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ミシュランガイドの公式アプリが日本語に対応

2023年4月17日 発表

 日本ミシュランタイヤは4月17日、2023年度のミシュランガイドの事業展開に関する発表会を開催した。

 代表取締役社長の須藤元氏は、「3年もの間、私たちは人に会ったり、語らい、食事をともにし、旅に出るという人生の当たり前の喜びを我慢してきた。しかし、昨年10月の水際対策の緩和から訪日客の足は戻り始め、今年2月のインバウンドは2019年比で約57%、147万人まで回復している。訪日客の大きな目的の1つが日本の豊かな食文化」と語る。

 同氏は、「外出規制という暗く長いトンネルをようやく抜け、お出かけにふさわしい季節がやってきた。ゴールデンウィークや夏休みも控えている。ミシュランガイドは、皆さんのモビリティがより豊かになることを支援するために新しいデジタルツールを発表する」と述べ、「ミシュランガイド公式アプリ」を4月14日に国内リリースしたことを明らかにした。

 同アプリは、海外では2021年10月から提供されており、これを日本語に対応させた形となる。国内においては「クラブミシュラン」の名称でアプリが配信されていたが、こちらは国内の飲食店を紹介するアプリとなっていた。

 今回、利用できるようになった無料の公式アプリは、37か国、1万6200軒のレストラン、120か国、6000軒のホテルが紹介されており、地図上で周辺検索を行なったり、お気に入りのレストランを登録しておき、マイリストを作成したりできるのが特徴となる。一部のレストランについては、アプリで検索し、そのまま予約も行なえるようになる。

 ミシュランガイド事業部 ブランドライセンス事業部 執行役員の本城征二氏は、「これからアプリとして皆さんの使いやすいツールにしていきたい。今後はそれぞれにコメントを書けるような機能も追加していきたい」としており、デジタルならではの進化が期待できそうだ。

 また、ミシュランガイドのセレクションは1年に1回、発表会を開催する形で公表されていたが、アプリとWebサイトにおいては、随時アップデートを行なっていく形となる。星の評価などは1年に1回となるが、ミシュランとして紹介に値すると判断したお店については、随時Newマークを付けて掲載していくという。

 デジタルへのシフトを進めながらも、「その年のセレクションを残しておきたいという人もいる」(本城氏)として、今後も書籍としての発行は続けていく。

 同社によれば、5月16日に「ミシュランガイド奈良2023」を発表した後、秋には「ミシュランガイド東京2024」、春に「ミシュランガイド京都・大阪2024」を順次発表していく予定となっている。

代表取締役社長の須藤元氏(中央)、ミシュランガイド事業部 ブランドライセンス事業部 執行役員の本城征二氏(左)、航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏(右)

 発表会の後半では、航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏が本城氏とともに登壇し、旅行や外食に関する動向を紹介した。

 鳥海氏は「観光地は1回行けば満足できるかもしれないが、おいしい料理は何度でも食べに行きたくなる。食は旅行にとって重要な要素」だと語る。同氏のオススメはスペインのサンセバスチャンとのことで、「それぞれのお店に得意料理があり、1つの店に30分滞在して、また次の店に行く食べ歩きが楽しめる」という。このほか、香港やベルギーのブリュッセルもオススメとのこと。

 同氏は「今の世の中、ネットに情報が氾濫しすぎている。信頼できるWebサイトであったり、信頼できる本であったり、信頼できる人が書いている情報となれば、もうそこで調べなくていい。ミシュランがまさにその真髄」と述べた上で、同アプリで使える周辺検索機能が旅先で便利で、調査員のコメントを読んでいるだけでも面白いと語っていた。