った言葉。コーヒーチェリーは緑から黄、赤へと色づいて熟していき、赤みを帯びていれば一般に完熟といえるが、赤といってもさまざまで、タリーズが完熟のピークと考える赤がプライムレッドとなる。

 色は目安の1つで、果汁の糖度も測る。通常の収穫の受け入れ基準が糖度16%以上なのに対して、プライムレッドの基準は18~20%。最後にカッピングで味わいを評価し、色・熟度・味わいの3つがそろって初めてプライムレッドと呼ばれる。

緑から黄、赤へと熟していくコーヒーチェリー。完熟のピークにあたる赤がプライムレッド
会場に掲げられた「完熟の中の完熟=プライムレッド」の説明

 少し手前の赤みでも十分に完熟で、おいしいコーヒーになる。それでもピンポイントの赤にこだわる理由について田代氏は「日本のお客さまにもっとおいしいコーヒーを届けたい。完熟にこだわることで生まれるおいしさを体験してもらいたい」と話す。

 その裏付けとして紹介したのが、焙煎したコーヒー豆の香気成分の分析。桃やプラム、アプリコットなどのストーンフルーツを思わせるフルーティな印象につながる「アルコール類」が、一般的なコスタリカのコーヒーに比べてブライトルージュは2.8倍、スイートルビーは2.5倍という結果が出ており、甘くフルーティな印象のコーヒーであることが数字からも読み取れるという。

 今年は同じプライムレッドのコーヒー豆を、精製方法の違いで2つの味わいに仕上げた。「ブライトルージュ」は水洗いや機械などを用いる「ウォッシュド」でつくったもので、明るく爽やかな甘みと、果汁感を思わせる「ジューシー」と表現できる酸味が特徴。「スイートルビー」は1日前後漬けて発酵させてから水洗いする「フーリーウォッシュド」でつくったもので、よりぽってりとした甘みとコクを感じられる味わいになっている。田代氏はリフレッシュしたいときにブライトルージュ、ゆっくりリラックスしたいときにスイートルビーをすすめる。

 器具を持たないライトユーザーにも楽しんでもらえるよう、今年はプライムレッドとして初めて「タリーズジップス シングルサーブ」を用意した。カップの上に乗せてお湯を通すドリップ式ではなく、1つに15gと多めの粉をお湯に漬け込んで抽出するタイプで、手軽に本格的な味わいを楽しめるという。また9月16日~23日には全店で「本日のコーヒー」としても提供する(店舗により時間帯、種類は異なる)。

プライムレッドでは今年初めて用意した「タリーズジップス シングルサーブ」(各230円/1P)

 プライムレッドの2品のほか、同じドータ農協のプライムレッドで精製方法の異なる「コスタリカ マイクロロット コーヒーマスター限定ロット」(パルプドナチュラル精製)を、コーヒーマスターが在籍する店舗限定で発売する。コーヒーマスターは、コーヒースクールの講師を務める「コーヒーアドバイザー」のさらに上位にあたる社内資格で、全国に約60名が在籍している。

 また通年で販売している「コスタリカ ラ ミニータ ウェットミル スイートウォッシュド」は、マイクロロットプロジェクトとは別に、タリーズのグループ農園であるラ ミニータ農園と作っているコーヒー。田代氏によると、突き抜けたフルーティ感というよりはバランスがよく、どんなシーンでも飲みやすい優しい味わい。同じコスタリカでも味が大きく違うことを体験してもらうため、これらの組み合わせで試飲イベントなどを行なうという。

19年目の「マイクロロットプロジェクト」を生産者と同じ熱量で

タリーズコーヒージャパン株式会社 プロダクト本部 ビーンズ開発グループ グループ長 渡邊瑛子氏。コーヒー豆の調達を担当し、2018年に初めてコスタリカを訪問して以来、コロナ禍の時期を除いて毎年現地に通っている

 プライムレッドは、コスタリカのドータ農協と2008年から協働で行なっている「マイクロロットプロジェクト」から生まれたもので、今年で19年目。もっとコスタリカらしい果実の甘みを感じられるコーヒーを届けたいという、生産者とタリーズ双方の思いから始まった。農協に所属する小規模な農家がそれぞれ作ったコーヒーを個別に評価し、よりおいしいものを選んでいく取り組みで、ピンポイントの赤みだけを摘み取ることは、少量生産だからこそできることでもある。

 ドータ農協がある町は標高1500m以上に位置し、コーヒーはさらに標高の高い場所で生産されている。昼は暖かく夜は震えるほど寒いという寒暖差が、コーヒーチェリーをゆっくりと成熟させ、甘みの詰まったコーヒーに仕上げる。品質の高いコーヒーが集まる農協でも、究極のコーヒーを突き詰めたものがマイクロロットになる。

