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キリン、プラズマ乳酸菌配合の「午後の紅茶」「生茶」を10月発売

2021年7月29日 発表

「キリン 午後の紅茶 ミルクティープラス」(右)と「キリン 生茶 ライフプラス 免疫アシスト」(左)

 キリンビバレッジは、プラズマ乳酸菌を配合した機能性表示食品「キリン 午後の紅茶 ミルクティープラス」と「キリン 生茶 ライフプラス 免疫アシスト」を10月12日に発売する。

 同社によれば、紅茶と緑茶において免疫機能をうたった機能性表示食品が発売されるのは日本初。それぞれ1000億個のプラズマ乳酸菌を配合することで、免疫の司令塔とされるプラズマサイトイド樹状細胞(pDC)を活性化し、人間の体の免疫機能を高められる商品となる。

 価格は各143円(税別)で、「キリン 午後の紅茶 ミルクティープラス」は430mlペットボトル、「キリン 生茶 ライフプラス 免疫アシスト」は525mlペットボトルでの販売となる。

キリン 午後の紅茶 ミルクティープラス
キリン 生茶 ライフプラス 免疫アシスト

 同社 代表取締役社長の堀口英樹氏は、7月29日に開催された発表会において、「過去10年で人口が減少する中で清涼飲料の市場は微増で推移してきたが、新型コロナの影響で減少傾向に転じ、今後も大きな伸びは期待できない」とする一方、健康市場が伸びており、ヘルスサイエンス領域の開拓が今後の成長戦略を考える上で重要になると述べている。

 これまで同社では「iMUSE」ブランドにおいて免疫に対する意識が高い購買層にアプローチしてきたが、今回は主力の「午後の紅茶」と「生茶」で展開することで、ライト層にアプローチし、免疫対策商品のすそ野の拡大を目指す。

 キリンホールディングス ヘルスサイエンス事業部部長 兼 R&D本部 キリン中央研究所 リサーチフェローの藤原大介氏は、キリングループとしてプラズマ乳酸菌の研究にどのように取り組んできたかを紹介。同氏は「キリンは飲料の会社と認識されているが、実は古くから医学分野での研究を行なってきている」と語る。

 中でも免疫については35年にわたって研究してきており、その成果は抗体医薬品などに反映されている。こうした研究の積み重ねを通じ、以前は不可能とされていた乳酸菌によるpDCの活性化が可能だということが分かり、それまでタブー視されていた免疫機能性表示食品化に取り組んだ結果、昨年、消費者庁にも認められ、プラズマ乳酸菌の効果をうたえるようになったという。

プラズマ乳酸菌の免疫ケアのメカニズム

 キリンビバレッジ 執行役員 マーケティング部長の山田雄一氏は、「午後の紅茶」と「生茶」というキリンの基盤ブランドで、免疫ケアを訴求していくことの意義の大きさを強調。「今年下期の大きな戦い方になる商品で、キリンが本気で取り組んでいくという姿勢を示したいと考え、早い段階で発表することにした」と語る。

 気になる味への影響については、藤原氏は「プラズマ乳酸菌のアプリケーション(配合)については、死んでいる菌というのがポイント。匂いや味がほとんどなく、ちょっとしか入れる必要がないので、いろんな商品展開が可能」だと説明。

 山田氏も「最初は酸っぱくなったりするのではないかと不安だったが、iMUSEを開発してきた知見があり、これをベースにキリングループ内の総力を結集し、おいしく仕上げられた」と自信を見せ、違うカテゴリーの商品での展開についても「要望が大きくなれば検討していきたい。可能性は排除しない」としている。

(左から)キリンビバレッジ 代表取締役社長の堀口英樹氏、キリンホールディングス ヘルスサイエンス事業部部長 兼 R&D本部 キリン中央研究所 リサーチフェローの藤原大介氏、キリンビバレッジ 執行役員 マーケティング部長の山田雄一氏