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発売55周年の「アヲハタ55」がリニューアル、イチゴは季節にあわせて2種類を開発
2025年2月6日 11:22
- 2025年2月6日 発表
アヲハタは2月6日、発売55周年を迎えるロングセラーの低糖度ジャム「アヲハタ55」のリニューアルを発表した。
一番人気のイチゴについては、春夏限定の「さわやかブレンド」と秋冬限定の「濃厚ブレンド」の2種類を開発。2月からに出荷される「さわやかブレンド」がイチゴの甘酸っぱさを活かしてさわやかな風味になっているのに対し、8月から出荷される「濃厚ブレンド」がイチゴの甘い香りを活かして芳醇で濃厚な風味になっているという。
その他のフレーバーについても、香りやフルーツの濃さ、味わいを強化することで食パンとの相性を追求。“厚く白いパンのために生まれた”というキャッチコピーでその価値を訴求していく。
これにあわせてパッケージデザインも刷新し、キャップでは瀬戸内の風と波をアヲハタの旗と同じブルーを、瓶の肩部分の装飾で瀬戸内海の水面のきらめきを表現している。
また、使い切りニーズに対応するため、個包装のスティックタイプも販売する。
価格は、150gの商品が288~322円、250gの商品が470円、400gの商品が657円、スティックタイプ(13g×4個)が214円。2月20日から順次出荷される。
6日に開催された発表会において、代表取締役社長の山本範雄氏は「アヲハタのものづくりは味作りという考え方。フルーツ加工品の良し悪しの7割が原料でき決まる。残りの3割が技術力に裏付けされた創意工夫」とした上で、「商社に頼ることなく、自ら畑からの指導を含めて、開発、生産、販売までのバリューチェーンを構築してきた」と紹介。
これまで同社では、主に中国山東省産のイチゴを使ってきたが、近年の気候変動や地政学上の問題が起きるなかで安定した調達や供給を行なっていくには、原料の生産地の分散を図る必要があるとして、南米チリ産のイチゴの調達をスタート。
従来は冷凍で1年分の原料在庫を持つ形だったが、生産地を分散することで在庫を半分ほどに減らせるというメリットもあるようだ。
北半球と南半球で収穫時期が異なり、中国では5月~6月、チリでは10月~3月にかけて収穫が行なわれるが、取締役 研究開発本部およびマーケティング本部担当兼マーケティング本部長の藤原かおり氏は、「それぞれのイチゴの素材に良さがある。それぞれの特徴を活かした」と語る。中国産は余韻が残る濃く甘い風味、チリ産は食べた瞬間に広がるさわやかな風味が特徴だという。
これに加え、さまざまな特徴をもつ原料を組み合わせて安定した品質を実現するブレンド技術や、製造過程で飛んでしまう香り成分をジャムに戻す「香り戻し技術」なども駆使することで2種類の味わいを表現。藤原氏によると、それぞれ戻す香りや加熱殺菌のプロセスを変更することで風味の違いを出しているのだとか。
取締役 営業本部担当の佐川健志氏は、「年間400億円とされる国内のジャム市場のなかにおいて自社が32%のシェアを持つトップメーカーとして市場を牽引していく考え方が必要」として、今回のリニューアルを材料にオケージョン(機会)と汎用性の拡大に取り組んでいくとする。
同氏によれば、ジャムの活用シーンは朝食が80%と、朝食に偏った素材になっており、食パンやヨーグルトとの組み合わせが75%を占めるという。夏場にはパンの需要が落ち、これに引きずられる形でジャムの消費も落ちてしまうため、夏場に朝食以外で活用できるメニューを積極的に提案を提案していくとしている。
時期によっての作り分けはイチゴのみが対象となっているが、その他のフレーバーでの展開については、「今回、春夏と秋冬で違いを感じていただくところまで開発することにかなり苦労したので、どのフルーツでもできるというわけではないというのは見えてきている。まずはイチゴの2つを味わっていただいて、お客さまの反応を見ながら検討していきたい」(藤原氏)とのこと。
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