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キリンビール担当者にリニューアルした「氷結 シチリア産レモン」の美味しい飲み方を教えてもらった

2021年7月12日 実施

左がリニューアルした「氷結 シチリア産レモン」。従来品に比べ、缶を開けた瞬間からレモンの香りが立ち上がるのが印象的だ。スッキリとした柑橘系の酸味がマイルドながらもしっかりと感じとれる、バランスのよい味に変わっている

 キリンビールが販売する缶チューハイ「氷結」シリーズは、2021年で20周年を迎え、春に大幅リニューアルを実施。6月は前年比112%となる約370万ケースを販売し、2001年の発売以来では過去最高を記録するなど、好調な売れ行きを見せている。

 今回、キリンビール マーケティング部がメディア向けにオンライン・トークセッションを行なったので、そこで解説された氷結の歴史、好調の要因やオススメの飲み方などを紹介したい。

トークセッションに参加したキリンビール株式会社 マーケティング部 商品開発研究所 小山裕之氏、RTDカテゴリー戦略担当 桜井可奈子氏、RTDカテゴリー戦略担当 桐生卓弥氏、RTDカテゴリー戦略担当 村上亜美氏

誕生から20年、100年続くブランドを目指す

 キリンビールの氷結シリーズは2001年7月11日に発売し、スッキリとした飲みやすいチューハイとして人気ブランドに成長した。RTD(Ready to Drink:栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料)市場における家飲み用の缶チューハイでは後発組であったが、市場にはない「チューハイを変えるチューハイ」を合言葉に開発された氷結シリーズは、消費者のニーズを的確に捉えてたという。

 当時の開発チームは現在では「氷結の父」「氷結の母」と社内で呼ばれ、現在の担当チームとのオンライン懇親会では当時の熱い思いを語ってくれたそうだ。シェアを獲得するだけでなく、既存にはない商品、そしてビール類ユーザーも取り込めるほどの革新的な新しいチューハイとして「氷結」は誕生した。

缶チューハイのイメージを一新する商品として氷結を2001年に発売

 こだわり抜いたのは2点。キリンビール史上初となる「氷点凍結果汁」を採用したことと、焼酎ではなく「クリアウオッカ」を使ったことだ。レモンを搾汁したあとに清澄化して渋味や雑味を取り除き、氷点下で凍結した果汁はフレッシュな味わいをキープし、白樺活性炭処理を行なったクリアウオッカは果汁のみずみずしさを引き出すことに成功した。

 発売以降は100年続くブランドを目指し、消費者ニーズに応えた「氷結 プレミアムフルーツ」「氷結 ストロング」「氷結 アイススムージー」など、時代にマッチし、時には先駆けとなる商品を多数ラインアップしてきた。代表的商品である「氷結 シチリア産レモン」もパッケージに加え、その時代とともに味もリニューアルしてきたことを説明した。

氷点凍結果汁を使用することで搾りたてレモンの風味をしっかりと残している
氷結 シチリア産レモンも消費者ニーズに応える形で時代とともに進化

伸長するRTD市場で勝ち抜くために大幅リニューアルを決意

 氷結が属するRTD市場は現在も伸長しており、要因としてはビール類とRTDを併飲する消費者が増えてきたことを挙げた。その併飲ニーズには、「飲みやすい」「果汁感が楽しめる」「甘くない」といった、スッキリとした爽快感を求める声が多いと分析している。

 また、品質に対する納得感、「RTDでもちゃんとした美味しいお酒が飲みたい」といったニーズが年々高まっていることを説明した。RTD市場は激戦区でもあり、各社から新商品が続々と登場するなか、市場における氷結の存在感が薄れてきたことを課題としていた同社は、その答えとして大幅リニューアルした「氷結 シチリア産レモン」と、甘くない「氷結 無糖レモン」を市場に投入した。「今まではビール一辺倒だった人が氷結を選んでくれることが増え、その結果が売上にも表われている」とのことだ。

右肩上がりのRTD市場

氷結の持つ魅力を伸ばし、新CMで需要を喚起

 氷結の看板商品である「氷結 シチリア産レモン」の大幅リニューアルに当たっては、開発当初の原点にとことん向き合って、スッキリ・爽快な味わいのグレードアップを目指したそうだ。開発担当が50種類を超える試作品を用意し、社内の担当者と試飲とディスカッションを繰り返し行なうことで現在のテイストにたどり着いたという。

 味はわずかなバランスでも印象が変わり、人によっても感じ方が違うので、なるべく多くの人の意見を聞くことをポイントにして進めたことも紹介された。マーケティング戦略では、俳優の高橋一生さんと女優の真木よう子さんを起用したTVCMを公開。美味しさのヒミツを印象的に表現したCMは好感度も高く、購買意欲を喚起できたのではないかと話した。その結果、「氷結 シチリア産レモン」はリニューアル前と比較して約140%のアップ、ビール類ユーザーの購入も約160%増えるなど、大きな伸びを見せている。

開発当初のコンセプトに立ち返り、5年ぶりに氷結 シチリア産レモンを大幅にリニューアル
氷結ブランド商品は過去最高の売上を達成

グラスと氷を用意して氷結を最高に楽しむ

 トークショーセッションの最後には、スタッフがオススメする「氷結 シチリア産レモン」の美味しい飲み方が紹介された。事前準備としては、氷結を冷蔵庫で冷やし、たくさんの氷と広口のグラスを用意しておく。キンキンに冷やした氷結が準備できたら、グラスの中にたっぷりと氷を投入し、氷結を注ぐ。グラスを手に持ったら、顔を上げて喉を広げてゴクゴクと流し込み、爽快感もしっかり味わってほしいそうだ。氷を入れた広口のグラスを使用することで香りもしっかり立ち上るので、氷結らしさが存分に楽しめる。

 氷結は食事にも合うということで、今回はベストマッチなおつまみとして塩味の炙ったホタテ貝も紹介された。レモンと塩味は相性がよいということもあるが、旨味の強い食材を氷結がサッと口の中を流してくれることで絶妙な余韻が残り、それがもう一口に続くポイントになるということだ。

 このリニューアルではレモンの果実感がアップし、強い旨味にも負けないので、いろいろな食材と合わせて自分なりのベストマッチを探す楽しみ方も提案していた。同社としては「夏こそ氷結が一番輝く時期なので、爽快感で暑い夏を乗り越えてほしい」と伝えた。

「氷結 シチリア産レモン」は冷蔵庫でよく冷やす
グラスは香りが楽しめるように口が広いものを用意する
氷を多めに入れる
グラスに氷結を注ぐ
最初の一口はグイッと流し込んで爽快感を味わう
オススメとして明治屋「国産 炙り帆立(塩味)」が紹介された