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三ツ矢サイダーミュージアムがリニューアルオープン。見学ツアーを体験してきた!

2026年8月1日 リニューアルオープン
三ツ矢サイダーミュージアムのヒストリーホール(1階)

 アサヒ飲料は、同社明石工場内の「三ツ矢サイダーミュージアム」をリニューアルオープンした。これに先立ち、7月22日に同施設においてリニューアル完工式が開かれ、新しくなった三ツ矢サイダーミュージアムが報道公開されたのでレポートする。

三ツ矢サイダーミュージアム

所在地: 兵庫県明石市二見町南二見1-33
料金: 無料(※要予約)
ツアー開始時間: 10時~/13時~/15時~(所要時間約80分、各回30名)
休館日: 年末年始、指定休日

 アサヒ飲料明石工場は1989年に竣工し、今年で36年目を迎える同社の基幹工場だ。全国7か所にある同社工場のなかでも最大級の規模を誇る。現在の従業員は約270名、関連会社を含め約400名。ここでは、地元兵庫県で生まれ、ブランド生誕140年以上になる「三ツ矢サイダー」と、同じく兵庫県宝塚で120年前に生まれた「ウィルキンソン」のほか、ブレンド茶のパイオニアである「十六茶」、缶コーヒーの「WONDA」など、数多くの缶、ビン、ペットボトル容器入り飲料を製造しており、その生産能力は年間最大4800万ケースに達する。アサヒ飲料広報によると、これは三ツ矢ブランド全体の約2割に相当するとのこと。なお、2025年の(三ツ矢ブランドの飲料の)製造実績は3392万ケースで、関西地方より西のエリアで販売される同ブランド飲料のほぼすべてをここで製造しているそうだ。

 三ツ矢サイダーミュージアムは、この明石工場の一角にある。2013年にオープンし、これまでに約50万名が来場。しかし、展示内容が現代に合わなくなってきたことなどを理由に5月にいったん休館し改修、このたびリニューアルオープンを迎えた。なお、明石工場は人工島の工業地帯にありバス路線などはない。見学者用駐車場も完備されているため、見学の際はマイカー利用をおすすめしたい。

三ツ矢サイダー明石工場。マイカーでこのゲートから入構できる
工場入って正面に三ツ矢サイダーミュージアムがある。建物の前には駐車場も完備
エントランスホールはカラーとミラーボールで炭酸はじける三ツ矢サイダーをイメージ
明石工場の場所や製造能力などを示したパネル。さりげなく三ツ矢サイダー発祥の地も紹介
エントランスホール
1階ヒストリーホール。三ツ矢サイダーの歴史や、100年以上前の製造機械なども展示
サイダーに溶け込んだ写真が撮れる3Dフォトスポットも
140年以上の三ツ矢の歴史。年表とともに当時の商品(容器)もあわせて展示している。筆者は500mLペットボトル発売のタイミングを覚えていたので懐かしく思った

リニューアル完工式

 7月22日、三ツ矢サイダーミュージアムのリニューアル完工を記念してテープカットセレモニーが行なわれた。また、アサヒ飲料明石工場から明石市への飲料1万本の寄付が発表され、アサヒ飲料から明石市へその目録が、また明石市からアサヒ飲料へは感謝状が贈呈された。

向かって左から、株式会社乃村工藝社 本社執行役員 井上直行氏、アサヒ飲料 明石工場長 佐藤和敬氏、アサヒ飲料株式会社 未来創造本部長 早川等氏、明石市長 丸谷聡子氏、株式会社アサヒビールコミュニケーションズ 代表取締役社長 木島一成氏

 この贈呈式において佐藤工場長は、アサヒ飲料が2021年から実施している「Work for smile」の活動を簡単に説明した。これは社内の健康増進の取り組みで、全社員で歩き、その歩数分に応じた本数の飲料を世の中に提供するという活動。その成果の一部から、今回明石市に飲料1万本を寄付することを決定したという。佐藤氏は、「これから夏休みというなかで、明石市の子どもたちが、健康で安心して笑顔で活動していただけるということに、アサヒ飲料社員一同本当に嬉しく思っております。これからも(明石市と)一緒に活動を続けていきたいと思います」と話した。

 これをうけて丸谷市長は、ドリンク1万本の寄付に謝意を述べた。明石市はこの夏、子どもや若者が暑さをしのいで勉強や遊びなどできる場所として、市内12か所の施設を開放する「こども・若者サマーステーション」を実施中だ。この取り組みに軽食や飲み物も出せるよう準備を進めていたところ、アサヒ飲料明石工場からの申し出があったという。「先日のミーティングでこの話を子どもたちにすると、ワッと歓声が上がりました」と子どもたちの喜びを伝え、暑い夏に明石の子どもたちを支えてくださることを感謝申し上げますと締めくくった。

