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ローソン、クリスマスケーキやおせちのこだわりを紹介

2024年12月5日 取材

ローソンのクリスマスケーキ、おせち

 ローソンは12月5日、クリスマスケーキやおせちといった年末年始の季節に向けた商品に関する説明会を開催した。

 商品本部 デイリー・FF部 シニアマーチャンダイザーの鈴江裕子氏は、年末年始のカレンダーを示しながら、クリスマスが平日ということで前の週末からクリスマスウィークを楽しむ動きや、年末年始の休みが最大9連休となることで多様な過ごし方が考えられるといった今年の特徴を説明。

 同社として、「メリハリ消費」や「ダイバーシティ」をテーマにしつつ、クリスマスケーキについては「コト消費」「プチ贅沢」「バラエティ」、おせちについては「プレミアム」「バラエティ」をコンセプトに商品ラインアップを設計したという。

商品本部 デイリー・FF部 シニアマーチャンダイザーの鈴江裕子氏

 クリスマスケーキでは、定番系やコラボ系、専門店監修、アソートといった切り口でさまざまな商品を取り揃えているほか、コト消費として自分でデコレーションが楽しめる“DIYケーキ”のラインアップを拡充した。

 昨年好評だった「シンプルショートケーキ(6号)」(2560円)は、酒を使わない仕様に変更。人気スイーツのプレミアムロールケーキを5号サイズに巨大化した商品(2400円)を新たに提供することで、作る楽しさを演出する。また、予約不要の小型商品を店頭販売することで、幅広いニーズに応えていく。

シンプルショートケーキ(手前)とアレンジ例(奥)
DIY用のプレミアムロールケーキ(左手前)、通常のプレミアムロールケーキ(右手前)、アレンジ例(奥)

 予約商品のうち、Mrs.GREEN APPLEとコラボしたケーキについてはすでに予約数に達したため受付終了となっているが、12月26日にコラボスイーツ3品を発売するとしている。

 おせちについては、同社史上最高額となる5万円の商品「厳選国産食材使用 和風おせち三段重 至極」を用意することで贅沢感を求めるニーズに対応する一方、2万円未満のラインアップを強化。冷凍宅配の商品についても、昨年の1品から4品に増やすことで、旅行から帰ってきてからおせちを楽しみたいというニーズに応える。

 また、売上の一部を地震や豪雨による被害が大きかった能登地方に寄付する「北陸美味めぐりおせち」(1万5800円)や、規格外の食材を活用することで食品ロスの削減に取り組む「Mottainaiおせち」(4500円)といった商品もラインアップする。

5万円の「厳選国産食材使用 和風おせち三段重 至極」
「Mottainaiおせち」

 商品本部 デイリー・FF部 チーフマーチャンダイザーの東郷直哉氏によれば、クリスマス商品もおせちも従来は店頭予約が中心だったが、近年はアプリ予約が増えており、クリスマス商品では約2割、おせちでは約3割がアプリからの予約になっているという。

商品本部 デイリー・FF部 チーフマーチャンダイザーの東郷直哉氏

 クリスマス商品もおせちも業界全体で年々予約開始時期が早まっている傾向があり、同社でも9月半ばから予約を受け付けているが、鈴江氏によると、地球温暖化による季節感のズレもあり、予約が本格化するのは逆に遅くなる傾向も見られる。

 さすがに9月時点で年末年始の予定を決める人は多くなく、予約した時点で受取場所を決める必要があるという現行の予約システムでは、一旦キャンセルして予約しなおす作業が発生し、商品によっては再予約できないこともある。同社でもこうした課題は認識しており、予約後に受取場所を変更できるようにすることも検討していきたいとしている。

 今回の説明会では、インキュベーションカンパニー クイックコマース部 マネジャーの山口達也氏から年末年始のデリバリーサービスの利用動向についても紹介があった。

インキュベーションカンパニー クイックコマース部 マネジャーの山口達也氏

 各デリバリー事業者と提携して提供しているデリバリーサービスだが、平日より土日に注文件数が多くなる傾向があるほか、クリスマスは突出して注文が多くなる。クリスマス後の年末年始も土日に近い動き方で、プラットフォームによっては首都圏以外の地域で注文件数が多くなるエリアもあるという。

 デリバリーで注文される商品としては、ファストフーズ、ソフトドリンク、デザート、洋酒・酎ハイといった上位のランキングに変動はないが、年末年始の特徴としてビールやそれに付随したおつまみとしてのスナック、年越しそばを連想させる即席麺、体調を崩しそうな人が購入していると見られるドリンク剤といった商品の需要が高まる傾向にある。

 同社では、今年度を通じてデリバリー対応店舗を4500店から7000店以上に拡大したほか、店頭在庫を効率よくスピーディーに把握できるシステムを導入することで、デリバリーで取り扱える商品のラインアップを700品程度から3000品以上に拡大。さらに、「からあげクンレッド3倍味」のようなデリバリー専用商品を開発することで、対応を強化してきたとしている。