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アサヒ飲料、事業方針説明会で強炭酸サーバー「EXTRA BURST」発表

2024年1月16日 発表

代表取締役社長の米女太一氏(左)とCSV 戦略部長の三浦正博氏(右)

 アサヒ飲料は1月16日、2024年の事業方針説明会を開催し、代表取締役社長の米女太一氏、取締役 兼 常務執行役員 マーケティング本部長の野村和彦氏、CSV 戦略部長の三浦正博氏が説明を行なった。

 米女氏は、2023年を振り返り、「新型コロナの5類移行で経済活動が活性化したほか、最盛期の好天もプラスに影響したものの、原材料・エネルギー価格の高騰などの影響があり、飲料業界全体で見ると前年並みになった」とした上で、同社としては「“お客さまとの共感”をテーマに三ツ矢、ウィルキンソン、カルピスの3つの100年ブランドと無糖、炭酸、健康の3領域に注力した」と語る。

2023年の振り返り

 その具体的な成果として、4月に発売した「颯」が清涼飲料業界の2023年の新商品の中でNo.1の売上を達成したことや、L-92乳酸菌を配合した「守る働く乳酸菌」を機能性表示食品として発売し、外出機会が増えたことにより高まった免疫対策ニーズに応えられたこと、睡眠の質を高めるのに役立つ「届く強さの乳酸菌W」の好調もあり、カルピス由来の乳酸菌科学シリーズが前年比130%の過去最高の販売数量となったことなどを紹介。

 2024年については、こうした方向性を維持しながら、従来の成長性や収益性といった2軸に加え、ワクワク度を加えた3つの軸で提供する価値を再定義することで、未来を見据えて新しいチャレンジに取り組んでいくという。

2024年の事業方針

 具体的なマーケティング施策については、野村氏が説明を行なった。「無糖茶」「乳性/ヘルスケア」「炭酸」の3つの切り口で成長戦略を描き、消費者に驚きや喜びを提供することを目指す。

 無糖茶では、情緒的な価値の最大化に取り組むことで、他社との差別化を図る。「颯」については、緑茶市場全体を押し上げたとしながらも、まだまだ認知が取れていないとし、改めて特徴となる華やかで爽やかな香りという価値を訴求していく。

「十六茶」についても、中味とパッケージを2月にリニューアル。複層的な香りの変化を時間の経過とともに楽しめるようにする。「CRAFT和紅茶」は、4月のリブランドを通じて国産100%と手作業にこだわった製法を訴求していく。

代表取締役社長の米女太一氏(左)と取締役 兼 常務執行役員 マーケティング本部長の野村和彦氏(右)

 乳性/ヘルスケアの領域では、「カルピス」の基本価値を改めて訴求し、子供だけでなく、大人も満足できる高付加価値商品を拡充する。3月に発売する「カルピス Upフルーツ オレンジmix」では、これまでとは逆の発想で、オレンジの味わいをカルピスが引き立てる、というアプローチで商品を開発したという。

 また、「乳酸菌科学シリーズ」については、4月からカルピスブランドとしてリブランドし、「PLUSカルピス」の名称で販売していく。

 炭酸では、140周年の「三ツ矢」、120周年の「ウィルキンソン」の2ブランドで周年商品を発売。三ツ矢ブランドからは「三ツ矢 PREMIUM SWEET」「MITSUYA檸檬Cider140」、ウィルキンソンブランドからは「WILKINSON GO テイスティグレフル」といった商品が登場する予定となっている。

 さらに、三ツ矢では、使用するペットボトルの高さを6.5mm低くすることで、外箱のサイズが小さくなるように設計。これにより、トラックに積み込める量を増やし、輸送効率を高め、輸送に必要となるトラックの台数を20%削減し、結果的に環境負荷の軽減につなげるという。

 続いて登壇した三浦氏は、4月から展開する強炭酸サーバーのレンタルサービス「EXTRA BURST」を発表した。

EXTRA BURST

 同氏は、直近の飲料市場の動向として「健康志向の高まりで無糖炭酸水市場が伸びている。環境面でもボトルtoボトルの(リサイクル)比率も高まっており、容器への環境配慮が加速している」と指摘。そこで市場に投入されるのがEXTRA BURSTとなる。

 独自技術を活用したノズルを使うことで、ペットボトルや缶、瓶といった既存の炭酸飲料の容器では実現できなかったような高ガス圧の強炭酸が楽しめるサーバーとなっており、仕事の合間のリフレッシュなどでの利用を想定。三浦氏によれば、ガス圧については、一般的なものに比べて6割ほど高いという。

 同社では2023年にオフィスのフードスペースやホテルのラウンジなどに7台のテスト機を設置して実証実験を行なったところ、「これまで体験したことのない強炭酸でリフレッシュできる」と高く評価されたことから、まずはオフィスやホテルを中心に導入を目指していく。年内の目標は20台程度だとしている。

 同氏によれば、4月のサービス開始にあわせて、強炭酸水にフレーバーを付けられるバージョンのテスト展開も実施。2025年中には家庭用バージョンの展開を目指すとしている。