ニュース
ジンブームの兆しにサントリーが先手! 「翠ジンソーダ缶」で新カテゴリー創造
2022年1月27日 18:24
- 2022年1月26日 発表
サントリースピリッツは、「2022年国産ジン戦略説明会」を1月26日に実施し、新商品「翠ジンソーダ缶」について説明した。コンビニエンスストアで2月15日に先行発売、3月22日に全国発売する。価格は350mL缶が175円、500mL缶が237円(いずれも税別)。
国内で盛り上がりを見せる国産ジン需要に先手を打つ形で、ボトルタイプに続き、手軽に購入できる缶タイプを展開していく。
ソーダ割の割り立て感を味わえる、缶専用柚子原料酒を新たに開発
代表取締役社長の神田秀樹氏は「ハイボール・レモンサワーに続く第3のソーダ割りとして『翠(SUI)ジンソーダ』が選択肢として当たり前の存在にしていきたい。新需要を創造し、ポジションを確立、我々の『翠』でジンの美味しさをお届けしたい。新製品はより広いお客さまにジンのよさを広める使命を背負っている」と、国内ジン市場に対する意気込みを見せた。
「翠ジンソーダ缶」は、食事に合うジャパニーズジンとして2020年3月に発売されたボトルタイプ サントリージャパニーズジン「翠(SUI)」の缶バージョン。通常のジンはトニックウォーターで割って飲むのが主流だが、同社の国産ジン「ROKU」の開発時にソーダ割りも美味しいと気付かされ、「ROKU」の食事にあう部分を取り出し、凝縮し生まれたのが「翠」という経緯がある。
ソーダ割りで食事に合うと瓶バージョンもすでに好評だが、その理由として原料の3つの和素材「柚子(爽やかな香り)」「緑茶(旨味)」「生姜(辛味で後味すっきり)」が口の中で食事を引き立てるためと執行役員商品開発研究部長の村上悦郎氏が解説。購買層は男女幅広く20代から40代とのことだ。
新製品の「翠ジンソーダ缶」は「1:4(翠:炭酸水)」の「パーフェクトバランス」で仕上げられ、瓶で作ったソーダ割同等の作り立ての美味しさ、さらに香りもそのままに味わえるのが特徴。村上氏によると「割り立てのトップを再現する缶専用の柚子蒸留酒を新たに開発、香り立ちをよくするため原料の下準備と蒸留条件を変更した」とのことだ。なお、缶バージョンも食事の際にグラスで飲むと想定し、アルコール度数は7%。
気軽に缶でジン体験。日常酒としてのポジションを確立すると神田社長
同社の2022年における国産ジン戦略に関しては、長引く新型コロナウイルス感染症の影響もふまえ、「業務用に加えて缶からのジン体験を拡大し、ユーザーを獲得していく」と神田社長。居酒屋などで飲む外飲みに加え、自宅で自分で作って飲む瓶と手軽に飲める缶で三位一体の需要創造を目指すとした。
2022年計画は瓶は前年比134%・30万ケース、缶は150万ケースを目標に、ブランド売上高は、前年比239%・64億円とした。初年度150万ケースは「角ハイボール缶」と同じで、神田社長によると「いわばマイルストーン的な数字であり、販売目標としてチャレンジできる製品」と「翠ジンソーダ缶」のポテンシャルの高さをうかがわせた。
瓶と缶の立ち位置に関しては同氏は「むしろ相乗効果がある」と話す。「角瓶」「角ハイボール」ならびに「こだわり酒場のレモンサワー」シリーズは、瓶と缶をともに楽しむユーザーが多く、2ブランドの前例を踏まえ、「翠」ブランドも同等となるのではと予想しているとのこと。
なお、同社は2024年に国産ジンの売り上げ高100億円を目指す中期計画を掲げており、国産ジン「翠」と「ROKU」の棲み分けに関して、前述のように「翠」ブランドは、「第3のソーダ割り」として「新需要創造」ならびに「新カテゴリーの創造」を担い、ジンの味のよさを広める存在として居酒屋や家庭で手軽に。
「ROKU」は国産ジンの価値を高める存在としてプレミアム感もプラス。和食業態やBARをはじめ「あるべき場所に必ずある」を推し進めていくと今後の展開も。ジンが日常酒として定番のひとつとなる日も近いと思える説明会となった。