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有楽製菓、ブラックサンダーの製造工程を見学できる施設をオープン

2025年5月27日 オープン
5月27日に「ブラックサンダー ワク⚡ザクファクトリー」がオープン

 有楽製菓は5月27日、愛知県豊橋市の豊橋夢工場内に見学施設「ブラックサンダー ワク⚡ザクファクトリー」をオープンする。ブラックサンダーは、1994年に豊橋市で誕生し、30年にわたって愛されてきた有楽製菓の看板商品だが、その製造工程が一般向けに公開されるのは初となる。

 所在地は愛知県豊橋市原町蔵社88。最寄り駅はJR新所原駅だが、徒歩だと30分弱かかる。広い駐車場が用意されているので、クルマで訪れるのがオススメだ。営業時間は10時~17時。定休日は年末年始とお盆期間となっている。

 入口を抜けると、通常のブラックサンダーの300倍超とされる巨大なオブジェ「スーパーブラックサンダー」が来場者をお出迎え。ところどころに穴が空いているため、裏側に回れば顔ハメパネルのような形で顔を出して記念撮影することもできる。

巨大な「スーパーブラックサンダー」
顔を出して記念撮影も行なえる

 左側には直営店の「ザクザクSHOP」が設置されており、オープン記念の新商品「ブラックサンダー車缶」や「ブラックサンダーミニバー入りバケツ」「ブラックサンダーカップアイス」などが購入できる。同ショップでしか手に入らない貴重なグッズもあるので、ブラックサンダーのファンは要チェックだ。

直営店の「ザクザクSHOP」
同ショップでしか手に入らない貴重なグッズもある

 ザクザクSHOPでは、1回1100円でブラックサンダーの詰め放題(制限時間3分)にもチャレンジ可能だ。ブラックサンダーの価格が43円ということを考えると、26個以上詰められればお得になる計算だ。記者が挑戦してみた結果、47個をゲットできた。

1回1100円で楽しめるブラックサンダーの詰め放題のルール
これくらいで47個

 ここまでは誰でも入場可能だが、特設サイトから事前に予約(無料)することで、見学通路から工場内を見学することができるようになる。

ワク⚡ザクファクトリーのマップ

 見学コースに入ると、まずは湾曲した壁面と床面に投影された工場内の映像に囲まれる形で自分がブラックサンダーになったかのような体験が楽しめるプロジェクションマッピングが用意されている。

事前に予約すると送られてくる二次元コードをかざすことで入場できる
ブラックサンダーになって工場内を進む体験が楽しめるプロジェクションマッピング

 その先にはブラックサンダーの製造工程を辿っていける見学通路がある。真っ直ぐな製造ラインに並行する形で設置された見学通路は全長約71.5m。壁面の説明や動画解説とともに、さまざまなこだわりや工夫の末にブラックサンダーができあがり、梱包されていく様子が分かるようになっている。

工場の製造ラインに沿う形で見学通路が設けられている
クッキーとビスケットは隣の第1工場で作られて運ばれてくる
ガラス越しにブラックサンダーができていく様子を眺められる(※一般来場者の撮影はNG。今回は特別に許可を得て撮影)

 見学通路には6か所のスタンプ台が設置されており、入口で配布されているパンフレットに押していくことで1枚の絵が完成する仕掛けになっている。

6か所のスタンプをコンプリートすると1枚の絵が完成する。どんな絵になるかはお楽しみ

 20日には現地で発表会が開催され、代表取締役社長の河合辰信氏と経営品質部の牧宏郎氏が同施設のこだわりのポイントを紹介した。

代表取締役社長の河合辰信氏

 河合氏は冒頭、「働く人もお客さまもワクワクする工場を目指して設計している。有楽製菓のものづくりに対する姿勢、ブラックサンダーのブランドのあり方というものを体感していただき、ワクワクしていただく場、そんな場所を目指している」とする一方、「現段階で75億円の投資をしており、来年の第3期までに100億円の投資を計画している。150億円の生産能力があり、既存工場とあわせて300億円を超える生産能力を想定しており、これからの成長を担う中核となる非常に大事な工場」と、体験型の観光施設と重要な生産拠点の2つの側面を強調した。

 同氏によれば、「新工場の一番のポイントは、生産性が1.7倍というところ。既存の生産能力を既存の人員の6割で実現する」とのことで、包装や搬送を自動化したり、食品業界でもトップレベルというパラレルロボットを導入したりすることで生産性を高める工夫をしているという。

 また、同社として初めて取り組む一般向けの工場見学については「ワク⚡ザクファクトリーは、体験型のエンターテインメント施設で、お客さまとつながる場。地元の人にも楽しんでいただき、こんな楽しい場所ができたと自慢に思っていただく場所を目指している」と、観光施設として機能させながら、地元住民との交流の場にしていく意向を示した。

 同氏は「新工場を起点に、海外への展開を今まで以上に加速をさせていきたい。お腹だけでなく心を満たすお菓子の魅力を世界中に発信していきたい」と抱負を語った。

 続いて登壇した牧氏は、2年前の2023年5月19日に同施設に関する1回目の打ち合わせが行なわれ、予算の関係で実現んできなかった取り組みもあるとしながらも、体験内容やショップで販売するグッズも含め、ユーモアに溢れたブラックサンダーらしい世界観をいかに表現するかにこだわったことを明かした。

経営品質部の牧宏郎氏

 ちなみに、同氏が着用している「ブラックサンダー スカジャン」はショップでも販売されているが、その価格は2万1000円とブラックサンダー史上最も高いグッズになっているという。この日、河合氏が着用していたものは、さらに貴重な一点ものとのことだ。

 その後、ブラックサンダーがお菓子として初めて豊橋市の「とよはしアンバサンダー」(観光アンバサダー)に就任したことが発表され、副市長の島村喜一氏から河合氏に委嘱状が手渡された。

ブラックサンダーが「とよはしアンバサンダー」に就任