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「ロッテ おかしの学校」が2年ぶりに開校

「パイの実」と「ガーナミルクチョコレート」の工場を見学してきた

お菓子の製造過程がわかる「ロッテ おかしの学校」がリニューアル

 ロッテは、2022年5月頃より、同社浦和工場の見学プログラム「ロッテ おかしの学校」をリニューアルして再開校する。

 2020年2月以降、新型コロナウイルスの影響で中断していた工場見学だが、デジタル的な仕組みも盛り込んで見学設備を刷新することで、お菓子の作られ方を子供から大人まで、よりわかりやすく、楽しく学べるようにした。

 この新しくなった「ロッテ おかしの学校」を一足早く体験してきたので、レポートしたい。

駅から歩いてすぐ好立地。「パイの実」と「ガーナミルクチョコレート」の製造工程がわかる

「ロッテ おかしの学校」は、製造現場を直接目で見て、お菓子がどのようにしてできあがっていくのかを学べる工場見学プログラム。対象は子供から大人までと幅広く、事前予約は必要ながら参加は無料。最大で120名が同時参加できるキャパシティがあるが、感染防止の観点から当面は一度の開催につき最大60名で実施される。同社の食育分野におけるESG活動の一環として、体験者数は2023年までに10万人、2028年までに15万人を目標としている。

駅から5分ほど歩くと到着するロッテ浦和工場

 見学場所となる浦和工場は、JR埼京線・武蔵野線の武蔵浦和駅から徒歩5分程度。ここでは「パイの実」や「ガーナミルクチョコレート」のほか、「コアラのマーチ」「雪見だいふく」「トッポ」などが製造され、全国に出荷されている。このうち実際に見学できるのは「パイの実」と「ガーナミルクチョコレート」の製造工程で、それぞれ独立した見学コースとして用意されている。

 見学コースがどちらになるのかは工場の稼働状況などによって変わり、開始から終了まではいずれも90分程度を見込んでいる。今回は報道陣向けということで、2つの見学コースをやや駆け足で体験した。なお、現在のところ再開を予定しているのは浦和工場のみ。同様の見学プログラムを実施していた狭山工場については今後の再開に向けて検討を進めているとのこと。

映像に手をかざして「お菓子の美味しさ」の秘密を探っていく

工場の敷地内を歩いてしばらくすると見えてくる「ロッテ おかしの学校」の入口

 浦和工場の敷地内を進んでいくと見えてくるのが、カラフルなロゴがあしらわれた「おかしの学校」の入口。中に入ると雪見だいふくやパイの実、チョコレートなどをモチーフにした椅子が並ぶロビーがあり、コアラのマーチやトッポ、ガーナミルクチョコレートをテーマにしたフォトスポットが用意されている。

入口にあるお菓子を模したロゴとオブジェ
パイの実を模した椅子
チョコレート風の椅子
雪見だいふくのソファ。表面はしっとり、中はしっかりという雪見だいふくらしい絶妙な手触りが再現されていた
コアラのマーチやトッポと一緒に写真が撮れるフォトスポット
ガーナミルクチョコレートのトリックアート。渦から板チョコを引き出しているように見える?

 見学コースの始まりとなる場所は、さらに建物の奥へと進んだところにある講堂。高い天井と、ステンドグラス風の窓が印象的な教会のような広いホールだ。壁には3つの大型ディスプレイが並んでいるほか、海外で販売されているロッテのお菓子のパッケージが展示されている。大型ディスプレイでは「おかし大百科」「おかしのヒストリー」「ロッテのSDGsについて」という3つのコンテンツが映し出されており、センサーに手をかざして画面操作しながらロッテの歴史や取り組みを知ることができる。

ロビーから先に進むと、講堂の入口がある
見学コースの始まりとなる広い講堂内部
鮮やかなステンドグラス風の窓
壁には海外で販売されているお菓子のパッケージが
その国固有のパッケージデザインになっているが、日本語がそのまま使われていたりもするようだ
大型ディスプレイも並んでいる
ディスプレイの下にあるセンサーに手をかざすことで、画面内に表示される手を動かし、操作できる
「おかし大百科」ではロッテのお菓子に関するさまざまな情報が得られる
「お菓子のヒストリー」。コアラのマーチは、コアラが日本へやってきたのがきっかけで誕生したようだ
「ロッテのSDGsについて」では、ロッテの持続可能な開発目標に関する取り組みが学べる

