おいしさの秘密と私のこだわり

醤油メーカーがなぜ? ヤマサ醤油が「三角クラフトコーラ」発売

ヤマサ醤油 商品企画室 室長代理の岩男遼佑氏

 ヤマサ醤油と言えば、その名の通り醤油のイメージが強いが、2月20日に「三角(ミカド)クラフトコーラ」を発売した。今回は商品企画室 室長代理の岩男遼佑氏に開発の背景やこだわりのポイントを伺った。

――商品開発の経緯を教えてください。

岩男氏:外食産業は、コロナ禍の低迷から大きく回復してきていますが、食材費・光熱費・人件費高騰だけではなく人手不足などにより厳しい環境が続いており、以前に増して付加価値の高いメニュー、見栄えも良く、物語性の高いメニューが求められています。一方、若年層の飲酒離れが進み、低アルコールやノンアルコール飲料が普及しており、「ソーバーキュリアス」と呼ばれる、あえて飲酒をしない選択をする方々も登場しています。

 その中で、特にクラフトコーラはトレンドとなっており、今後も市場規模拡大が期待されています。そこで、長年培ってきた液体調味料の味づくりノウハウと、業務用飲食店さまへの販路を活かし、トレンドに合った新商品として「三角クラフトコーラ」を発売しました。

 外食店営業の経験から、飲食店にいらっしゃるお客さまが自分のドリンクを作る段階から食事を楽しんでいただき、皆さまにとってより楽しい外食シーンのお手伝いができる商品を目指し、開発に当たりました。ヤマサ醤油が飲料カテゴリーで新商品を発売するのは、34年ぶりとなります。

――どんな特徴があるのでしょうか。

岩男氏:飲食店でドリンクをご注文されたお客さまご自身で、お好みの濃度のクラフトコーラを1杯から作っていただける、これまでになかったクラフトコーラベースです。作り方は簡単で、三角クラフトコーラが5倍希釈(三角クラフトコーラ1に対して、炭酸水4が目安)になる割合の炭酸水と氷をグラスに入れ三角クラフトコーラを注ぎ、マドラーなどで軽くかき混ぜたらできあがりです。

 ビンごとお客さまにサーブするため、従業員の手間を省き、提供時間の短縮に繋がります。また、使い切りタイプですので開封後のビンを冷蔵庫に保管いただく必要もありません。「三角クラフトコーラ」をさまざまなアルコールと合わせることで、幅広いアレンジメニューのご提供も可能となります。お客さまのメリットとして、自分で作り上げるひと手間により、自分好みの味でドリンクをお楽しみいただけます。またノンアルコールドリンクでも、こだわりの味わいで満足感を感じていただけます。

三角クラフトコーラ

――こだわりのポイントは?

岩男氏:原材料にこだわって、7種類のスパイス(クローブ、カルダモン、コリアンダー、シナモン、ブラックペッパー、ナツメグ、ターメリック)に、隠し味のしょうゆや発酵黒ニンニクエキス、ショウガ抽出液などを加えており、奥深くさわやかな味わいです。洋食だけでなく、和食・中華料理などさまざまな食事と調和します。

 商品名の「三角クラフトコーラ」は、日本第1号のソースである「ミカドソース」にちなんで名づけました。ヤマサ醤油8代目当主濱口儀兵衛が、アメリカのウスターソースを参考にしょうゆベースのソースを作り「新味醤油」と命名し、特許を取得しました。このソースを木樽に詰めアメリカに送り、現地で三角形の容器に詰め替え「ミカドソース」として発売しました。「三角クラフトコーラ」は、「ミカドソース」にも使用されていたいくつかのスパイスを原材料に使用しており、「ミカドソース」の日本第1号という栄誉ある歴史と想いを引き継いでいます。

――どんな人に飲んでもらいたいですか?

岩男氏:「三角クラフトコーラ」は、三角形をモチーフに、和のテイストの中に現代的なエッセンスを感じるお洒落なデザインです。飲食店で「三角クラフトコーラ」をご注文いただき、簡単に写真映えするドリンクメニューを楽しんでいただき、クチコミやSNSなどで発信していただけたら嬉しいです。

 また、調味料メーカーとして、幅広い食事にマッチする味づくりにこだわりましたので、飲食店でお食事を楽しみながら、三角クラフトコーラを楽しんで飲んでいただきたいです。

――ありがとうございました。

飲み方とアレンジ