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サントリーホールディングス、新社長は創業家から鳥井信宏氏。新浪氏は会長へ
2024年12月12日 17:32
- 2024年12月12日 発表
サントリーホールディングス株式会社の新経営体制(2025年3月25日付)
佐治信忠氏: 代表取締役会長→代表取締役会長 取締役会議長
新浪剛史氏: 代表取締役社長→代表取締役会長
鳥井信宏氏: 代表取締役副社長→代表取締役社長
元ローソンの新浪氏がサントリーホールディングスの代表取締役社長に就任したのが2014年であり、会見ではこれまでの約10年をグローバルという言葉とともに振り返った。
前社長の佐治氏からは「グローバルに勝ち抜く企業になるためのバトン」が自分に渡されたと表現し、米国酒類大手「Beam(ビーム)」社買収がその試金石のような象徴的な出来事として存在している。買収から経営統合までには約5年という時間がかかったが、2つの企業文化を1つにするという経験を分かちあい、サントリーを支える人材が多く育ったことが喜びであると語った。
同社は酒類・飲料において幅広い商品を扱っているが、強みをあわせることでRTD(そのまますぐ飲める缶チューハイなどのアルコール飲料)において世界1位を目指す途上にあり、サントリーグループではオセアニアで大きな工場を建てるなど攻めの姿勢にあるという。
このタイミングでバトンを渡すことは、10年という節目であったことと、鳥井氏が国内のビール事業など着実に成果を出してきたことなどからであり、国内酒類事業の盤石化、収益の強化、グローバル化に向けて「自信をもってバトンを渡せることを誇りに思っている」と述べて鳥井氏を紹介した。
鳥井氏は1991年に旧年日本興業銀行からキャリアをスタートし、1997年サントリーに入社。鳥井信治郎氏を曾祖父にもつ創業家出身の社長となる。
入社後は酒類の営業部門を担当し、その後、ビール事業部でデフレ下でのプレミアム市場開拓に取り組んできた。2011年には清涼飲料事業を担う「サントリー食品インターナショナル」を設立して、初代社長に就任。上場の鐘を鳴らしたのもよい思い出と振り返る。
サントリーはジャパニーズウイスキーが世界で認められるなど美味品質へのこだわり、ブランド価値を高める考え方はあらゆる分野で貫かれており、世界のどこでもサントリークオリティを味わえるよう推進していくために、グループ4万人の先頭に立ち、何より自分自身が楽しく仕事をしていきたいと思いを語った。
会見では社長職が創業家に戻ることについて「大政奉還」といった表現での質問もメディアからあったが、新浪氏は「創業家であることは経営者候補への近道ではあるが、これだけ大きな企業において、経営は甘い物ではない。鳥井新社長はいろいろな経験と実績を積んできた。あらたな時代を作るリーダーだと思った。だから社長に推薦した」と答えていた。