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リニューアルしたサントリー「天然水のビール工場」を見学してきた。サーバーからプレモルを注げる!
2024年3月25日 17:33
- 2024年4月10日 再開
サントリーは「サントリー〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野」の工場見学ツアーをリニューアルして再開する。3月25日からWeb予約が開始されており、工場見学とビール3杯までの試飲付きで1人1000円。再開に先駆けてメディア向けの体験会が開催されたのでレポートしよう。
サントリー〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野「ザ・プレミアム・モルツ」おいしさ発見ツアー
見学再開日: 2024年4月10日
価格: 1000円(20歳未満は参加無料)
所要時間: 90分間
Webサイト: サントリー〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野
VR体験が追加され、「つくり手の情熱」にフォーカス
サントリーのビール工場は全国に4か所ある。京都、群馬、熊本・阿蘇と、今回体験会が行なわれた東京・武蔵野だ。ビールの仕込水として天然水にこだわり、良質な水が得られる土地ということで選ばれたこれら4拠点のうち、東京・武蔵野は最も古く、サントリービール発祥の地として2023年には60周年を迎えたばかり。
東京・武蔵野の工場見学ツアーは2019年にもリニューアルして設備などを一新している。コロナ禍の中断を経た今回の2024年は、「ザ・プレミアム・モルツ おいしさ発見ツアー」と題し、VR体験などの新たな要素を追加するとともに、「つくり手の情熱」にフォーカスした内容が盛り込まれた。
これは、プレミアムモルツの製造におけるこだわりや、そこにかけるつくり手の情熱を理解できるほど、ザ・プレミアム・モルツの「美味しさ」をより実感してもらいやすく、ファン化につながりやすい、という分析結果によるものだという。
そうしたことからリニューアル後の工場見学ツアーは、最初につくり手の思いや姿が見えるような動画を「ビジュアルシアター」で放映するところからスタート。そこでプレミアムモルツのこだわりなどを感じ取ったあとに工場内部へと入っていく。内部ではビールの製造工程に沿って「素材選び」「仕込」「発酵」「貯酒」「ろ過」「パッケージング」の順番に見学していき、最後につくり手のパネルが並ぶ「つくり手ロード」を通過して、「ゲストホール」で試飲を楽しむ、という流れだ。
プレモルの素材から、仕込、品質管理の現場まで“体感”できる見学ツアー
工場に入って最初の「素材選び」のエリアでは、ザ・プレミアム・モルツの仕込水に使われている天然水が生まれる仕組みを模型で解説。麦芽については、ザ・プレミアム・モルツではチェコや周辺国で生産された二条大麦の「ダイヤモンド麦芽」と呼ばれるものを使っており、その実物を“試食”することもできる。味は麦そのものではあるけれど、ほんのり甘みが感じられるようだ。
さらにビールにとって重要なホップも紹介。ザ・プレミアム・モルツには、華やかな香りを実現する欧州産のファインアロマホップを100%使用している。そのホップを現地から運ぶ際にはペレット状にしており、その実物を見たり、香りを体感したりすることもできる。まさしくビールのあの香りが鼻腔を刺激する。
続いて素材の「仕込」工程へ。具体的にどのような工程で素材を仕込んでいくのかをシアタールームの動画で学んだあと、実際にビールの製造に使われている大型タンクのエリアに足を踏み入れる。天然水と麦芽を混ぜる「仕込槽」、そこでできあがった麦汁の素を煮出す「仕込釜」、麦芽の殻など不要なものを取り除く「ろ過槽」、さらにはアロマホップを2回に分けて投入し、麦汁を煮沸させて華やかな香りを引き出す「煮沸釜」などを目の当たりにすることが可能だ。
その後は「発酵」の工程へ。ここで酵母の働きによってアルコール、炭酸ガスなどが含まれる「若ビール」と呼ばれるものができあがる。次の「貯酒」工程で時間をおくことで、不純物のオリなどが底に沈んでクリアな色合いになり、最後の「ろ過」工程で酵母など不要になったものを取り除くことでビールが完成する。
この製造工程のなかでは、つくり手たちによるビールの「官能評価」というものも随時行なわれている。工場内の「官能検査室」で、その日にできあがった最終製品だけでなく、途中段階の素材なども含めて「五感」を駆使して検査し、品質の向上・管理につなげているのだとか。
見学ツアーでは官能評価の様子を直接見ることができないため、VRスコープで官能評価の現場を“覗き見”できるようにしている。スコープを持ったまま上下左右に向きを変えると、それに合わせて視野も変化する仕組みで、360度全方位を眺められる映像からは臨場感とともに現場の空気感も伝わってくる。
VR体験のあとは「パッケージング」工程で自動で缶に詰められ、梱包されてザ・プレミアム・モルツとして製品出荷していく設備を見学。そして、つくり手の姿やメッセージなどがパネルになって並ぶ「つくり手ロード」を通り、試飲会場となるゲストホールへと向かう。
ラテアートならぬ神泡アート体験、自分で注いで試飲も可
ゲストホールでは、スタンダードなザ・プレミアム・モルツのほかに、「香るエール」と「マスターズドリーム」の計3種類が用意され、そのなかから好きな3杯を試飲できる。従来は試飲時間が20分だったところ、リニューアル後は30分に延長されたので、3杯フルに試飲する場合でもゆっくり味わえるだろう。
また、試飲するビールの泡にラテアートのような絵を描ける「神泡アート」体験が楽しめるのに加え、ビールサーバーから自分の手で注げる「神泡セルフサーブ体験」も可能。帰り際には工場入口に併設されたショップに立ち寄って、ビールやおつまみ、プレモルグッズなどを購入することもできる。
工場見学60分、試飲30分でトータル90分の見学ツアーは、ザ・プレミアム・モルツの美味しさの秘密を知ることができるだけでなく、つくり手たちがどんな思いでビールに向き合っているか、といった情熱の部分までしっかり伝わってくるような内容になっている。
以前まで無料だったのが、今回から1000円の料金がかかるようになってしまったが、3杯の試飲もできることを考えればむしろ格安と言えるほど。この記事執筆時点ではツアー予約の空きにもまだ余裕がありそうなので、ぜひWebをチェックしてみてほしい。