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サントリー、ジャパニーズジン「翠(SUI)」好調の背景とこだわりの製法を説明

2021年6月30日 開催

サントリースピリッツ RTD・LS事業部 課長の酒巻真琴氏(左)と商品開発研究部 開発主幹の吉弘晃氏(右)

 サントリースピリッツは6月30日、ジャパニーズジン「翠(SUI)」についての説明会を開催し、同商品のこだわりの製法などを紹介した。

 同社 RTD・LS事業部 課長の酒巻真琴氏は、直近(2021年1月~5月)の国内の酒類市場においてジンが前年比122%で最も高い伸長率を示しており、これを牽引するのが国産のジンだとした上で、中でも翠はスタンダード価格帯の商品で70%と高いシェアを誇っていると述べた。

 こうした好調の背景としては、コロナ禍において“家飲み”が中心となり、こうした新生活様式が続くことで、ちょっといいお酒で気分転換したい、自分なりの飲み方で楽しみたいといったニーズにうまくハマったのがジンなのだという。

 同社では、翠の発売から5年となる2024年時点で国産ジンの売上高で100億円を目指しており、当初、2021年の同商品の販売計画お20万ケースとしていたが、酒巻氏は説明会の中で直近の好調を背景に25万ケースに上方修正することを明らかにした。

翠(SUI)

 酒巻氏は、ジンと言えばトニックウォーター(ジン・トニック)という従来の固定観念から離れ、ハイボールやレモンサワーに次ぐ“第3のソーダ割り”として翠のオススメの飲み方を提案していくとしている。

 翠がジャパニーズジンと呼ばれる理由として、柚子・緑茶・生姜の3つの和食材が使われていることが挙げられる。

 商品開発研究部 開発主幹の吉弘晃氏は、「ジュニパーベリーの香りを主とするアルコール度数37.5%以上の蒸留酒ベースのスピリッツ」というジンの定義と、一般的なジンを製法を紹介した上で、翠で採用されている独自の製法を説明。

 翠では、ジュニパーベリーだけを浸漬しているほか、3つの和素材をそれぞれ浸漬してブレンド。柚子だけでも3つの原料酒を作り、緑茶浸漬酒には玉露と抹茶を使うなど、各々の素材の風味を引き出す工夫が重ねられている。

 説明会では、翠で使用されている柚子・緑茶・生姜の3つの浸漬酒のテイスティングサンプルが用意され、柚子の香り、緑茶の旨味、生姜の辛味といった翠を構成する特徴が紹介された。

柚子・緑茶・生姜の3つの浸漬酒のテイスティングサンプル
翠ジンソーダの作り方

 こうした工夫の末に生み出された翠は、日本の食べ物によく合うという。酒巻氏によれば、ソーダで割った翠(翠ジンソーダ)は、居酒屋で出てくるような唐揚げや餃子といった“居酒屋メシ”との相性が抜群とのこと。好みによって梅干しを足すなど、アレンジも試してほしいとしている。

 同社では翠ジン:ソーダ=1:4の比率がオススメだとしているが、であれば、缶チューハイのようなRTD(Ready To Drink)商品の登場にも期待したいところ。酒巻氏は、「缶入りを求める声もあるが、今のところ具体的に考えているものはない」としている。