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キリン、リニューアルした「グリーンズフリー」説明会を開催。新製法で「飲みごたえ」と「ホップの香り」を強化

2026年3月24日 開催
キリンビール「キリン グリーンズフリー」リニューアル説明会

 キリンビールは3月24日、ノンアルコール・ビールテイスト飲料「キリン グリーンズフリー」のリニューアル説明会を開催した。グリーンズフリーは1月にリニューアルし、順次切り替えが進んでいる。

伸長するノンアル市場へは3製品を強化して投入

 最初にマーケティング部でブランドマネージャーを務める山中氏が、取り組み方針について説明した。キリンビールは「お酒の未来を創造し、人と社会に、つながる喜びを届け続ける会社」という理念を掲げており、2026年の戦略として「お客様の価値の創造にチャレンジしていく」ことを中心に据え、国内・海外、短期・中長期の観点から取り組んでいくことを説明した。国内においては、「お客様価値の創造に向けたブランド育成」と「お酒の未来を創造する両面のアクション」の2つが重要な柱であるとしている。

キリンビール株式会社 マーケティング部 ビール類カテゴリー戦略担当 キリン グリーンズフリーブランドマネージャー 山中進氏

 ブランド育成の具体的施策としては、2026年の酒税法改正という重要な機会を最大限活用する方針のもと、ビール類はもちろんのこと、ノンアルコール市場においても活性化に向けて商品力の強化を図っていく。具体的には、グリーンズフリーの春季リニューアル、ラガーゼロの500mL缶の春季発売、氷ゼロ スパークリングのグレープフルーツ味の通年商品追加という3つの施策を行なう。これらノンアルコール飲料の販売金額目標は前年比138%を目指すと説明した。

キリンビールが販売するノンアルコール飲料

 両面のアクションにおいては、グリーンズフリーを通じてお酒やノンアル飲料を適切に楽しめる文化の創造を目指すとし、未来に向けた責任「DRINK FOR FUTURE」を掲げ、適正飲酒の啓発活動、ノンアル・低アル商品の構成比の拡大、筑波大学との共同研究推進という3つの軸で取り組みを進める。

グリーンズフリーは“リフレッシュ”に重点を置いてリニューアル

 グリーンズフリーのリニューアル詳細については、ブランド担当の久保海晴氏が説明した。ノンアルコール市場は購入者層の価値観の変化を受けて成長を続けており、縮小していく酒類全体に対して今後もさらなる伸長が期待されるカテゴリーであると位置付けられている。そして、ノンアルコールビールを手に取るユーザーは3つのタイプがあり、「本格ビールらしさ」のニーズ、「さわやかリフレッシュ」のニーズ、「健康意識」のニーズに分かれていると同社は分析している。その中で市場を牽引してきたのは「本格ビールらしさ」「さわやかリフレッシュ」の2つのニーズであり、前者には「キリン本格醸造ノンアルコール ラガーゼロ」、後者には「キリン グリーンズフリー」で対応する戦略であることを説明した。

キリンビール株式会社 マーケティング部 ビール類カテゴリー戦略担当 キリン グリーンズフリーブランド担当 久保海晴氏

 現状のグリーンズフリーについては、“リフレッシュできそう”や“さわやかな感じ”といった点で他のノンアルビール商品と比較して一線を画したイメージを獲得できていると分析している。1月にリニューアルされたグリーンズフリーは、中味、パッケージデザインともに変更されており、強みであるリフレッシュ感、さわやか感をさらに訴求するようにした。

1月にリニューアルした「キリン グリーンズフリー」
334mL瓶も用意されている

 パッケージは高品質感と明るい印象を与えるデザインに変更した。具体的には、リボンからフラッグへのロゴ変更、エメラルドグリーンの缶を採用、洗練されたシンプルなデザイン、ノンアルコール表記のサイズアップが実施されている。また、グリーンズフリーの独自価値である3種ホップ使用のこだわりを缶の側面に新たに記載している。

パッケージデザインも変更されている

飲みごたえとホップの香りを強化したテイスト

 中味については、中味開発グループの大倉葉月氏が説明した。リニューアルした製品のポイントとして3つの項目を挙げた。

キリンビール株式会社 マーケティング部 商品開発研究所 中味開発グループ 大倉葉月氏

 1つ目のポイントは、仕込み工程の一部である糖化法を変更したこと。この改良により「さわやか」で「食事に合う」という特徴を維持しながら、ノンアルコールビールが目指すビールの味わいとして重要な「味の厚み」と「飲みごたえ」を強化したと説明した。

糖化法の変更で「味の厚み」と「飲みごたえ」を強化

 2つ目のポイントは、希少なネルソンソーヴィンホップを主軸とした3種のホップの組み合わせを今回も採用していること。ネルソンソーヴィンホップは世界のホップ生産量の1%に満たない希少なホップで、ワインの産地として有名なネルソン地域で育成されており、白ブドウやライチのような香りが特徴であるとのこと。これに加えて、柑橘やシトラスを思わせる華やかな香りを出すホップ、香りは穏やかだがビールの苦みを出すのに役立つホップの3種を組み合わせ、グリーンズフリーの爽快な味わいを実現していると説明した。

グリーンズフリーに使用されているペレット状のホップ。それぞれ、香りの強さや特徴がまったく異なる

 3つ目のポイントは、コーヒーチェリー由来の香料を新規に採用したこと。コーヒーチェリーとはコーヒー豆の外側の果実や果皮の部分で、生産地域においては廃棄物として扱われていた。カフェインやポリフェノールなどの成分を多く含むため環境問題を引き起こし、コーヒー農家の貧困問題の原因にもなっていた。同社ではこの課題解決に向けて、独自技術である乳酸菌発酵・酵母発酵を使った「ワインの香気増強技術」を活用して香料を開発した。この香料をノンアルコールビールやRTDに添加することで、発酵感の増強や飲みごたえをプラスできたと説明した。

香りの複雑さとコクが感じられる新グリーンズフリー

 試飲では従来のグリーンズフリーと新しいグリーンズフリーが用意され、飲み比べることができた。従来の製品は「すっきりとした味わいで、麦芽を感じる。炭酸のしゅわっとした感じがストレートに舌に届く」ように感じた。リニューアルした製品は明らかに香りが違い「柑橘系もまざったようなさわやかさに、麦芽の旨味とコクがさらに強くなった」印象を受けた。現在のところどちらも入手できるので、飲み比べてみるのも面白いと思う。

黄色いシールが貼られているのが新しいグリーンズフリー。飲み比べるとテイストがかなり違うのが分かる