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担当者が語る「紅茶花伝」をおいしくする素材や製法

日本コカ・コーラで紅茶花伝のマーケティングを担当する田中惇也氏

 寒くなると紅茶が飲みたくなる。こうした消費者心理を意識してか、紅茶花伝ブランドを展開する日本コカ・コーラでは10月から「あなたがいると、ほっとする。」というブランドメッセージを用いたキャンペーンを実施している。

 紅茶花伝のマーケティングを担当する田中惇也氏は、今回のキャンペーンでは、「さりげない心遣いをしている人に寄り添う、皆さんに気づかれない心配りにフォーカスしている」と語る。

 同氏によれば、紅茶花伝ではセイロン茶葉を使用しているが、商品のコンセプトにあわせてブレンドを変えることで、最適な風味を目指しているという。例えば、ロイヤルミルクティーではミルクとあわせることを想定し、厚みのある強い味わいのブレンドとする一方、クラフティーではフルーツのフレーバーとあわせることから、すっきりとした味わいになるようにブレンドしている。

 また、製造過程においては、「かき混ぜず、ゆっくり、じっくりと抽出するところが大きなポイント」(田中氏)だという。家庭でティーバッグを使って紅茶をいれる際に、早く色をつけたい一心で上下させたり、スプーンでつついたりと、ついついやってしまいがちだが、同氏によると「必要以上に苦みや渋みが出てしまう」という。

茶葉のジャンピングを待つことで茶葉本来の味を引き出す

 ティーポットに茶葉を入れ、沸かしたてお湯を勢いよく注ぐと、軽い茶葉が上部に浮かびあがり、水分を吸うことで下部に沈んでいく。お湯のなかで酸素と茶葉が絡まることで、茶葉が浮き沈みする上下運動“ジャンピング”を繰り返す。同社では、工場での製造時にも、時間はかかるが、この製法にこだわって抽出を行なっているとのことだ。

 その際のお湯の温度についても、製品によって細かく調整。田中氏は「紅茶の王道としては沸騰したてのお湯でいれるのが一般的で教科書にも書かれており、ロイヤルミルクティーでは紅茶の味わいをしっかりと出すことで、ミルクに負けない紅茶を作るため、比較的高い温度で抽出している。クラフティーでは、茶葉の設計としてもすっきりするように仕上げているが、よりエグみを出したくないので、比較的低温で抽出している」と、その差を説明する。

 普段、なにげなくコンビニや自販機で購入する紅茶花伝だが、こうしたこだわりによって誰もがホッとできる一杯に仕上がっている。