ニュース

Dr.Foodsが「植物性トリュフバター」の完成を発表

Wayback Burgers 表参道店でハンバーガー発売

2024年5月8日 発表

植物性トリュフバター

 Dr.Foodsは5月8日、「植物性トリュフバター」の完成を発表した。東京・渋谷の「Wayback Burgers 表参道店」で同素材を使用したハンバーガーが販売される。

 Dr.Foodsでは、2022年に植物性フォアグラ、2023年に植物性キャビアの販売を開始しているが、今回登場したのはイタリア・トスカーナ産の最高級トリュフを使用し、植物性バターと組み合わせて開発した植物性トリュフバターとなる。

 そもそもトリュフ自体が植物に位置づけられるが、商品開発部の井戸健二氏によれば、これまでに植物性フォアグラや植物性キャビアを販売してきた取引先からトリュフを使った商品についてのリクエストが多数あり、同社の事業活動とシナジーがあるものを検討したところ、バターという選択肢に行き着いたという。

 開発にあたっては、マーガリンとの差別化、温度条件の調整、トリュフの香りの3点で苦労したとのこと。マーガリンとの差別化においては、トランス脂肪酸の含有量を一般的なバターの1/4程度に抑えたり、粉乳や乳製品を全く使わずに乳らしい風味を実現したりしている。温度についても、数種類の異なる油脂を配合することで、バターの融点とされる30℃前後に調整したり、冷蔵時に固形化した際の硬さを調整したりしている。

 代表取締役の石塚孝一氏によると、トリュフ自体の培養にも挑戦してみたが、独特の香りが菌によって形成されるため、現状では再現が難しいという。

(左から)トレーダー 愛 総料理長の荒瀬壮男氏、Dr.Foods 代表取締役の石塚孝一氏、Dr.Foods 商品開発部の及川さき氏、Dr.Foods 商品開発部の井戸健二氏

 今回の植物性トリュフバターは、レストランなどに業務用として30gあたり1500円で提供され、一般向けの販売は予定されていない。石塚氏は「近年、インバウンドが増え、ビーガンであったり、ベジタリアンであったり、植物性のものを好まれる方が一定数いらっしゃる。そのような方々にも植物性だけで非常に本物と味が変わらずに価値のあるメニューをレストランの方々に出していただきたい」と語る。

 Wayback Burgers 表参道店では、植物性トリュフバターを使用した「ネクスト トリュフバター チーズィー」が5月11日~8月31日の期間限定で販売される。価格はシングルが2200円、ダブルが3200円となっている。

Wayback Burgers 表参道店で販売される「ネクスト トリュフバター チーズィー」

 このほか、結婚式場やレストランなどを運営するトレーダー 愛が植物性トリュフバターの採用を決定。総料理長の荒瀬壮男氏によれば、年間3000組、20万食を提供するなかにおいて、すでに12万食で植物性フォアグラや植物性キャビアを活用しており、来年2月の新メニューから植物性トリュフバターを使用していく予定とのことだ。