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【鰹節の世界】鰹節製造編「どうやって鰹節って作るの?」

東京・日本橋の鰹節専門店にんべんが解説

どうやって鰹節って作るの?

 こんにちは! 東京・日本橋で320余年、鰹節を扱ってきた鰹節専門店にんべんです。

 “食卓の名脇役”の鰹節について、知れば料理がもっと楽しくなる雑学や、おいしい出汁の引き方、めんつゆや白だしを活用した時短レシピまでお届けする「鰹節の世界」。

 今回は、「鰹節はどうやって作るの?」という謎に迫ります。あんなにカチカチに硬い鰹節、実は完成までに驚くほどの手間と時間がかかっているんです!

職人の技が光る! 本枯鰹節ができるまで

 鰹節は今も、職人の経験と勘による「職人技」で作られています。今回は、にんべんが一番大切にしている「本枯鰹節」(詳しくは前回コラムへ)の製造工程に迫ります!

1.目利き・熟練の技

 本枯鰹節の製造の10以上ある工程のほとんどが手作業で行なわれています。生切りの際、職人が魚の状態を見定めて、煮熟(しゃじゅく:煮る工程)の温度や時間を調節します。まさに職人が「目を光らせる」真剣勝負です 。

目利き・熟練の技

2.繰り返し煙をかけて燻す

 煮たカツオの身を、かまどで薪を燃やして長時間熱し、熱と煙で水分を抜きます。これを焙乾(ばいかん)と言います。一気に焙乾すると、表面が乾くだけで中の水分が抜けにくいため、なんと1か月以上かけて10~15回繰り返します。

繰り返し煙をかけて燻す

 焙乾を繰り返すと、「荒節(あらぶし)」が完成! カツオ本来の力強い味わいが特徴です。

3.カビを育てて熟成させる

 荒節の表面を削り、「優良鰹節カビ」を付けます。優良鰹節カビとは、いわば鰹節カビ界のエリート。数ある鰹節カビの中から、香りに優れた鰹節の王様「本枯鰹節」を作るために適した菌を、選び抜いて純粋培養したものです。

 その後、天日干しをしてカビを払う。このサイクルを職人が水分の抜け具合を見て、何度も繰り返します。これにより、魚臭さの少ない上品な風味に変化していきます。ちなみに、優良鰹節カビはにんべんが選定し、業界の発展のために情報を無償で提供しました!

カビを育てて熟成させる

4.職人による選別

 仕上がった本枯鰹節は、最後に選別職人が厳しくチェック。乾き具合や脂が多すぎないか、外から見えない内側の隙間や割れがないかどうかまで見極め、等級分けを行ないます。この「選別」は、にんべんでは独自の技として代々受け継がれています。

職人よる選別

 選別職人は、本枯鰹節の外側を見ただけで節の中の状態が分かるんです。

【豆知識】本枯鰹節の誕生秘話

 本枯鰹節は、実は江戸時代に運搬中の船内で鰹節にさらにカビが生えてしまったことが、誕生のきっかけです。江戸の鰹節問屋が「カビを払うたびに鰹節の風味がよくなっている」と気付き、西伊豆の職人に依頼し、意図的にカビ付けを行なう手法が確立されたのです。にんべんも生産者と協力し、この最高品質の完成を後押ししてきました。

本枯鰹節

 本枯鰹節ができるまでには、なんと約半年もの歳月が費やされています。驚きですよね! 職人が長い時間をかけてじっくりと作り上げるからこそ、私たちは料理の際に“一瞬”で豊かな旨みを含んだ出汁を引くことができるのです。そう考えると、味噌汁一杯もより味わい深く感じられそうですね!

本枯鰹節ができるまで約半年かかる

 次回は、いよいよおいしい鰹節出汁の引き方について解明していきます。お楽しみに!