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「パーフェクトサントリービール」担当者が語るリニューアルの背景

2022年1月18日 開催

(左から)サントリービール マーケティング本部 課長の三谷京平氏、マーケティング本部の稲垣亜梨沙氏、商品開発研究部の長谷川高政氏

 サントリービールは、本格的なビールでありながら糖質ゼロという特徴をもつ「パーフェクトサントリービール」を1月25日にリニューアル発売する。これに先立ち、1月18日に今回のリニューアルの背景に関する説明会がオンライン開催された。

 同社 マーケティング本部 課長の三谷京平氏は、2020年10月の酒税改正以降、ビール回帰の傾向が見られるとともに、コロナ禍において健康意識が高まり、機能系ビール類の売上が伸びている、と直近の動向を説明。こうした健康志向は今後も継続し、機能系ビール類の売上はさらに伸長し、ビール類全体に占めるシェアが2024年時点で27.5%まで拡大すると見込んでいる。

 こうした状況下において、2021年4月に発売された「パーフェクトサントリービール」は、その発売により機能系ビール類全体の底上げに寄与し、2021年末までに約200万ケースを販売。その味についても、銘柄を隠したブラインド調査において、定番ビールを上回る評価を得ているという。

 その一方で、マーケティング本部の稲垣亜梨沙氏は、味に対する不安から「まだまだ様子見のお客さまが想定以上に多い」として、パッケージのデザインや中味の改良を行なうことにした、と今回のリニューアルの背景を説明する。

 同社としても、調査結果などからも味に対しては自信を持っており、いかに手にとって飲んでもらうかが課題で、デザインにおいては、購入の決め手となるような特徴を明確に表現するとともに、略称の「PSB」をエンブレム化することでイメージの定着を目指した。

新デザインのパッケージ

 3月15日には飲食店向けの樽詰の販売も開始し、飲用機会の創出を図り、2022年末までに1000店での取り扱いを目指すとしている。あわせてコンビニエンスストアの店頭において引き換えられるクーポンを配布したり、飲食店でのサンプリングを実施したりすることで、さらなる飲用機会を創出し、年間で前年比150%となる300万ケースの販売を目指すとしている。

 また、商品開発研究部の長谷川高政氏は、中味のリニューアルについて解説。以前から「ビールらしい味わいを実現するために麦芽をたくさん使いたい」と考えてきた一方で、「麦芽をたくさん使用すると、糖質の量が課題になる」と、ビールで糖質ゼロを実現する難しさを表現する。

 今回のリニューアルでは、同商品の特徴の1つとも言える、深いコクを実現する「ダイヤモンド麦芽」の使用量を1.3倍にし、その魅力をさらに引き出す醸造条件を検討することで、よりビールらしい味わいを追求したという。

今回のリニューアルのイメージ

 ちなみに、本格ビールでありながら糖質ゼロを実現した秘密は、酵母の力でじっくりと発酵させ、糖をアルコールと炭酸ガスに変換する「贅沢発酵」という5年かけて開発した独自技術にあるとのことだ。