ニュース

サントリー、職人的な味設計の技で果実感を引き立てた「CRAFT-196℃」

2022年3月1日 発表

サントリースピリッツ 執行役員 RTD・LS事業部長の鈴木あき子氏(左)と執行役員 商品開発研究部長の村上悦郎氏(右)

 サントリースピリッツは3月1日、2022年のRTD事業戦略説明会を開催し、新商品の「CRAFT-196℃(クラフトイチキューロク)」を3月29日に発売すると発表した。

堅調に伸びるRTD市場、ユーザーニーズが多様化

 同社 執行役員 RTD・LS事業部長の鈴木あき子氏は、説明会の冒頭で2021年を振り返り、RTD(Ready To Drink)の市場が14年連続で伸長しており、2021年は市場全体が前年比107%だったのに対し、同社は前年比112%と業界の水準を上回り、市場拡大に貢献できたと述べた。

サントリースピリッツ 執行役員 RTD・LS事業部長の鈴木あき子氏

 こうした好調の背景としては、主力の「-196℃」「こだわり酒場」「ほろよい」といったブランドがリニューアルや新定番・新シリーズの成功により市場を牽引したことや、「のんある晩酌」や「グリーンハーフ」の発売がノンアル市場の拡大や糖質オフ市場の創出に繋がったと説明。

 直近の調査において、アルコール度数や味のバリエーションを求めるニーズや、食事中に飲みたいというニーズ、健康価値を求めるニーズがRTD市場においても顕在化しており、味わいや品質の重視する傾向があることから、2022年も主力ブランドのリニューアルを図りながら新商品を断続的に投入していくことで多様化するユーザーニーズに応えていくとしている。

つくり手のアイデアを注ぎ込んだ「CRAFT-196℃」

CRAFT-196℃

 そんな中、新商品として3月29日に発売される「CRAFT-196℃」は、独自の-196℃製法を活かしながら、同社の職人的な酒づくりのノウハウを注ぎ込んだ新シリーズとなる。“果実以上に果実”であることを目指して新開発された〈ひきたつレモン〉〈ひきたつみかん〉〈ひきたつりんご〉の3つのフレーバーが用意されている。

 同社 執行役員 商品開発研究部長の村上悦郎氏によれば、〈ひきたつレモン〉ではレモン浸漬酒とレモンピール蒸留酒に花の香りの要素を加えることでレモンらしさを表現。〈ひきたつみかん〉ではみかん浸漬酒とオレンジピール蒸留酒にハーブの香りを加えることで、みかんの甘い風味を引き立てている。〈ひきたつりんご〉についても、りんご浸漬酒とホワイトブランデーに複数のソフトフルーツの香りを加えることで、りんごの果肉感を引き出している。

サントリースピリッツ 執行役員 商品開発研究部長の村上悦郎氏

 同氏は、「普段は公表していないが、今回はクラフト感、設計者の技を皆さんにご理解いただきたい」ということで、わざと少し違うものをブレンドすることで目的とする香味を引き立てるという技の一端を前面に出すことにしたとしている。

 それぞれ350ml缶と500ml缶が用意され、店頭価格は350ml缶が149円程度、500ml缶が203円程度(いずれも税別)となる見込み。アルコール度数は〈ひきたつレモン〉〈ひきたつみかん〉が7%、〈ひきたつりんご〉が6%となる。