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うまさのカギは落差にあり、「キリン のどごし<生>」がリニューアル

2024年6月17日 取材

 キリンビールは、同社のビールテイスト飲料「キリン のどごし<生>」を中身、パッケージともにリニューアルした。2024年4月製造分から新商品に切り替えており、すでに多くの店舗で購入できる。飲みごたえとキレの良さを強化したという同商品の試飲会が開催されたので、2005年初登場時の味わいを再現したものと飲み比べてみた。

「飲みごたえ」と「後キレ」の“落差”を強化

 2005年4月に発売した「キリン のどごし<生>」は、2024年の今年20年目を迎えた。2018年には累計出荷本数200億本を達成するなど定番商品としての地位を確立してきたが、その間にも製法の進化や時代によって異なる消費者の志向に合わせ14回のリニューアルが行なわれてきている。

消費者の志向は時代とともに変化している
それに合わせてリニューアルも幾度となく行なってきた
「キリン のどごし<生>」歴代のパッケージ

 そんななか今回のリニューアルでは、もともと「のどごし<生>」が持つ飲み始めの「飲みごたえ」と、飲み終わりの「後キレ」にフォーカスし、その“落差”をさらに磨いて商品の強みを伸ばすことを目指したという。長年愛されてきた「のどごし<生>」の良さは残しつつ、ホップの配合比率の変更によって香りの向上や雑味の低減を実現し、飲みごたえと後キレの両方を強化できたとしている。

飲みごたえと後キレの“落差”という強みを伸ばす方向へ

 中身だけでなくパッケージも変更。全体的に明るい色調とし、「爽快で元気が湧く」というブランドイメージに沿ったアップデートが加えられた。2023年10月の酒税法改正を受けて、「その他の醸造酒(発泡性)1」から「発泡酒2」へと分類表記も改められている。

明るくなった新しいパッケージ

 ビールが減税となったことを受けて、価格のリーズナブルさをウリにしてきた発泡酒などの新カテゴリー市場は縮小傾向にあるとのこと。しかし、物価高もあって「消費者の節約意識は根強く残る」と同社は考えており、こうした新カテゴリー市場のニーズは今後も底堅いと見ているようだ。

今後も一定のニーズはあると見ている
これまでの歴史やリニューアルの狙いなどを語ったキリンビール マーケティング部の佐藤洋介氏
リニューアルした「のどごし<生>」の進化点などを解説した同商品開発研究所 中味開発グループの宮下英理子氏

新しい「のどごし<生>」は色も味も違う!

 試飲会ではリニューアルした「のどごし<生>」と、初登場となった2005年当時のレシピを元に再現した初代「のどごし<生>」の2種類を飲み比べることができた。

リニューアルした「のどごし<生>」(左)と初代を再現したもの(右)

 コップに注ぐと液色からして大きく異なり、新しい「のどごし<生>」はクリアなゴールド。実際に口に含んでみると飲み始めの炭酸が強く感じられ、そのインパクトがある分、雑味のほとんどないすっきりとした後味との“落差”は確かに大きい。いっそう満足感のある「のどごし」を楽しめるようになっていて、暑い日の1杯目にもちょうど良さそうだ。

液色が全く異なる
見た目のとおり新しい「のどごし<生>」はすっきり、クリアな味わい

 一方、初代を再現したものはブラウンに近い液色。飲み始めのインパクトはやや薄く、旨味とわずかな雑味の両方が比較的平坦に長く続く感じで、リニューアルしたものとは印象がかなり異なる。今となっては商品として購入することはできないが、これはこれであっさりとした料理にもマッチするようにも思えた。

プロモーションにおいては桐谷健太と伊原六花をキーメッセンジャーとして起用