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サントリー白州蒸溜所がリニューアル。プレミアムを超える見学コースをチェック&味わってきた
2024年9月2日 17:17
- 2024年9月20日 新ツアースタート
2年近くに渡って改修を続けてきた山梨県にあるウイスキー工場「サントリー白州蒸溜所」がついに2024年9月、一連のリニューアル作業を終えた。新施設をオープンするとともに、工場見学ツアーである「白州蒸溜所ものづくりツアー」も一部アップデートしている。その中身が公開されたので、どこがどんな風に変わったのか、お伝えしたい。
パワーアップした工場見学「白州蒸溜所ものづくりツアー プレステージ」
これまで白州蒸溜所で実施してきた工場見学ツアーは、「白州蒸溜所ものづくりツアー(所要時間90分、参加費3000円)」と「白州蒸溜所ものづくりツアー プレミアム(同130分、5000円)」の2種類。今回のリニューアルに合わせて後者の「プレミアム」が終了となり、新たに「白州蒸溜所ものづくりツアー プレステージ」(以降、プレステージツアー)が9月20日からスタートする。
プレステージツアーは、以前のプレミアムツアーと変わらない130分の所要時間ではあるものの、参加費は1万円、週2回開催で各回定員10名に限られ、まさに“プレミアムを超える”工場見学ツアーとなっている。Webサイトからの事前申し込みによる抽選制で、9月・10月実施分の募集は9月3日に締め切りとなる。間に合わなかった場合は、11月以降開催分の募集開始を待ちたい。
とはいえ、料金がアップして人数が絞られた分、見学コースはより特別感のある内容に進化している。新施設の開放や、麦芽づくり現場の見学、食事と白州のマリアージュ体験など盛りだくさんだ。前回本誌でレポートした1年前の2023年9月から変化した箇所も含め、完全リニューアルした白州蒸溜所を写真多めで紹介していこう。
新レストランでもっちり窯焼きピザが食べられる
2024年に敷地内に新設および整備されたのは、白州蒸溜所の入口となるビジターセンターの先にある「バードブリッジ」と「バードサンクチュアリ」、そしてその森を抜けたところに建てられた、銅板のファサードが印象的なレストラン「Hakushu Terrace」だ。
「Hakushu Terrace」では、白州はもちろんのこと、山梨の地元食材をふんだんに使用した食事メニューが提供される。目玉となるのは「白州フォレストピザ」(2200円)で、ヒトデ型のもっちりとしたパン生地にウインナーや野菜、ハーブなどがどっさりトッピングされている。テイクアウトコーナーもあり、注文したものはレストランの2階フロアにあるゆったりとした空間で、白州の森を眺めながら味わえる。
将来のビンテージウイスキーの始まりの場、フロアモルティングを見学
一方、プレステージツアーに新たに追加された見学・体験メニューは主に3種類。1つ目はセントラルハウスの特別なテイスティングラウンジでのマリアージュ体験で、こちらも地元の食材や料理人の手による軽食が用意され、白州ハイボールなどとの取り合わせの妙を体感できる。
2つ目は、今回新たに開放された「ものづくり棟」の見学。建物としては白州蒸溜所の創設時からあったもので、当時使われていた巨大なポットスチルが立ち並ぶ展示室に足を踏み入れることができる。その厳かとも言える空間では、周囲の壁3面に映像が投影され、白州蒸溜所の歴史などを知ることが可能だ。
3つ目は、白州蒸溜所で開始したフロアモルティングの見学。これまで原料となる麦芽については輸入に頼ってきたサントリーだが、最近になって山崎蒸溜所と白州蒸溜所の両方で、大麦から発芽させて麦芽を作り出すフロアモルティングの取り組みをスタートした。プレステージツアーではそのフロアモルティングの現場を見ることができ、そこで働く人に解説してもらう流れとなっている。
フロアモルティングで作られた麦芽は、他の輸入麦芽と同様に今後時間をかけて発酵、蒸溜、熟成という工程を経て製品化を目指すことになるが、現在のところは具体的にどのタイミングで、どの銘柄のウイスキーに使うことになるかは未定。少なくとも数年程度で世に出ることはないという。フロアモルティングによる最適な製法を模索しながら、12年、18年などのビンテージウイスキーとして登場することになりそうだ。
これら新たに追加された見学コースに加えて、プレステージツアーでは以前のプレミアムツアーにもあった貯蔵庫奥での原酒の試飲が可能。プロジェクションマッピングによる製造工程の解説、発酵・蒸溜設備の見学なども従来通りとなる。