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カルビー「Body Granola」、個人の腸内環境にあったグラノーラを定期購入できるサービス

2023年4月25日 発表

Body Granola

 カルビーは4月25日、腸内環境を検査し、個々人にあったグラノーラを定期購入できるサービス「Body Granola(ボディグラノーラ)」をスタートした。

 同サービスは、メタジェン、サイキンソーと共同開発したもので、腸内フローラ検査キットを使って検査を行ない、その結果に基づきながら好みの素材(プレバイオティクストッピングなど)を選んで注文できる。

 検査では、腸内フローラタイプを短鎖脂肪酸を産生する主要6菌(バクテロイデス、ルミノコッカス、プレボテラ、ビフィドバクテリウム、フィーカリバクテリウム、ブラウディア)の保有割合が多い順に上から3つで判定。それぞれの菌のエサとなる素材を配合したグラノーラが用意されており、判定結果に基づいて、それらの中から3つを選んで注文する形となる。

腸内フローラ検査キット

 価格は、腸内フローラ検査キットが9800円(送料込)、Body Granolaの定期購入(ベースグラノーラ640g+プレバイオティクストッピング120g×3種、20食分)が3500円/月(税別、送料別)。

 同日、都内で開催された発表会では、カルビー 代表取締役社長 兼 CEOの江原信氏、メタジェン 代表取締役社長 CEOの福田真嗣氏、サイキンソー 代表取締役 CEOの沢井悠氏が揃い、今回の新サービスへの想いが語られた。

カルビー 代表取締役社長 兼 CEOの江原信氏(中央)、メタジェン 代表取締役社長 CEOの福田真嗣氏(右)、サイキンソー 代表取締役 CEOの沢井悠氏(左)

 江原氏は、同社が2030年に向けて掲げるビジョン「NEXT Calbee & Beyond」の中で、構造改革期と位置づける2023~2025年度に取り組むテーマとして「国内コア事業」「海外事業」「アグリビジネス」「食と健康」の4つがあり、Body Granolaは4つめの食と健康に関する事業であることを説明。

 食と健康事業においては、「パーソナライズ」「デジタル×ヒューマンタッチ」「多彩なソリューション」の3つに取り組む方針で、そこに腸内フローラ研究や睡眠研究、時間栄養学などの基礎研究で生み出されたアイデアを組み合わせ、新たなビジネスモデルの構築を図っていく。

 同氏によれば、コロナ禍で低下が懸念されていた免疫に着目し、2020年からメタジェンと共同研究をスタート。もっと一人ひとりに寄り添ったサービスを提供できないかと考え、今回のサービスの形に行き着いたという。

 同氏は「フルグラ」の進化にバージョンナンバーを振り、オリジナルのフルグラを1.0、糖質オフを2.0、プロテイン配合などの機能性をうたった商品を3.0、そして今回のサービスを4.0と位置づけ、従来のマスプロダクトでは実現できない商品やサービスを開発していくことの重要性を強調。今後もエビデンスをベースに健康によいフードを提供していく、としている。

 続いて登壇したサイキンソーの沢井氏は、腸内フローラの働きなどを解説。人間の消化器が消化できなかった食べ残しを食べて分解するのが腸内細菌で、その活動の結果として作られる短鎖脂肪酸やセロトニンなどを吸収することで、健康な状態を維持できるという。

 サイキンソーが提供する検査サービスでは、腸内フローラのタイプを57通りに分けて結果を返し、主要6菌の割合やその他の菌の割合を把握できる。今回のサービスも、この結果を活用し、それぞれの人にあったトッピングを提案する。

 次に登壇したメタジェンの福田氏は、約1万人のデータから導き出された腸内フローラの特徴を紹介。同氏によれば、腸内フローラの構成は個人ごとに異なり、似たようなタイプに分類することはできるが、腸内細菌が活動するためのエサを食事として供給できなければ、その働きが期待できないとして、自身の腸内環境の傾向を理解し、適切な素材を摂取していく必要があるとする。

 江原氏によると、今回はグラノーラとして商品化しているが、同社が得意とするスナック菓子でも可能性はあるという。同社としては、5年間で10万人への展開を目標にしており、睡眠サポート食品の「にゅ~みん」などとあわせて、食と健康をテーマにした商品のラインアップを拡張していく意向だ。