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C-United、2030年までに1000店舗規模を目指す

2025年2月14日 発表

代表取締役社長の友成勇樹氏

 カフェ・ベローチェ、珈琲館、カフェ・ド・クリエといったカフェを展開するC-Unitedは2月14日、発表会を開催し、代表取締役社長の友成勇樹氏が同社の事業戦略を説明した。

 同社は、珈琲専門店 珈琲館として1970年に創業。2008年にはUCCグループ入りするが、2018年に独立。2021年にカフェ・ベローチェを運営するシャノアールと合併し、社名をC-Unitedとし、2022年にカフェ・ド・クリエを運営するポッカクリエイトの株式を取得。3ブランドの関連ブランドとあわせて9ブランド約560店舗を展開している。

 友成氏によれば、こうしたM&Aによるシナジー効果もあり、同社の2024年の利益率は2019年比で約530%と好調に推移しており、2030年までに1000店舗規模まで出店を推進していく計画。

カフェ・ベローチェ、珈琲館、カフェ・ド・クリエを中心に9ブランドを展開
2030年までに1000店舗を目指す

 カフェ・ベローチェについては、“気づいたら、いつもここ。”というコンセプトの下、入りやすくて出やすいお店という利便性を追求していく。同ブランドの特徴は、20代~70代と幅広い客層に親しまれていることだとする友成氏は、現在約160店をすべて直営で運営しているが、新たにフランチャイズ事業を立ち上げると宣言。

 3月から加盟店の募集を開始し、北海道や四国といった未出店のエリアや、九州、東海といった店舗が少ないエリアを中心に、2028年までに70店舗以上の出店を目指す。同社ではこれまで席数の多い店舗を展開してきたが、40~50坪規模の中規模店のテストを行ない、フランチャイズ展開しやすいビジネスモデルが確立できたとしている。

カフェ・ベローチェはフランチャイズ展開で出店を加速

 珈琲館については、“一杯のコーヒーに心を込めて”をキーワードに、常時11種類の豆を用意し、注文を受けてから豆を挽いて一杯ずつ手淹れするフルサービスや、銅板で焼き上げる昔ながらのトラディショナル・ホットケーキのノスタルジックな雰囲気が特徴。「珈琲館はシニアマーケットにヒットするようで、少子高齢化が我々のブランドにとっては追い風になっている」(友成氏)という。

 友成氏は、こうした世界観は海外のカフェには無い特徴だとした上で、海外展開を見据えて、3月11日に京都の錦市場に外国人観光客をターゲットにした新型モデル店舗「珈琲館 京都錦高倉通店」をオープンすることを明らかにした。

珈琲館の海外進出を見据えて外国人観光客が多い京都に新型モデル店舗をオープン

 同社では、本社1階に焙煎所を設置し、障がい者雇用の場として活用しているが、新型モデル店舗の店内にも焙煎所を設置。ここでも数名の障がい者を雇用する。友成氏によれば、近年は焙煎を浅くして酸味が強いコーヒーがブームになっているが、同店では深煎りかつ、日本独特のブレンド技術を活用したブルーマウンテンを主体にしたブレンドコーヒーを提供するとのこと。

 また、対人接客のレベルアップとスムーズなオペレーションの両立を図るため、3月1日付けでサービスコンシェルジュ部署を新設。サービスの専門家を外部から招聘し、ホスピタリティの向上を目指す。

 カフェ・ド・クリエについては、“からだハピネスメニュー”と呼ばれる健康志向のメニューの拡充を図る。3月から都内の2店舗(日本橋三丁目スクエア店、恵比寿ガーデンプレイス店)を「次世代カフェ・ド・クリエ」と位置づけ、からだハピネスメニューを約2倍に拡充する。

 さらに、テイクアウト専用商品として「手づくりMarché」7商品を開発。「チアシード入り濃厚ヨーグルト~フレッシュバナナ&ブルーベリー~」(380円)、「チアシード入り濃厚ヨーグルト~マンゴー~」(380円)、「海老アボカドとツナのラップサンド~キヌア入り~」(590円)、「たんぱく質が15g摂れるしっとりチキンと5種豆のラップサンド」(590円)、「ごまドレで食べるえびのサラダパスタ~ブロッコリースーパースプラウト入り~」(830円)、「たんぱく質が15g摂れるバジル風味のシーザーサラダパスタ」(830円)、「食物繊維が5g摂れるシャキシャキ野菜のごまドレサラダうどん」(830円)といった商品が販売される。

テイクアウト専用商品の「手づくりMarché」

 また、ラテ系やアレンジコーヒーを中心に新たなドリンクメニューも展開。「チャイティーラテ」「黒糖ラテ」「ジャスミンティーラテ」「アールグレイティーラテ」「ソルベージュエスプレッソ」「ソルベージュストロベリーミルク」など、21品が販売される。モーニングメニューやホットサンドについてもリニューアルが実施される。

新たなドリンクメニューを提供するほか、モーニングメニューやホットサンドをリニューアル

 これらの新メニューは、5月以降、順次全国で提供される予定だという。

 友成氏は、マクドナルドで人材育成に専門的に携わっていた経歴もあるとのことで、C-Unitedにおいても社内に「珈琲大学」という人材育成プログラムを整備。アルバイトとして入ったスタッフがトレーニングや実践を通じてキャリアアップに挑戦していけるようになっており、本社勤務のスタッフもコーヒーについて学べるプログラムになっているとのこと。

 ファミリーレストランなどでは配膳ロボットやセルフレジといったシステムが活用されるようになってきており、同社としても珈琲館の数店舗に配膳ロボットをテスト導入してみたが、接客サービスに重きを置く珈琲館では時期尚早で、サービスコンシェルジュとあわせてDXの活用を改めて検討したいとしている。