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サントリー、リサイクルアルミ材100%の「CO2削減缶」を使った「ザ・プレミアム・モルツ/〈香る〉エール」発売
通常のアルミ缶と比べてCO2排出量を60%削減
2022年8月31日 17:30
- 2022年9月6日 発売
サントリーは、温室効果ガス(GHG)削減の取り組みとして、リサイクルアルミ材を100%使用した「ザ・プレミアム・モルツ CO2削減缶」「ザ・プレミアム・モルツ〈香る〉エール CO2削減缶」を9月6日に約3万ケース(約70万本)発売する。価格は通常品と同価格。
発売にあたり、記者発表会を開催した。
サントリーホールディングス 執行役員 サステナビリティ経営推進本部 副本部長 サプライチェーン本部 副本部長の藤原正明氏は、サントリーグループは、サステナビリティ・ビジョンに「人と自然と響きあう」を使命に掲げ、創業以来、持続可能な社会の実現を目指してきたと説明。
気候変動については、2050年までにバリューチェーン全体で、温室効果ガス(GHG)排出の実質ゼロを目指している。その達成に向け、2030年までにGHG排出量を自社拠点で50%削減、バリューチェーン全体で30%削減する「環境目標2030」を掲げ、さまざまな取り組みをグローバルに進めているという。
例えば、主要な容器・包装であるペットボトルは、使用済みペットボトルを新しいペットボトルにリサイクルする「ボトル to ボトル」の水平リサイクルをすることで、化石由来原料を使わずに、何度もペットボトルとして循環可能に。
これにより、使用済みペットボトルからプリフォーム製造までの工程において新たな化石由来原料を使用する場合と比較して約60%のCO2排出量を削減できる。また、工程をさらに効率化するF to P(フレーク to プリフォーム)技術により上記と同様の比較において約70%のCO2排出量を削減できる。
そして、ペットボトルに次いで使用量の大きいアルミ缶の取り組みが重要とのことで、今回のリサイクルアルミ材を100%使用した「CO2削減缶」の取り組みが行なわれた。
アルミ缶のリサイクル状況は、9割以上が回収され、約7割が国内で再利用され、アルミ缶に再生されている。サントリーでは、国内消費量約33.1万トンの2割強である約7.2万トンを使用している(2021年実績)。
アルミ缶の製造工程は、地金、鋳造・圧延、胴・蓋加工に分けられる。工程別にCO2排出量を見ると、地金がCO2排出量の約67%と工程の中で一番多くなっている。さらに、新地金は100%海外に依存している。
そこで、サントリーは、UACJと東洋製罐グループホールディングスと共同して、リサイクルアルミ材を100%使用し新地金なしでも品質を担保した「CO2削減缶」を製造した。難しかった点は、アルミ缶の中でも材質が少し異なる部分があり、リサイクルするときに課題となったとのこと。
今後も、環境負荷を低減する容器包装の積極的な活用や、さらなる省エネ技術の導入、再生可能エネルギーの活用などにより、バリューチェーン全体で温室効果ガス(GHG)排出量の削減に取り組んでいくとしている。