突撃!グルメ探検隊

ネスカフェのスティックコーヒー、軽く混ぜるだけで泡立つ謎に迫る

ネスカフェ ゴールドブレンド 大人のご褒美 ヘーゼルナッツプラリネラテ

 カフェラテやカプチーノといったカフェメニューの象徴とも言えるミルクでできた「泡」。美しい泡を作るには専用マシンなどが必要とされ、なかなかカフェの味や見た目を自宅で再現するのは難しい。

 しかし、専用マシンの泡とまでは行かないが、ネスカフェのスティックミックスは、お湯を注いで軽く混ぜると薄く泡立ち、飲み終えるまでその泡が残っている。はたして、その泡はどうやってできているのだろう?

 ネスレ日本 飲料事業本部 ソリュブルシステム&ホワイトカップビジネス部の都間友紀子氏に「泡」の謎を伺った。

泡がフタになって風味をキープ、見た目や口当たりも楽しい

ネスレ日本 飲料事業本部 ソリュブルシステム&ホワイトカップビジネス部の都間友紀子氏

 都間氏によれば、コーヒーにおける泡の存在意義は、フワフワとした泡の見た目で楽しむというところや、味わった際の口当たりを楽しめるところにある。技術的には、コーヒーは空気に触れると風味が低下してしまうため、フォーミングミルクを注ぐことで泡がフタの役割となって風味を損なわずに楽しめるというメリットもあるのだとか。

泡立ちの秘密は特殊なクリーミングパウダー

 さて、ここからが本題。一般的なお湯で溶かすタイプのコーヒーはいくら混ぜても泡立つことはないが、同社の「ネスカフェ ゴールドブレンド 大人のご褒美」シリーズは、お湯を注いで軽く混ぜると、なぜか泡立つ。そこには何か秘密がありそうだ。

 技術的な細かいところまでは話せないとする都間氏ではあるが、同シリーズでは独自の技術で開発した特殊なクリーミングパウダーを使用しているとのこと。同社の商品で言えば「ネスレ ブライト」もクリーミングパウダーの一種だが、こちらは泡立たないタイプ。「大人のご褒美」では、ご褒美感を演出するために、泡立つクリーミングパウダーを用いているのだという。

 同社が豊かな泡立ちを目指して最初に投入したのは、1992年の「ネスカフェ カプチーノ」。こうした泡立てる技術は、ネスレ日本だけでなく、スイス本社の研究チームとともにグローバルで開発が続けられているが、どんなメニューを商品化するかについては地域ごとの裁量とされており、日本では抹茶などのメニューも提供されてきた。

1992年発売の「ネスカフェ カプチーノ」

今後も最適な泡のバランスを追求

 じゃあ、そのパウダーを大量に使えば、カフェのカプチーノ並に泡立つ商品も実現できるのでは?

 都間氏によると、泡を潰さないように優しく大きく混ぜるのが、うまく泡立てるコツなんだそうだ。ちなみに、今年3月発売の季節商品「大人のご褒美 ダルゴナコーヒー」(8月で販売終了)は、同シリーズの他のメニューよりもかなり泡立つ仕様となっていたそうで、メニューにあわせて最適な泡のバランスを実現できるように今後も改良を重ねていきたいという。

ネスカフェ ゴールドブレンド 大人のご褒美 ダルゴナコーヒー

 本格的なコーヒーメーカーも販売する同社だけに、あまり手軽に豊かな泡立ちを実現できてしまうと、そちらの売上が落ち込むんじゃないかと勝手に心配してしまうが、「利用シーンやニーズが異なっているので、必ずしも競合するわけではない」(都間氏)とのことだ。

こぼれ話

 実は、都間氏が泡とともにこだわって作っているのが「ふわくん」というオリジナルキャラクターのゲーム。お湯を沸かしている時間の暇つぶしに最適で、ゆるい見た目と内容でホッと一息つけるように工夫したのだとか。この秋にはふわくんが運勢を占ってくれる「大人のご褒美 コーヒー占い」も誕生。クレーンゲームの景品になるくらい世間で人気になるように育てていくという野望もあるらしい。

「ふわくん」が登場するゲーム「ふわカフェみっくす」
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