ニュース

霧島酒造、シャンパングラスで楽しむ果実感あふれる焼酎「KIRISHIMA No.8」

焼酎のために開発したさつまいも「霧島8」を使用

2023年2月14日 発売

KIRISHIMA No.8

 霧島酒造は、自社単独で育種したさつまいもを使用した本格芋焼酎「KIRISHIMA No.8(キリシマ ナンバーエイト)」を2月14日に首都圏先行で発売する。価格は1155円。

 同商品で用いられるのは、同社が「これまでにない焼酎を作りたい」と考えて焼酎のために開発した「霧島8」と呼ばれるさつまいも。2016年から研究を進めてきた霧島8を原料に使用することで、マスカットやみかんのような果実感が表現できるようになったという。

 製造にあたっては、看板商品の黒霧島で使用している酵母に加え、同社が独自に開発した「エレガンス酵母」も使われており、これによりさらに果実感を引き立てている。

 パッケージについても、同社として初めて490mlのスリムボトルを採用することで、これまで焼酎に馴染みがなかった消費者の獲得を狙っている。オススメの飲み方は氷なしの炭酸割りとのことで、約8℃が香りや味わいが最も際立つという。

 食べ合わせでは、洋食やチーズ、フルーツがオススメとのことで、とくに白身魚や鶏肉にハーブをきかせた料理、香りの強いチーズとの相性が抜群とされる。同社では、シャンパングラスで楽しむ新しいスタイルも提案していく。

新たに開発された「霧島8」
シャンパングラスで楽しむスタイルを提案

 2月8日には都内で発表会が開催され、発売までの長い道のりが紹介された。

(左から)研究開発部 主任の伊川秀治氏、企画室の田中はな氏、代表取締役専務の江夏拓三氏、酒質管理部 ブレンダー課の尾﨑圭晃氏

 代表取締役専務の江夏拓三氏によれば、今回の商品に直結する開発は2016年にスタートしたが、とりわけ、さつまいもを交配させ、新たな品種を生み出すとなると、それなりの人材を確保し、研究を継続する必要があり、もとを正せば十数年前から準備を進めてきたという。

 同氏によれば、コンセプトは「芋がつくった、果実感」。黒霧島であれば黄金千貫、赤霧島であれば紫優、茜霧島であれば玉茜という品種のさつまいもが原料として用いられており、それらの原料の成分が焼酎の特徴としてあらわれる。

 霧島8は、黄金千貫をルーツとする玉茜とブラジル原産のシモン1号を交配させてできた新品種となる。シモン1号は、現地では薬用に使われることが多く、天然ミネラルやビタミンを多く含んでいるほか、最終的に焼酎の風味を決定づけるMTA(モノテルペンアルコール)と呼ばれる香り成分を豊富に含んでいることが知られていた。

 研究開発部 主任の伊川秀治氏によると、同社ではこれまでさつまいもの肉色の違いで焼酎を作り分けてきたが、肉色のバリエーションにも限界を感じ、MTAに着目することで、これまでに無い焼酎が作れるのではないかと考えたという。

 37組の交配を試し、その8番目として誕生したのが霧島8で、焼酎を作って調べてみると、MTAの総含有量が黄金千貫製の約14倍であることが確認され、これにエレガンス酵母を加えることで、これまでの芋焼酎に無いフルーティーな風味を実現した。

 同社推奨の飲み方は、KIRISHIMA No.8:炭酸水=1:2で割って作る氷なしの炭酸割り。江夏氏は、「時代の波を感じて食を楽しむ若い世代がターゲット」と述べており、流行に敏感な首都圏で先行販売しながら霧島8の生産量を増やし、数年かけて販売エリアを拡大していく計画だという。