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ローソンストア100、商品開発本部長が語る安さの秘密
2023年3月13日 19:50
- 2023年3月13日 発表
ローソンは3月13日、ローソンストア100の直近の販売動向に関する発表会を開催し、ローソンストア100 商品開発本部長の近藤正巳氏がプレゼンテーションを行なった。
同氏はまず、ローソングループ内におけるローソンストア100の位置づけを説明。中核となるローソン本体と比べ、高付加価値を訴求するナチュラルローソンや成城石井の対極として、リーズナブルな商品を取り揃え、スーパーマーケットに近い品揃えを特徴とするのがローソンストア100となる。
「献立応援コンビニへ。」をコンセプトに、関東・中京・近畿エリアに661店舗を構え、生鮮食品や日配食品、調味料といった日々の食卓に必要とされる商品群を販売している。
取り扱い品目数も、ローソン本体の約3500品目に対し、約3800品目を販売。売上構成比では、弁当やサンドイッチなどはローソン本体が23.0%となっているのに対し、9.8%と少なめとなるが、生鮮品などの日配食品はローソン本体が14.7%なのに対し、29.4%と多くなっているという。
客層としては、単身者やシニアの利用者が多く、50代以上が4割を占める。男女比は6:4で男性が多く、コンビニ以上に冷蔵庫代わりに利用されている実態が見えてくる。
近年では、おかずが一品だけの「だけ弁当」や、さまざまなメニューを組み合わせて自分好みのおせちを作れる「100円おせち」といった商品が話題になっているほか、毎月「お買い得セール」を実施するなど、従来のコンビニエンスストアには無かったような取り組みも行なっている。
続いて近藤氏は、昨今の物価高において、ローソンストア100がどのように工夫してきたかを紹介。
同氏によると、食パンなどの購入頻度が高い商品の値上げを避け、その分を購入頻度が低い商品の価格に転嫁することで利用者の負担感を軽減しているほか、商品自体も企画段階からさまざまな工夫を行なうことで価格の上昇を抑えているという。
例えば、108円で販売している食パンについては、「コンビニでは主力商品ではないため、販売数が少なく、スーパーでは特売などで販売数や価格が乱高下しがちだが、ローソンストア100では安定して大量に販売しているため、(製造委託先の)メーカーとしても原材料やラインの確保を計画的に行なえるメリットがある」とする。
長期にわたって人気の定番商品を同じ価格で販売し続けることで安定供給すること以外にも、パッケージの色数を抑えてコストダウンを図ったり、包材のフィルムを可能な限り薄く作ったりしている。
また、人気のカット野菜では、丸のまま販売するとLやMといったサイズの選別が必要になるが、最終的にカットして販売することから、サイズ選別が不要となり、工場への搬入にもダンボールを使用せず、再利用可能なケースを用いることでコストダウンを図っている。惣菜の販売においても、安価で汎用性の高い白トレーを使い、ラップで蓋をすることでコストを抑えている。
こうした工夫の結果、「湯捏仕込みの食パン」(108円)、「もっちドーナツ つぶあん 2個入」「同 クリーム 2個入」「メロンパン 2個入」(各119円)、「コロッケロール」「キャベツメンチカツロール」(各119円)、カット野菜 全14種(各108円)、100円惣菜シリーズ(各108円)、和菓子、「薄力小麦粉 700g」(108円)といった商品が人気になっているという。
近藤氏は、このほかにも「特盛ごはん 300g」(117円)と「特盛カレー 300g」(108円)を組み合わせると、総重量600gのカレーライスが225円で完成するとして、大量製造、大量販売のメリットを強調。冷凍食品や調味料なども、適量小分けで単身世帯に合う形で販売することで人気が高くなっているとする。
同氏は最後に直近で発売する新商品を紹介。「レーズンフレンチトースト 4個入」(119円)を3月15日、「渾身の一本!ぼたもちっ!」(119円)を3月16日、「カヌレ(いちごクリーム入り)」(129円)を4月5日にそれぞれ発売する予定であることを明らかにした。「渾身の一本!ぼたもちっ!」については、職人が手作りしているため、大量生産できず、1店舗あたり上限10本の数量限定販売となるとのこと。