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メルシャン、中高価格帯ワインや紙パック/ボトル缶商品に注力、数年内の“B Corp”取得と海外展開をさらに強化

2026年ワイン事業戦略発表会

2026年2月17日 発表
メルシャン事業方針説明会

 メルシャンは2月17日、2026年の事業方針説明会を開催し、代表取締役社長の大塚正光氏とマーケティング部長の神藤亜矢氏がプレゼンテーションを行なった。

市場は前年並みも1000~1999円の価格帯が伸長

 ワイン事業の戦略については代表取締役社長の大塚正光氏が説明した。事業戦略の柱は「『プレミアマイズ』による市場の魅力化」「『新規ユーザーの獲得』による裾野の拡大」「グローバル市場の拡大」の3本。2025年は売上収益・金額ベースで見ると前年比約100%と前年並みを維持し、ワイン事業利益は、為替影響を受けながらも増益を達成したとのこと。

メルシャン株式会社 代表取締役社長 大塚正光氏
2025年のワイン事業の実績

 活動については、同氏が社長就任時から徹底してきた購入客へのアプローチ方法を見直したことにより結果につながっていることを報告した。アプローチに際しては動機に紐づくセグメント分けを行ない、「自分らしさ層」「こだわり層」「健康志向層」「やりくり層」の4つに分けて行なった。具体的には、プレミアマイズにより1000~1999円のフルボトルワイン市場が伸び、取り扱っているチリのワイナリー「カッシェロ・デル・ディアブロ」が貢献していることを伝えた。

ターゲット層を4つに設定
「カッシェロ・デル・ディアブロ」が市場を牽引

 新規ユーザーの獲得に向けては、手頃サイズでいつでも飲めるボトル缶のラインアップを拡充したことで前年比136%の伸びを示した。

新たな顧客獲得に向けた商品が業績に寄与

 グローバル市場の拡大においては、プレゼンスの強化を引き続き行なっていく。「インターナショナル・ワイン・チャレンジ2025」において「シャトー・メルシャン 岩出甲州きいろ香 キュヴェ・ウエノ 2023」が金賞および日本ワイン最高賞となる「トロフィー」を受賞したことや、タイへの輸出を開始したことを紹介した。CSV活動も「椀子ヴィンヤード」(上田市)、「城の平ヴィンヤード」(勝沼町)で続けており、上田市とは包括提携協定を結び、相互人材交流も始めた。

日本ワインを海外へ輸出
CSV活動

数年後を目途に「B Corp」取得を目指す

 今後については、B Corp(Bコープ:B Corporation)を数年後に取得できるように運営していく。B Corpはアメリカの非営利団体B Labが承認する、社会や環境に配慮した公益性の高い企業に対する国際的な認証制度で、「よい会社」の証として認められている。大塚氏は「短期的に売り上げに結び付くわけではありませんが」と前置きした上で、「このB Corpを取得するということで、長期的にあらゆるステークホルダーから選ばれ続ける企業になるとともに、メルシャンはグローバルレベルの信用を獲得していきたい」と述べた。正確な取得時期についての質問に対しては、子会社の日本リカーとワインキュレーションを2年以内に、その数年後にメルシャンが取得するイメージであると答えた。

国際的な枠組みとして「B Corp」を活用
認証を目指した環境における具体例
時間をかけて企業価値の向上を目指す

 中長期的な数字目標としては、2035年までには2025年比で事業利益3倍を目指す。キリングループとしてはヘルスサイエンスで“体の健康”を目指しているが、同社では地球環境の健康と購入客の“心の健康”に貢献していきたいと話した。

目標数値

2035年までに中高価格帯ワインは2倍の売上を目指す

 マーケティング戦略については、マーケティング部長の神藤亜矢氏が説明した。
ワイン市場は横ばいだが、1000円以上の価格帯が伸長し、プレミアマイズが加速している。ボトル缶ワインは2021年比で147%の伸長、スパークリングワインもゆるやかに伸びを見せている。同社では4つに分けたセグメントに沿って、今後も成長が見込まれる購入層にアプローチしていく。

メルシャン株式会社 マーケティング部長 神藤亜矢氏
ワインの市場環境
ボトル缶やスパークリングワインが伸長
ターゲット層の動向を見据えて活動していく

 具体的な数値目標としては、いずれも2025年比で中高価格帯ワインの売上を2035年までに2倍、ボトル缶や紙パックなどイノベーション開発商品の売上を2035年までに1.7倍、「シャトー・メルシャン」輸出額を2035年までに5倍を目指す。

戦略方針

 中高価格帯のワインとして1月13日に「長野メルロー 2023」「長野シャルドネ 2024」を発売し、新ブランド「ロバート・モンダヴィ カリフォルニア」を4月21日に投入する。新たな顧客層向けとしては、紙パックの小容量タイプ「メルシャン・ワインズ フルーツスキップ(250mL)」を2月24日に発売し、手軽なスパークリングワインとして「メルシャン・ワインズ サニーサイド オーガニック スパークリング」シリーズのデザインをリニューアルして「レッド」を3月31日に発売する。

中高価格帯の商品を新たに投入
手軽な商品も発売

 グローバル市場では、「シャトー・メルシャン」の輸出額を2035年までに2025年比で5倍を目指す。2026年は台湾、EU市場の拡大とともに前年比130%を目指し、新たに国内製造ワインの輸出にもチャレンジする意向だ。質問で昨年からタイへの輸出を決めた背景について問われると、ワイン文化が根付いていることを挙げ、「山梨甲州」「山梨マスカット・ベーリーA」「笛吹甲州グリ・ド・グリ」を輸出し、スパイシーな食事に旨味のある品種が受け入れられているのではないかと答えた。今後もアジアの中でも成長している国には、引き続き日本ワインを紹介していきたいと話した。

海外にも積極的に展開し、今年からは台湾にも輸出する

 間口拡大につながる施策も実施する。体験価値の向上、購入客との接点拡大を目指し、ライブコマースの実施、「京橋ワイン」の実店舗オープン、「シャトー・メルシャン ワインショップ軽井沢」のオープン、「シャトー・メルシャン 勝沼ワイナリー」の施設リニューアルを予定している。

体験価値の向上や接点の拡大にも注力