明石市長の丸谷氏と、明石工場長の佐藤氏
アサヒ飲料からドリンク1万本寄付の目録が、また明石市からは感謝状が贈呈された

三ツ矢サイダーミュージアムツアーを体験

 リニューアル完工式に続いて、報道向けに「三ツ矢サイダーミュージアムツアー」が行なわれた。

 ツアーは、ツアーパンフレットの順序に従って進む。このパンフレットには質問が4つ書かれており、見学コースを巡っている間にその答えが分かるようになっている。パンフレットの説明を受けたら、シアターで動画の視聴。この動画では、三ツ矢サイダーの製造工程、三ツ矢サイダーの歴史、「三ツ矢」の名前の由来、三ツ矢サイダーの3つの価値などが簡潔にまとめてあった。なお、この段階でパンフレットの4つの設問の答えがわかるので、せっかちな人は書き込んでしまおう。

ツアーパンフレット表紙
明石工場の生産能力は年間4800万ケースに達するという
三ツ矢サイダーの製造工程の紹介。加古川水系の水を使用しているとのこと
明石工場には先進的な製造設備が導入されているそう
三ツ矢サイダーの歴史の紹介
自然に湧き出る炭酸水の販売からスタート、やがて味と香りをつけたサイダーに進化した
「三ツ矢」の由来も紹介。なんと平安時代中期にまで遡るという
三ツ矢サイダーが大切にしてきた3つの価値。このあとの見学ツアーで実際に知ることができる
10分弱の映像が終了。映像での予習を終えてツアーがスタートする

 シアターでの動画視聴後、ガイドに続いてまず「ヒストリーホール」へ。ここでは140年あまりにも及ぶ三ツ矢サイダーの歴史年表とともに、当時のビン、缶、ペットボトル容器が並んでいた。その脇には、約100年前の大正から昭和初期にかけての製造機械の一部を展示。シアターで製造工程を見たあとにこれらの機械を見ると、製造速度こそ比べ物にならないものの、工程そのものは現在まで大きく変わらないことも理解できた。パネルでは、約140年前に兵庫県川西市で発見された天然炭酸泉を、当時の地名を取って「平野水」と名付けて販売したことや、御料品(天皇陛下の飲み物)として選ばれていたこと、味と香りをつけた「平野シャンペンサイダー」は一世を風靡し、三ツ矢サイダーが国民的飲料に成長したことなどが記されていた。

まずは歴史を振り返る。ちなみに筆者は1980年代前半のビン入りのサイダーから記憶にあった
約100年前、大正から昭和初期にかけて使用された製造機械。手前から、自動びん詰機(2機種)、足踏み式打栓機、ラベル貼り機
天然の炭酸水をびん詰めしていた平野工場の紹介パネル。工場内に建てられた御料品製造所は現存している

 続いて2階の「体験ゾーン」へ。ここは工場内を俯瞰する通路で、片面はガラス張りで製造装置が見え、もう片面には三ツ矢サイダーの味と香りのひみつなどが実際に体感できるコーナーになっている。ボタンを押したり棚を開いたりするとフレーバーが感じられたり、炭酸がはじける音と三ツ矢サイダーの香りが漂ったりするもので、まさに「体感できる」ミュージアムだ。ちなみになにの香りか当ててみようという展示もあり、エナジードリンクやコーヒーなどさまざまなドリンクのフレーバーが体験できるので、大人でも楽しめる。また、見学できる製造装置は稼働中のもので、見学日や時間帯によってさまざまなドリンクを実際に製造している。筆者が見学した際は日頃からお世話になっている「Monster」を充填中で、また製造するドリンクの変更のために切り替え中だという設備もあった。

廊下の壁面にパネル展示がある。まずは硬水と軟水についてお勉強。パネルをめくると、料理ごとにどんな水が適しているかが分かる
飲料で何よりも大切なのは水の質だ。ろ過を重ねて硬度を調整する工程を、三ツ矢では「水を磨く」と呼ぶ。なお、この日ガイドをしてくれたのはアサヒビールコミュニケーションズ 見学案内担当の濱西梨恵さん
ボタンを押すと、三ツ矢サイダーに使われる3種類の香りを嗅ぐことができる
アサヒ飲料の製品に使用される原料の香りを体験。筆者が愛飲するエナジードリンクやコーヒーの香りも。容器の形もヒント!
磨かれた水、香料、糖類、酸味料をタンクで混ぜ合わせる調合室。明石工場には容量2万リットルの調合タンク12本のほか、6万リットルタンクもあるとのこと
飲料に溶かし込む炭酸ガスのこだわりも解説
フィラーと呼ばれる充填機で、飲料をボトル詰めする工程の解説
体験ゾーンの一部は実際に製造中の製造ラインの様子が見られる。なお、一般の写真・動画撮影はNGとのこと
稼働中のフィラー。高速回転しながら毎分750本の速さで飲料(取材時は「Monster」)を充填していく
完成した飲料を検品し、箱詰めする設備。取材時は停止中
炭酸がはじける音が響いてくる。同時に香りも漂い、三ツ矢サイダーが飲みたくなってくる