 開始時間になるとチャイムとともにガイド役の方が登場、工場内部を見学するにあたっての事前説明がある。ガイドの方が「おどろくまほう」を使いながら、見学する場所についての簡単な紹介や、何を目的に見学するのかというミッションを説明してくれるので、聞き逃さないようにしたい。

 ミッションの中身は見学コースが「パイの実」か「ガーナミルクチョコレート」かで異なるが、共通しているのは「どうやっておいしいお菓子を作っているのか」の理由を探るというもの。工場内を歩いて実際の製造の様子を観察しながら、その答えを見つけていくという立て付けになっている。参考資料として配布される「教科書」を手に持ち、パイの実の帽子をかぶったら、先導するガイドについていよいよ工場の中へ。

時間になるとガイド役の方が登場
ガイドの人が使う「おどろくまほう」とは?
参加者全員に配られる教科書
パイの実の見学コースで配られる教科書
ガーナミルクチョコレートの見学コースで配られる教科書。取材当日は未製本の状態だったが、5月の開校時には完成版が配布される
パイの実の帽子をかぶって工場見学へ出発

 まずは、原料となるチョコレートの由来などをインパクトのある立体映像で説明するところからスタート。「パイの実」の見学コースでは、一連の製造工程をアニメーションで紹介するコーナーのほか、パイの実をふっくらサクサクに焼き上げていく過程を映像で紹介するコーナーなどを歩いて順に巡っていく。実物大のパイの実の模型を所定の場所に置くことで、異なる映像を再生するといったデジタルを活用した仕掛けも用意されている。もちろん映像だけでなく、大量のパイの実の生地がレーンを流れる様子、チョコレートが注入され箱詰めされていく様子など、工場内の製造現場を窓越しにつぶさに観察することも可能だ。

屋外の通路を歩いて工場の建物内部へ
順路となっている場所の床には進行方向を示すコアラの足跡が
チョコレートの原料の由来などを立体映像で解説
パイの実の製造工程がアニメーションで映し出される
進入禁止場所にもコアラ
パイの実の焼成工程を説明するコーナー
だんだん焼き上がっていくパイの実を模型で再現
手前にある3つの模型を1つずつ順に円の中に置くと、それぞれに合った映像が再生される仕掛け

 一方、「ガーナミルクチョコレート」の見学コースも、流れとしてはパイの実と同様。製造工程のアニメーションはもちろんのこと、原料となるカカオを砕いて他の材料と混ぜ合わせて練るシーンなどを映像で見られるうえ、壁に投影された映像に手をかざすことで、流れるチョコレートに隠された「おいしさの秘密」のヒントを見つけ出すギミックも楽しめる。こちらのコースでも、チョコレートが型に流し込まれる様子、それがレーンを流れて何往復もしながらゆっくり冷やされ、数十メートルある冷却設備の中を進んでいくところなどをガラス越しに見ることが可能だ。

ガーナミルクチョコレートの製造工程がわかるアニメーション
工場内を歩いて移動
ガーナミルクチョコレートの「口どけなめらか」の秘密を探る映像
映像に手をかざすと、流れるチョコレートの奥に隠れたヒントが見えてくる

 こうして工場を見学しながら、最初に与えられたミッションの答えを探していくことになる。もし答えがわからなかったとしても、見学コースの終わりで改めて製造工程のポイントを映像で振り返るコーナーが用意されているので安心だ。最後は再び講堂に戻り、ロッテのSDGsに関する取り組みなどを学んで、ミッションの答え合わせ。講堂のなかで記念写真を撮影したり、パイの実やガーナミルクチョコレート、コアラのマーチなどのお菓子をお土産にもらって、プログラム終了となる。

パイの実の見学コースを映像で振り返る
ガーナミルクチョコレートの見学コースでも同じように振り返りができる

 どんなミッションが与えられ、お菓子の美味しさの秘密がどんなところにあるのかは、ぜひ見学に参加して確認していただきたい。工場内部の設備の撮影は不可だが、ガラス越しとはいえ製造工程の多くを直接目で見ることができる。お菓子がどんどん作られていく様はまさに圧巻で、これも実際に参加して目の当たりにしてほしいと思う。

講堂内には記念撮影の場所も用意されている
最後はお土産のお菓子詰め合わせをもらえる。時期によって中身が変わることもあるとのこと