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セブン-イレブン、専用マシンでできたての麺料理を提供

埼玉県内の一部店舗でスタート

2025年11月11日 発表
お店で仕上げた できたて麺

 セブン-イレブン・ジャパンは、専用マシンを使った「お店で仕上げた できたて麺」を埼玉県内の約40店舗で提供する。10月22日から順次導入が進められている。

 同社では、専用マシンを使用してコーヒーやスムージーを提供しているが、今回の取り組みでは、ソフトバンクロボティクスと連携し、麺料理用の専用マシンを店舗に導入。冷凍ケースで販売する専用商品を専用マシン「STEAMA(スチーマ)」にセットし、スタートボタンを押すと約2分で本格的な麺料理ができあがる。

 商品のラインアップは、「お店で仕上げた醤油ラーメン」(630円)、「お店で仕上げた味噌ラーメン」(630円)、「お店で仕上げた豚骨醤油の家系ラーメン」(630円)、「お店で仕上げた肉うどん」(560円)、「お店で仕上げた台湾まぜそば」(593円)など(価格は税別)。

セブン-イレブン・ジャパン 商品本部 次世代商品開発 シニアマーチャンダイザーの赤松稔也氏(左)とソフトバンクロボティクス RX&FOOD統括 RX&FOOD事業本部 本部長の畑達彦氏(右)

 11月11日に開催された発表会では、セブン-イレブン・ジャパン 商品本部 次世代商品開発 シニアマーチャンダイザーの赤松稔也氏とソフトバンクロボティクス RX&FOOD統括 RX&FOOD事業本部 本部長の畑達彦氏が登壇し、新サービスの展開の狙いや専用マシンの特徴などを説明した。

 赤松氏は、未来のコンビニエンスストアをイメージし、専用端末から注文し、レジで決済した後、カウンターでできたての商品を受け取るという大阪・関西万博店での新たな購買体験のトライアルに触れ、同社としてできたての商品の五感で楽しめるライブ感の提供に注力していることを紹介。

 セブンカフェ ベーカリーが11月末時点で約4500店舗まで拡大しているほか、セブンカフェ ティーも10月末時点で約100店舗で利用可能になっており、同社ではそれぞれ2025年度中に約8000店、約2100店、2026年度中に約1万8000店、約1万100店まで拡大していく方針だ。

 さまざまなジャンルでできたての商品の提供に挑戦してきた同社だが、麺料理については2005年にレンジアップ麺の販売をスタート。その後も改良を重ね、2019年にはそれまでゼラチンタイプだったスープをストレートタイプに切り替えるなど、チルド麺の販売を拡大してきた。

 畑氏によれば、今回導入される専用マシンの特徴は「蒸気」と「AI」の活用にある。高圧のスチームで均一に加熱することで、一度冷凍で劣化したでんぷん質を復活させ、茹でたての麺のコシと艶を実現したり、具材となる肉や野菜についても独自のスチーム制御で食材の表面に水分膜を形成し、水分や旨みを閉じ込めたり、香り成分の揮発も蒸気で抑えたりしているという。

 利用手順としては、容器の側面にある2次元コードを専用マシンに読み取らせると、マシン内の洗浄が始まり、30秒ほどで終了する。その後、フィルムを剥がさずにマシンにセットし、スタートボタンを押すと、90秒ほどで調理が完了する。あとは取り出してフィルムを剥がし、できたてを食べるだけだ。

最初にパッケージの2次元コードを読み取らせる
マシン内の洗浄中
洗浄が終わると容器をセットできるようになる
調理が始まるとフィルムに穴をあけてスチーム調理が始まる
90秒ほどでラーメンができあがった

 できたてのおいしさ以外にも、チルド商品は消費期限が短く、売れ残ると廃棄せざるを得ないという現状の課題に対し、今回の仕組みでは冷凍商品の形で販売できるため、在庫リスクを抑えながらフードロスの削減にも繋がるメリットもある。

 赤松氏は、ラーメン、うどん、まぜそばで提供を開始するが、パスタや雑炊、リゾットなど、さまざまなものを調理できることから、容器の形状を工夫しながら各メニューへの最適化を図っていくとしている。

お店で仕上げた醤油ラーメン
お店で仕上げた味噌ラーメン
お店で仕上げた豚骨醤油の家系ラーメン
お店で仕上げた肉うどん
お店で仕上げた台湾まぜそば
お店で仕上げた中華蕎麦とみ田 濃厚豚骨魚介(815円)
お店で仕上げた麺処 晴 煮干し醤油ラーメン(723円)