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セブン-イレブン創業50周年、次の50年に向けてのビジョンを発表

イチローが50周年アンバサダーに就任

2023年4月20日 発表

代表取締役社長の永松文彦氏

 セブン-イレブン・ジャパンは4月20日、同社が今年で創業50周年を迎えるにあたり、今後の取り組みを紹介する発表会を開催し、代表取締役社長の永松文彦氏がビジョンを語った。

 セブン-イレブンは、1973年に前身となるヨークセブンが設立され、翌年5月に国内1号店が東京都江東区にオープン。永松氏は、「これまで50年間、“開いててよかった”“近くて便利”といった時間や距離の利便性や、おいしい商品、質の高い商品を提供することで成長してきた」と振り返った上で、「今後、私たちが次の便利の扉を開くためには、人や地域とのつながりにより一層目を向ける必要がある」と述べ、次の50年に向けて社会課題を解決に取り組んでいく方向性を示した。

 同氏は、「明日の笑顔を 共に創る」をスローガンに、「健康」「地域」「環境」「人財」の4つのビジョンを掲げ、各分野においての取り組みを通じて社会に必要とされる“ソーシャルグッド”な存在となることを目指すと語る。

 健康については、「商品のおいしさと品質の両立を目指してきた。その強みに加え、これからは健康という価値を加えていく」として、現在約3800店で展開している店頭で作るスムージーを全国展開していくことや、アプリを活用して利用者の健康状態にあわせたメニューを提案することなどに取り組んでいく。あわせて、国の定めた栄養強調表示基準を満たしたフレッシュフード比率を現在の8%から2030年に50%まで高めるとしている。

 地域については、「これまでもお客さまにあわせて店舗のあり方を常に変化させてきた。地域共生社会の重要性が年々高まっている昨今、各地域における店舗のあり方をより一層変えていく」として、地域の原材料を活用した地区商品の開発に取り組み、地産地消比率を現在の6%から2030年に30%まで拡大していく方針。麺類やパンについても国産小麦の割合を増やしていく。

 また、コンビニエンスストアとスーパーマーケットの中間に位置する新コンセプト店舗「SIPストア」を必要とされる地域に出店していくことで、地域のニーズに対応していく。セブン-イレブンの一般的な店舗は40坪程度だが、SIPストアでは100~150坪程度の広さを確保し、生鮮食品や冷凍食品、ファストフードなども提供していくとのこと。

 環境については、セブン&アイグループの環境宣言の下、省エネ・創エネ・再エネ調達の3つの柱を軸に最新の設備技術を利用した環境配慮型店舗などでCO2排出量の削減に取り組んでいく。あわせて容器の見直しによりプラスチック使用量の削減に取り組むほか、ベジタブルプラントや陸上養殖などにも取り組み、サプライチェーン全体での環境対策を進めていく。

 人財については、多様化する価値観に対応できる制度を整備するとともに、ITやDXの活用で生産性を高め、人にしかできない接客や調理といった仕事の質を高め、気持ちよく働ける場を提供したいとしている。

 同氏は、「セブン-イレブンがこれまで培ってきた商品・サービスは、世界に誇れるもの。アメリカで生まれ、日本で進化を遂げたセブン-イレブンは、今や世界に通用する日本文化と言えるコンテンツ。その素晴らしさを世界に向けて発信していく」と述べた上で、50周年のアンバサダーとして元プロ野球選手のイチローを起用することを紹介。

 ビデオメッセージで登場したイチローは「僕も今年50歳を迎える。昔からセブン-イレブンの塩むすびや惣菜パンをよく食べていた。“明日の笑顔を 共に創る”という言葉には過去に成し遂げてきた数々の偉業にとらわれることなく、常に次を見据えて挑戦し続けてきた信念が込められている」と語り、同社にエールを送っていた。

セブン-イレブン 創業50周年 記者発表会 アンバサダー動画(イチロー)

 続いて登壇した取締役 常務執行役員 商品戦略本部長 兼 商品本部長の青山誠一氏は50周年関連のプロモーション活動を紹介。

 2023年度は、地域の原材料を使ったご当地メニューなどを展開する地域フェアを強化し、少なくとも各地域で年2回の実施を計画しているという。直近では、ゴールデンウィークにあわせて軽井沢銘店監修フェアが実施されるが、こうした取り組みを全国で展開するとしている。21日にスタートする「ニッポン!うまいものフェア」も、その一環となる。