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くら寿司、海外初のグローバル旗艦店を台湾・高雄市にオープン

2023年5月9日 オープン

くら寿司 グローバル旗艦店 高雄時代大道

 くら寿司は5月9日、海外初となるグローバル旗艦店「くら寿司 グローバル旗艦店 高雄時代大道」を台湾・高雄市にオープンする。これに先立ち、8日に現地で発表会が開催された。

 アジアくら寿司 董事長兼総経理の西川健太郎氏は、「明日5月9日、いよいよグローバル旗艦店がオープンする。2014年に台湾に進出してから目標であった50店舗を今年の1月に達成した。この記念すべき旗艦店は51号店になる」と紹介。

 同氏は「この店舗は我々くら寿司にとって非常に大きな夢だった。佐藤可士和さんがプロデュースした日本のグローバル旗艦店1号店である浅草ROX店がオープンした際、この旗艦店を海外で、この台湾で出店できれば、とても素晴らしいことが起きると、ワクワクした気持ちになった」と振り返る。

アジアくら寿司 董事長兼総経理の西川健太郎氏

 新店舗は、くら寿司としては世界最大の店舗面積となる876.75m2という広さで、座席数も288席(ボックス48席)と最大規模となる。また、これまで日本で展開してきたグローバル旗艦店は商業施設に入居する形だったが、初めてロードサイド店として、建物全体もクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏がデザインしている。

クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏

 佐藤氏は、グローバル旗艦店の空間コンセプトについて、歌川広重が描いた浮世絵のなかに寿司が江戸の町人文化として栄えたことが記されているように、今や世界に誇る日本食の代表となった寿司が江戸時代にはファストフードとして楽しまれており、「この江戸時代の食の風景こそ、まさに現代でくら寿司がやっていること、目指していることだと確信した」と述べた上で、「江戸時代の食×エンターテインメント、町民文化の原風景を現在に蘇らせることが空間コンセプト」だと説明した。

 建物の外観については、日本らしい瓦葺きの大きな屋根が目を引き、正面にはカラフルに発光する200個の提灯ウォールが設置されている。側面には江戸文字を使い相撲の番付表をモチーフにした“メニュー番付グラフィック”が描かれ、和を印象付ける。

 中に入ると、高さ6mの天井で開放感を演出しており、高さ3mの提灯と、くら寿司の紋章を形どった直径約3mの水盤が出迎える。待合スペースには歌川広重の浮世絵が飾られ、射的や千本くじが楽しめる縁日スペースも設置されている。

 客席は、日本のグローバル旗艦店でも採用されている暖簾がけの半個室のスタイルが採用され、白木の柱やテーブルを使用したジャパニーズモダンなデザインを佐藤氏らしくシンプルに表現している。

 西川氏によれば、台湾においても引き続き出店を続けていくが、アジア地域への出店も加速していく計画で、今年度中には上海に出店する計画だという。

 当初、発表会に参加する予定だった代表取締役社長の田中邦彦氏が直前に新型コロナウイルスの濃厚接触者となり出席できなくなったことから、西川氏が田中氏からのメッセージを代読。そのなかでは、2030年には現在の4倍となる400店舗まで海外出店を拡大する方針であることが明らかにされた。

 発表会では、書道家の岡西佑奈氏による書道パフォーマンスが披露されたほか、台湾の人気女優リン・チーリンと結婚し、台南を第二の故郷とするEXILEのAKIRAが袴姿で登場。一足先に店舗を訪れたというAKIRAは「台湾の人たちは週末を家族と一緒に過ごす人が多い。落ち着いた空間で食べられるのが魅力。魚はまぐろが好きだが、シメにかっぱ巻きを食べるのが好き」などと話していた。

書道家の岡西佑奈氏
EXILEのAKIRA