ドータ農協のラボでのカッピング。厳しい受け入れ基準を満たしたロットだけがマイクロロットとして次の工程に進む(写真提供:タリーズコーヒージャパン株式会社)

 今年4月には、これまでの味わいの評価と昨年12月の現地調査をもとに、目指す赤みを色と糖度で示して生産者に説明した。12月には生産者を1軒1軒訪ね、「この赤をターゲットに収穫してほしい」と頼んで回ったという。

 完熟まで木の上で実を残すことにはリスクが伴う。完熟期のチェリーは少しの衝撃で落ちやすく、雨が当たると割れて水分が入り、せっかく作り込んだ甘みや風味が失われる。売り物にならなくなるおそれもあるだけに、生産者からは「プライムレッドを目指すのはとても難しい。数値と色だけではない複雑な要素が、よいコーヒーにはある」という厳しい声もあった。

 それでも生産者は、依頼されたからではなく自らプロジェクトに参加している。農協に加盟する生産者は1200軒以上あり、今年参加したのは約30名。渡邊氏は「彼らは自分たちのコーヒーに誇りを持ち、しっかりとした収入を得たいという思いと同じだけ、おいしいコーヒーを届けたいという思いを持っている。タリーズも届けるコーヒーに誇りを持っている。お互いの思いや考えが同じ熱量でぶつかっているからこそ、品質の高いコーヒーを目指し続けられる」と語り、来年20回目を迎えるプロジェクトが生産者とタリーズの双方を支えていると締めくくった。

マイクロロットプロジェクトに参加するドータ農協の生産者たち(写真提供:タリーズコーヒージャパン株式会社)

「マイクロロット」から「プライムレッド」へ。販売数量は約1.4倍に

 再び田代氏が登壇し、商品化の方向転換について説明した。2008年から2024年まではロットごとに商品にまとめ、数量が限られるため北海道のロット、関東のロットというように全国7エリアに分けて販売し、パッケージの裏に生産者の写真を載せるなど生産者にフォーカスしてきた。毎年楽しみにするファンがいた一方で、1つの地域に1種類しか出ないもどかしさもあり、2025年に方向転換。精製方法の違いで2種類に分け、「コーヒーは赤みが大事」「甘みを感じられるコーヒー」というおいしさと味わいにフォーカスして全国で展開したところ、販売数量は約1.4倍に伸びた。今年もそのスタイルを継承している。

 同社が8月に行なったアンケートでは、「コーヒーチェリー」という言葉を知らない人や、コーヒーが赤い果実の種から作られることを今回はじめて知ったという人が多かった。一方で「コーヒーは果実である」と聞いてコーヒーへの興味が高まったという人が多数を占めた。コーヒーを苦手とする人の多くが苦手な点として苦味を挙げるという調査もあり、田代氏は、どう作られるかや作り手の思いを知ることで味わいがポジティブに広がるという研究にも触れながら、「プライムレッドは『苦味よりも甘み』という新しい味わいの発見を経験できる。コーヒー好きな人にはもっとコーヒー好きに、コーヒーを避けていた人にも新しい味の世界へのドアを開くきっかけになるかもしれない」と話した。

 今年は赤を強調したポスターなどで完熟の印象を強めるほか、店舗での試飲、コーヒーの作られ方や飲み比べ、おいしい淹れ方を伝える「コーヒースクール」の季節限定プログラム(9月16日~10月末予定)、ショッピングセンターの催事スペースなどでの試飲イベント(9月16日~10月中旬ごろ)を全国の店舗で行なう。

東京駅の「エキナカ コーヒーフェスタ」でコーヒーチェリーの収穫を疑似体験

イベント名: エキナカ コーヒーフェスタ in TOKYO STATION
開催日時: 2026年10月1日13時~20時、2日10時~20時
会場: JR東京駅地下1階イベントスペース「スクエアゼロ」(グランスタ東京)
入場: 無料

 これらの企画で最も大きいのが、10月1日・2日に東京駅改札内で開催する「エキナカ コーヒーフェスタ in TOKYO STATION」。「エキナカの新発見!コーヒーは果実だ」をテーマに、試飲・物販コーナーや展示エリア、体験ブースなどを展開する。新たな試みとして、コーヒーの木を使った収穫の疑似体験を用意しており、小さなカゴを持って、赤く熟した実がプライムレッドの赤みになっているかどうかを楽しみながら確かめられる。

会場に置かれたコーヒーの木。エキナカ コーヒーフェスタでは、コーヒーの木を使った収穫の疑似体験ができる
10月1日・2日に開催する「エキナカ コーヒーフェスタ in TOKYO STATION」