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カカオはフルーツ! 明治がチョコではないカカオ使用の「カカフル」「カカウェル」発売

2023年2月8日 発表

明治「カカオの新しいカタチ 赤くて甘酸っぱいカカオフラバノールドリンク/ソルベ/タブレット」「カカオがくれるおいしさと栄養つめこんだ、カカオ素材食品」

 明治は2月8日、カカオの新たな魅力とポテンシャルを提案する新商品「カカフル」シリーズと「カカウェル」を発表した。応援購入サイト「Makuake」で3月30日まで購入を受け付け、2023年5月末までに発送される。

 価格は新商品4種類セットで9520円などとなっており、特定の商品1種類からの購入も可能。2023年2月8日17時の時点で目標金額100万円に対し197万4320円、197%の達成率となっている。

「カカオ=チョコレート」のイメージを覆すフルーティな商品群

 明治が新たに販売するのは、飲料の「カカオフラバノール・ドリンク」、冷菓の「カカオフラバノール・ソルベ」、板チョコ風の「カカオフラバノール・タブレット」の「カカフル」シリーズ3種類と、小さなキューブ状のカカオ素材食品「カカウェル」の計4種類。現時点では生産量が限られるため、一般の店舗での販売ではなく、Makuakeでの販売に限定した。

2月8日の発表会のなかでMakuake販売開始のセレモニーを実施

 カカフルシリーズは、主な素材として明治が新開発した「カカオフラバノールエキス」と「カカオ果汁」が用いられている。商品はチョコレートの主原料であるカカオの茶色というイメージを覆す赤、もしくはピンク色で、これは「カカオフラバノールエキス」によるもの。本来はフルーツであるカカオのライチやベリーのような甘酸っぱさと苦味、カカオ豆を包んでいるカカオパルプという果肉を絞って取り出した「カカオ果汁」の甘みなどが合わさった、クセになる味わいが特徴だとしている。

「カカオフラバノール・ドリンク」は、カカオフラバノール100mgとカカオ果汁60%を配合したドリンク。容量は125ミリリットルで、光や酸素に弱いカカオフラバノールエキスの性質から、アルミ層を挟んだ紙パックで提供される。砂糖、香料、着色料は不使用で、すっきりとした甘味のなかに贅沢さも感じられる。カカオっぽさ、チョコレートっぽさは一切感じられず、まさしくフルーツドリンクの味わい。

「カカオフラバノール・ドリンク」

「カカオフラバノール・ソルベ」は、カカオフラバノール100mgとカカオ果汁29%を配合したソルベ。容量は80ミリリットルで、香料、着色料は不使用。アイスクリームのような柔らかさがありながら、独特の甘酸っぱさがシャーベットのようなすっきり感を生み出している。

「カカオフラバノール・ソルベ」

「カカオフラバノール・タブレット」は、カカオフラバノールとカカオ果汁29%を配合したタブレット。1箱12枚入りで、3枚あたりカカオフラバノール100mgが含まれる。香料、着色料は不使用で、商品種別としてはチョコレート。他の商品よりもカカオ感、チョコレート感は強めだが、イチゴのような酸味とカカオの苦味を楽しめる。

「カカオフラバノール・タブレット」

 もう1つの新商品となる「カカウェル」は、明治独自の製法によりカカオを粉末状に加工した「カカオグラニュール」を素材に用いたもの。カカオのもつポリフェノールを最大限に維持することができ、ほかにアーモンド、デーツ、はちみつなどの素材を加えることで、食物繊維、亜鉛、カリウム、鉄、マグネシウム、ビタミンEといった豊富な栄養素を摂取できるとしている。1袋8粒入り。

「カカウェル」

明治のサステナビリティに向けた取り組み

 今回発表された4種の新商品は、明治が2022年からスタートした「ひらけ、カカオ。」というサステナビリティに向けた取り組みから生まれたもの。従来、ココアやチョコレートなどの用途に10%程度しか利用されてこなかったカカオの実全体を有効活用するとともに、カカオの生産に関わる人、地域、環境などにおける課題解決を図っていく狙いがある。

カカオの実全体を有効活用するための取り組みを始めている

 そうしたなか、「農家の負担を増やさず経済価値を増やす」「アップサイクルでさらなる経済価値を生み出す」「生活者の健康的な食生活を実現する」という3つのサステナブルアクションを掲げながら研究開発を続けてきたことで、健康機能に関わる栄養素をふんだんに含む「カカオフラバノールエキス」や、豊富なポリフェノールを含む「カカオグラニュール」という素材の開発につながった。

ベトナムのカカオ農家の協力のもと「カカオフラバノールエキス」を開発
カカオ果汁は「カカオパルプ」を絞ることで取り出せる
「カカオフラバノールエキス」と「カカオパルプ」は「カカフル」シリーズの主原料となっている
「カカオグラニュール」は、豊富なポリフェノールを細胞内に閉じ込め、苦味や脂質を出てきにくい素材となっているため、これまで難しかった食品への加工も可能になるとしている

 また、今までは廃棄されることが多かったカカオの実の表皮「カカオハスク」を、他社と協力して食器や什器などにリサイクルするという活動を開始しており、一部はECサイトやクラウドファンディングでの販売も予定しているとのこと。

「カカオハスク」などを使って各社が製造した食器、花瓶、コースターなど

 このほか、明治は2006年から「メイジ・カカオ・サポート」という名称で「カカオ農家支援活動」を推進しており、カカオ豆のトレーサビリティの確立、児童労働の撲滅、森林の保護・回復といった、カカオ豆のサステナブルな生産・調達に向けた取り組みも順調に進展しているところだという。

カカオ農園までのトレーサビリティはアフリカ地域以外では100%に達している
児童労働撲滅に向けた取り組みも
植樹などで森林の回復・維持を図っている

 2023年夏には、この「ひらけ、カカオ。」にまつわる新たな発表も予定しているとのこと。今回のようなカカオのイメージを覆すような新商品が登場する可能性もありそうだ。

サステナブルな社会の実現に向けて活動する一般社団法人SWiTCH代表理事 佐座マナ氏(左)と、サウナトータルプロデューサーの笹野美紀恵氏が新商品を試食。酸味のきいた味わいと、パッケージのかわいらしさに感動していた