 見学が終了すると「シュワシュワホール」へ。ここにはボタンを押すだけでドリンクがでてくる、通称「魔法の自販機」があり、見学者は好きなドリンクを1本飲むことができる。ちなみにこの自販機はCO2を回収する機能を持つ。ドリンク片手に、パンフレットの答え合わせをしよう。

 また、1階エントランスホールを入ってすぐにギフトショップもある。なかなかお目にかかれないグッズもあるので、三ツ矢サイダーオリジナル商品を見学記念にいかが?

体験ゾーンで学んだあとは、2階「シュワシュワホール」へ。スツールの原材料の一部には、「CO2を食べる自販機」で回収したCO2吸収材を使用しているとのこと
見学者が無料で飲める、通称「魔法の自販機」。もちろん「CO2を食べる自販機」だ
メディア内見ルートではなかったが、1階ヒストリーホールの一角にはギフトショップもあるので紹介
三ツ矢ブランドの衣料品やグッズなどのグッズが並んでいる

記者会見内容

 リニューアル完工式の際には記者会見も行なわれた。会見の冒頭では、アサヒ飲料 常務執行役員 未来創造本部長の早川等氏があいさつ。明石工場について、アサヒ飲料最大の基幹工場であることや、1998年には原材料からペットボトルを製造する設備を竣工し、直近では無菌充填施設とパッケージングをする施設を連結するなど、業界に先駆けて新たな取組に挑戦する工場であることを紹介した。また、三ツ矢サイダーミュージアムについては、従来は工場の製造ラインを見学するものだったが、三ツ矢140年以上の歴史と世界観を体感できる施設にリニューアルしたと明かした。来場者に向けては、「暑い季節ですが、安心して体感していただける施設ですので、ぜひ(基幹工場の)明石で、兵庫で生まれた三ツ矢の世界観を知っていただきたいと思います」と述べた。

アサヒ飲料株式会社 常務執行役員 未来創造本部長 早川等氏

 続いて、兵庫県明石市長の丸谷聡子氏があいさつした。丸谷氏は2023年5月に市長に就任したが、同年11月にはアサヒ飲料とペットボトルの水平リサイクル「ボトルtoボトル」の協定を締結しており、ゴミの減少、資源の再利用に共同で取り組んでいる。また、アサヒ飲料のドリンクは明石市のふるさと納税の返礼品にもなっている。丸谷氏はこれらに触れ、明石市としてもアサヒ飲料のドリンクは欠かせないものとなっていると話した。

 また丸谷氏は過去に明石工場を見学し、その際にこのミュージアムにも足を運んだ経験があるという。そのミュージアムが体感型にリニューアルしたことに触れ、「体験や体感にまさる学びはありません。子どもたちに機会を提供していただけることを市長として嬉しく思います」と述べ、三ツ矢サイダーミュージアムが多くの人に愛される場となることを祈念すると締めくくった。

兵庫県明石市長 丸谷聡子氏

 また、今回のリニューアルについて、アサヒ飲料未来創造本部 CSV戦略部長の三浦正博氏が概要を説明。これまでは歴史や製造工程を学ぶという展示内容だったが、そこから一歩進めて、三ツ矢サイダーのおいしさや品質へのこだわりなどを五感で楽しむことをコンセプトに改装したという。三浦氏は、「三ツ矢サイダーの世界観を感じていただきながら、お子さまをはじめ幅広い世代に楽しんでもらえる内容に刷新いたしました」と述べ、アサヒ飲料が大切にしてきたモノづくりへの思いや品質へのこだわりをしっかりと伝えていきたいと話した。

アサヒ飲料株式会社 未来創造本部 CSV戦略部長 三浦正博氏

 三ツ矢サイダーの歴史や製造現場を見学する施設から、三ツ矢サイダーのおいしさやこだわりが体感できる施設に生まれ変わった三ツ矢サイダーミュージアム。クルマのあるファミリー向けの立地だが、天候や気温に関係なく安心して体感でき、大人も子どもも楽しく学べる。予約は争奪戦になることが予想されるので、見学したい場合はこまめに公式サイトをチェックしておこう。

※2026年7月末時点で同年9月までの予約は満員