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「ミシュランガイド東京 2023」を発表。東京は今回も世界で一番星が輝く都市に
2022年11月16日 14:20
- 2022年11月15日 公開
- 2022年11月18日 書籍発売
東京のおすすめ全422軒を紹介する「ミシュランガイド東京 2023」
「ミシュランガイド東京」の発行は2008年版の初版から今回で16回目。2023年版では32種類の料理カテゴリから選び抜かれた全422軒のおすすめ飲食店・レストランの情報を掲載する。さらに幅広いユーザーに楽しんでもらえるよう、今回から英語での併記を始めた。
東京は今年も世界で一番星が輝く都市となり、星付きレストランが200軒にもなる。その内訳は三つ星12軒、二つ星39軒、一つ星149軒。料理の評価はもちろん、献身的かつ革新的なサステナブルな取り組みを行なう店舗を評価するミシュラングリーンスターは12軒にも及んだ。
「ミシュランガイド東京 2023」の星付き店舗の概要
三つ星: そのために旅行する価値のある卓越した料理
12軒はいずれも昨年に引き続きの掲載。中でも、かんだ(日本料理)、カンテサンス(フランス料理)、ジョエル・ロブション(フランス料理)は初版以来16年連続で三つ星の評価を維持する。
二つ星: 遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理
39軒中、新規掲載は明寂(日本料理)の1軒。セザン(フランス料理)は一つ星から二つ星へと評価を上げた。
一つ星: 近くに訪れたら行く価値のある優れた料理
149軒中、新規掲載は16軒。その内訳は日本料理5軒、寿司4軒、イタリア料理1軒、イノベーティブ1軒、フランス料理4件、中国料理が1軒となる。
ビブグルマン: 価格以上の満足感が得られる料理
222軒中、新規掲載は38軒。料理カテゴリは14と多岐に渡る。
ミシュラングリーンスター:持続可能なガストロノミー(美食)に注力する店舗
12軒はいずれも昨年に引き続きの掲載となる。
3年ぶりに掲載店発表会をリアル開催
「ミシュランガイド東京 2023」掲載店発表会では、代表取締役社長の須藤元氏が「今年は3年ぶりにシェフの皆さまに直接セレクションをご紹介することができます。飲食店やレストランの皆さまにおいては創意工夫と挑戦で、大変な難局を乗り切ってこられました。長い間外食を控えていた私たちは、美味しい料理がもたらす癒しや喜びを改めて実感しています。『ミシュランガイド東京 2023』のセレクションには、今年もまた世界で最も多くの星が輝きました。この本が国内外の幅広いユーザーに、世界一の美食都市“東京”の魅力を知っていただくためのお力添えになるものと確信しています」とあいさつ。
続いてサービスアワードとメンターシェフアワードが発表された。サービスアワードとは、レストランに訪れた人々を心地よくし、おもてなしに優れた人に授与される。またメンターシェフアワードは、自身の仕事やキャリアが手本となるようなシェフに授与される賞だ。
サービスアワードは傳(日本料理)の長谷川えみ氏が受賞。「コロナ禍で外食することが本当に大変なことだと改めて気付かされました。そのなかでいらっしゃってくださるお客さまの時間をどれだけ居心地のよいものに、どれだけ幸せな時間にできるか、全力でスタッフと取り組んできたことが皆さまに伝わったのだなと、とてもうれしく思います」と受賞の喜びを伝えた。
メンターシェフアワードは神楽坂 石かわ(日本料理)の石川秀樹氏が受賞。「忍耐強く続けてくれたり、一緒に頑張ってくれている皆さんに感謝しかありません。これからも社会に貢献できるよう、一生懸命励んでいけたらこのうえない喜びです」とコメントした。
東京の星付き店舗のシェフが一同に集まる
続いて、須藤社長とコーポーレートキャラクターのミシュランマンが「ミシュランガイド東京 2023」を披露。「ミシュランガイド公式ウェブサイト」では料理の評価やカテゴリ、地図などから店舗が手軽に検索できることなどを紹介した。
その後、ミシュラングリーンスター、新規掲載ビブグルマン、新規掲載二つ星と一つ星、三つ星と各賞の受賞を実施。
三つ星の受賞式では、受賞者を代表して、かんだ(日本料理)のオーナーシェフ 神田裕行氏が「1年を通じて調理場にいて、1年に1回、こういうハレの舞台に呼んでいただく。これも料理業界に従事してくれる方々、それを支える生産者の方々のおかげ。そんなみなさんのおかげで東京はたくさんの星をいただいているんだと思います。これからも真摯にそのことを思い、調理場に立ち続けたいと思います。ありがとうございました」と喜びをコメントした。
知っておきたい「ミシュランガイド」を楽しむポイント
「ミシュランガイド東京 2023」掲載店発表会の前には、メディア向けの記者会見が実施され、ミシュランガイドを楽しむためのポイントについても紹介があった。
ミシュランガイドは1900年、パリ万博の年に誕生。当時は道路が整備されていなかったので、安心・安全に遠出できるガイドとして、タイヤやクルマの修理方法、整備士がいる場所、市街地図などをまとめた本だったそう。やがて美味しい食事を提供するホテルに星を付け始め、1931年には現在のような3段階の星の定義を採用。1933年から匿名調査員制度が開始されたという。
ミシュランガイドの調査員は、対象国のすべてで同一の評価基準で評価できるよう、フランスで厳しいトレーニングを受けている。料理の評価は世界共通で、「1. 素材の質」「2. 料理技術の高さ」「3. 味付けの完成度」「4. 独創性」「5. 常に安定した料理全体の一貫性」の5つの基準で実施。調査員は一般客と同じように予約し、食事をして料金を支払うため、まず調査員であることは分からないそう。評価は毎年見直され、必要であれば複数回調査される。
新しい取り組みとして、2020年からミシュラングリーンスターがスタート。2021年に三つ星とミシュラングリーンスターとなったレフェルヴェソンス(フランス料理)の生江史伸シェフは、自ら海に素潜りして海藻の状態を確認したり、海や海岸の清掃、間伐材による薪火を使用して料理するなど、さまざまなサステナブルな取り組みを実践している。その取り組みについても説明があった。
11月18日には紀伊国屋書店新宿本店、11月22日にはタロー書房の店頭で、プロモーションイベントが予定されている。ミシュランマンが新しいミシュランガイドの発行をアピールするために書店に登場するので、これらのイベントにも注目だ。
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