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サントリー、ノンアルは「0.00%のお酒」。お酒を飲む人も飲まない人も一緒に楽しめる文化を創造
2022年ノンアルコール飲料戦略説明会
2022年2月21日 18:29
- 2022年2月21日 発表
サントリーは2月21日、国内酒類事業「2022年ノンアルコール飲料戦略説明会」を開催し、代表取締役社長の鳥井信宏氏と取締役常務執行役員 戦略本部長の林正人氏が説明を行なった。
鳥井氏は、国内酒類事業の価値戦略の一つとして、「アルコールなしでもお酒の価値を楽しむノンアルコール文化を創造」し、「お酒を飲む人も飲まない人もみんなで楽しめるようにしたい」と語る。
ノンアルコールを飲むシーンについて、クルマの運転をするため、翌日仕事があるからといったときだけでなく、「アルコールが飲めない人も一緒に乾杯できる」「パーティーなどで一緒に飲める」「以前は飲んでいて生活スタイルが変わって飲まなくなったが、酒を飲む場が好き」といった、もっとポジティブな意味での文化創造を想定しているという。
さらに、コロナ禍においてWeb飲み会が増えたことから「コロナで遮断されているつながりを復活させたい。その価値提供ができると思う」とも述べた。
これまで同社は「やってみなはれ」の精神で、ウイスキーをはじめ、洋酒各種やビールのほか、ジョッキでの乾杯シーンや酒場など「酒文化創造」を進めてきた。
そして、ノンアルコールで目指す姿として、ノンアルコール飲料と清涼飲料水に一線を画し、「アルコール0.00%のお酒」と再定義。「0.00%でお酒を飲む人も飲まない人も一緒に楽しめる文化を創造する」と展望を示した。
林氏によると、0.00%のアルコールが実現した2009年~2011年と、健康意識の高まりや選択肢の拡充をした2019年~2021年の2度の市場急拡大に、リーディングカンパニーとして同社が貢献しているという。
市場内の同社構成比は、2009年が3%、2010年が21%、2011年が48%、2019年が39%、2020年が40%、2021年が41%(メーカー出荷ベースによる同社推定)。
また、ノンアルコールのポテンシャル層は同社が2021年7月に行なったWeb調査から推計すると、7550万人おり、年1回飲用する現在のノンアルユーザー1440万人を引いても、6000万人はいるという。
そして、「0.00%でお酒を飲む人も飲まない人も一緒に楽しめる文化を創造する」ために、「ノンアルコールは美味しくない」というイメージの払拭をするべく「圧倒的美味の実現」、好みに合わせて選べるように「ラインアップの拡充」、“0.00%のお酒”だから実現できる「魅力を提案」していくという。
同社は100年を超えるものづくりと開発・研究の拠点や知見があり、これまでも「オールフリー」などビールづくりと同じ素材にこだわり、香味を追求した創味技術を持つ。また、「レモンサワー」は、焼酎を極力熱をかけずに脱アルコール処理をした焼酎のうまみ凝縮技術、ノンアルコールながら自然でフレッシュなレモンを味わえるレモン封じ込め技術を持ち、想定を上回る売り上げだったという。
さらに、ワインの醸造技術と知見を持ち、脱アルコール処理をしてワイン本来の旨味やコクを凝縮した「ノンアルでワインの休日」を3月1日に発売する。さらなるラインアップ拡充をしていくという。
「0.00%のお酒」だから実現できる魅力の提案として、特設ページを作り、さまざまなチャネルで「0.00%のノンアルコールの魅力」を発信していくという。
そのほか、量販店・コンビニエンスストア・スーパーなど店頭では、酒や清涼飲料水のコーナーと分けて、「ノンアルコールカテゴリー」のコーナー化を展開する。
飲食店などでは、サントリーのノンアルコールメニュー掲載を増やし、ノンアルコールカテゴリーを訴求。飲食店への提案や酒文化の提案など営業活動を行なっていくとしている。
なお、飲食店での提供方法は、ノンアルコール専用のジョッキやグラスを導入し、誤飲防止をするという。
また、ノンアルコールの魅力を伝える場の提案として、美味しく楽しく「ノンアルで乾杯」体験ができる「のんある酒場」を4月28日から5月5日までオープン予定。場所は東京駅一番街2階東京グルメゾン内(東京 壽~コトブキ~)。ノンアルコールと合う食事や“ここでしか飲めない”限定メニューを出すという。
「ノンアルってこんなに美味しいんだ」「バリエーションがあるんだ」と友達と乾杯して楽しんでいるシーンを作りたいという。会社員だけでなく、広い年代・層の人に来てもらい、ノンアルコールの魅力を伝えたいという。
同社は、リーディングカンパニーとしてノンアルコール市場拡大に貢献するとともに、そのポジションをより一層確固たるものにするとし、2026年に市場内構成比50%、2030年には55%(3000万ケース)を目指すという。
なお、同社は「ノンアルコール飲料は20歳を過ぎてから」と訴求しており、「ノンアルコール文化創造」に際しても、そこは変わらないとのこと。
【お詫びと訂正】初出時、2030年の目標数値に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。