ニュース

シャトー・メルシャン、最高峰クラスの「岩出甲州 オルトゥム 2020」9月下旬登場

山形県鶴岡市の甲州を使った「鶴岡甲州 2020」も6月発売

2021年5月18日 発表

シャトー・メルシャン ゼネラル・マネージャーの安蔵光弘氏(左)とメルシャン マーケティング部長の山口明彦氏(右)

 メルシャンは、同社の甲州ブランドの最高峰となるアイコンクラスの白ワイン「シャトー・メルシャン 岩出甲州 オルトゥム 2020」を9月下旬に発売する。

 同商品は、山梨県山梨市の岩出ヴィンヤードで育てた日本固有品種のブドウ“甲州”を100%使用した白ワイン。シャトー・メルシャンとしては、コストパフォーマンスに優れたクオリティ、産地と品種の組み合わせで多様性を楽しめるテロワール、最高峰のアイコンの3つのグレードのワインを販売しているが、今回の商品はアイコンクラスに位置づけられる。

 シャトー・メルシャン ゼネラル・マネージャーの安蔵光弘氏によれば、テロワールシリーズの「岩出甲州 キュヴェ・ウエノ」の畑から、とくに優れた区画のブドウを使用。MV(マスター・オブ・ワイン)のサム・ハロップ氏などからの指摘を反映させる形で改良を重ねて醸造し、プロトタイプを製造したところ、海外の著名MVからも絶賛されたことから、アイコンクラスの商品として発売されることになった。

シャトー・メルシャン ゼネラル・マネージャーの安蔵光弘氏

 名前の「オルトゥム(Ortum)」はラテン語で「上昇」を意味しており、公式には甲州全体、さらに日本ワインのプレゼンスを昇華させることを願って名付けられたとされているが、キュヴェ・ウエノの名前にもなっていた3代前の工場長の上野昇氏の名を残したいという思いもあって、この名称になったという。

 安蔵氏は、「土を掘ると岩がゴロゴロ出るので岩出という地名になった。非常に水はけがよく、香りが強い甲州ができる」と、岩出ヴィンヤードの甲州の特徴を表現する。このため、今回の商品は、スダチやユズなどの和柑橘の香りや白い花のニュアンスとともに、心地よい酸やミネラル感が口中で長い余韻となって感じられる、としている。

 容量は750mlで、アルコール度数は12%。店頭価格は5000円前後となる。シャトー・メルシャンの各ワイナリーと、「シャトー・メルシャン プレステージ・パスポート 2021-2022」会員限定でキリンオンラインショップ「DRINX」で販売される。

シャトー・メルシャン 岩出甲州 オルトゥム 2020

山形県鶴岡市の甲州を使用した白ワインも

シャトー・メルシャン 鶴岡甲州 2020

 また、山形県鶴岡市で育った甲州を使用した白ワイン「シャトー・メルシャン 鶴岡甲州 2020」も6月1日以降に発売する。

 安蔵氏によると、鶴岡は250年前から甲州の栽培が続けられている産地で、シャトー・メルシャンとして新たな産地のブドウから甲州ワインを作るのは40年ぶりとなる。山梨とは異なる環境で育った甲州は、酸がしっかりして、骨格がしっかりしており、グレープフルーツなどの柑橘、白桃やバナナのような熟した果実の香りが感じられ、ほどよい酸と果実感が調和したワインに仕上がっているという。

 容量は750mlで、アルコール度数は12%。店頭価格は3000円前後となる。こちらはシャトー・メルシャンの各ワイナリーとDRINXで販売される。

長野県塩尻市の片丘ヴィンヤードのヴィンテージ赤ワイン

(左から)「シャトー・メルシャン 片丘ヴィンヤード メルロー&カベルネ・フラン 樽選抜 2019」「シャトー・メルシャン 片丘ヴィンヤード メルロー 樽選抜 2019」「シャトー・メルシャン 片丘ヴィンヤード 2019」

 このほか、長野県塩尻市の片丘ヴィンヤードのブドウを使用したヴィンテージ3商品も9月下旬に登場する。シャトー・メルシャンの各ワイナリーとDRINXで販売される。

「シャトー・メルシャン 片丘ヴィンヤード メルロー&カベルネ・フラン 樽選抜 2019」は、メルローとカベルネ・フランの2つの品種を同時期に収穫して混ぜて仕込むことで、メルロー由来の黒い果実にほのかにスパイシーなニュアンスとカベルネ・フラン由来のみずみずしさと華やかさが一体となって香る赤ワイン。内容量は750mlで、店頭価格は5500円前後となる。

「シャトー・メルシャン 片丘ヴィンヤード メルロー 樽選抜 2019」は、メルローを100%使用し、ブラックベリーやプルーンの黒い果実にほのかなスパイシーさが感じられる赤ワイン。内容量は750mlで、店頭価格は6000円前後となる。

「シャトー・メルシャン 片丘ヴィンヤード 2019」は、メルローとカベルネ・フランをバランスよくブレンドした赤ワイン。内容量は750mlで、店頭価格は5500円前後となる。

コロナ禍で業務用市場が縮小、家庭向けの“ちょっといい”ワインにシフト

メルシャン マーケティング部長の山口明彦氏

 5月18日に都内で開催された発表会では、同社 マーケティング部長の山口明彦氏が直近の動向を説明した。

 同氏によれば、国内のワイン市場もコロナ禍で厳しい状況が続いている。とりわけ業務用の市場については非常に厳しい状態だが、一方で家庭での飲まれ方が変化し、外出自粛を迫られ、外食ができないことから、家で飲むワインに“ちょっといいもの”を求める消費者が増えたという。

 こうした市場の変化を捉え、SNSを積極的に活用して消費者との交流を図ったり、オンラインイベントを開催したりした上で、オンライン販売に注力したことで、2020年には前年比107%となる5万3000ケースの出荷実績につながった。

 その活動の一環となる特別な体験と情報をセットにして提供する「シャトー・メルシャン プレステージ・パスポート」については、6月3日~27日に2021-2022版の申し込みを受け付ける。会費は6万6000円で、赤・白・ロゼを届ける「ダイヤモンドコース」と、白・ロゼ・スパークリングを届ける「プラチナムコース」から選べる。

 昨年開催したオンラインイベント「シャトー・メルシャン 勝沼ワイナリーフェスティバル」についても、参加ワイナリーを4社から10社に規模を拡大して11月に開催される予定。「日本を世界の銘醸地に」を合言葉に、国内外への情報発信に取り組んでいくとしている。