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コカ・コーラ、「コスタコーヒー」ブランド国内展開に隠されたこだわり

2021年4月5日 発表

日本コカ・コーラ コスタ ディビジョンの伊藤弘隆氏

 日本コカ・コーラは4月5日、コスタコーヒーブランドのペットボトル商品「コスタ ブラック」「コスタ カフェラテ」の発表に際し、報道関係者向けの体験会を実施し、同ブランドを国内展開するにあたってのこだわりのポイントを解説した。

 同社 コスタ ディビジョンの伊藤弘隆氏は、ヨーロッパで3000店舗以上を展開するコスタコーヒーの魅力を「More cups of great coffee, to more people, more often(もっとたくさんの美味しいコーヒーを、もっと多くの人々へ)」という創業時からのスローガンに表れていると説明。コーヒー豆の選定から焙煎、抽出、ミルクに至るまで、創業家の血筋を引く“コーヒーマスター”により、その伝統が守られているという。

 今回の商品を発売するにあたり、こうしたコスタコーヒーのこだわりを受け継ぎながら、ペットボトルに入れて販売するため、独自のアロマ密封焙煎や挽きたてアロマ製法、高圧抽出といった技術を用いるとともに、カフェラテのミルクについては国産牛乳を使うことにした。

 コーヒー豆については、レインフォレスト・アライアンス認証豆を100%使用しながら、通常の1.3倍の豆を使うことで、コーヒーのリッチな風味を引き出している。また、その香りを感じられるように、広口のペットボトルが採用されている。

 今回は冷やして飲むタイプとなるが、伊藤氏によれば、ホット向けの商品についても検討している。さらに、家庭用のコーヒー豆の販売についても準備を進めており、セルフ方式の無人カフェ「Express」や飲食店用の卓上マシン、直営カフェなども含め、国内市場のニーズに合わせて全方位での展開を図っていくとしている。

日本バリスタ協会 技術研究委員長の篠崎好治氏

 体験会には、国内でコスタコーヒーの事業展開を監修する日本バリスタ協会 技術研究委員長の篠崎好治氏も同席し、コスタコーヒーの特徴を解説した。

 篠崎氏は、コスタコーヒーのブレンドについて、「濃厚なチョコレートやナッツ、スイートキャラメルの風味のあるフルボディと強さを持ったコーヒー」と表現。焙煎レベルはミディアム(中煎り)で、イタリア人兄弟が創業しただけあって、「本場イタリアの味に近い」という。

 同氏によれば、日本では深い焙煎が好まれる傾向があるが、プロのバリスタの立場からすると、ローストし過ぎて焦げているのはないかと思えるようなものも多いのだとか。コスタコーヒーを日本で展開するにあたり、ミディアム焙煎というポジションにこだわりながらも、日本で深煎りが好まれるため、欧州よりも僅かながら深く焙煎するという調整を行なっているという。

焙煎レベルはミディアムを基本としているが、日本市場向けに少しだけ深く焙煎しているという

 「コスタ ブラック」と「コスタ カフェラテ」は、4月12日からコンビニエンスストアで先行販売をスタート。スーパーマーケットやドラッグストアなどでは26日より販売が開始され、自動販売機でも5月3日以降に販売される予定。

「コスタ ブラック」(左)と「コスタ カフェラテ」(右)