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リニューアルしたサントリー「天然水のビール工場」を見学してきた。サーバーからプレモルを注げる!

2024年4月10日 再開

サントリー〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野「ザ・プレミアム・モルツ」おいしさ発見ツアーがスタート

 サントリーは「サントリー〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野」の工場見学ツアーをリニューアルして再開する。3月25日からWeb予約が開始されており、工場見学とビール3杯までの試飲付きで1人1000円。再開に先駆けてメディア向けの体験会が開催されたのでレポートしよう。

サントリー〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野「ザ・プレミアム・モルツ」おいしさ発見ツアー

見学再開日: 2024年4月10日
価格: 1000円(20歳未満は参加無料)
所要時間: 90分間
Webサイト: サントリー〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野

サントリー〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野

VR体験が追加され、「つくり手の情熱」にフォーカス

 サントリーのビール工場は全国に4か所ある。京都、群馬、熊本・阿蘇と、今回体験会が行なわれた東京・武蔵野だ。ビールの仕込水として天然水にこだわり、良質な水が得られる土地ということで選ばれたこれら4拠点のうち、東京・武蔵野は最も古く、サントリービール発祥の地として2023年には60周年を迎えたばかり。

サントリーのビール生産拠点は国内に4か所
東京・武蔵野でのビールづくりは1963年に始まった

 東京・武蔵野の工場見学ツアーは2019年にもリニューアルして設備などを一新している。コロナ禍の中断を経た今回の2024年は、「ザ・プレミアム・モルツ おいしさ発見ツアー」と題し、VR体験などの新たな要素を追加するとともに、「つくり手の情熱」にフォーカスした内容が盛り込まれた。

 これは、プレミアムモルツの製造におけるこだわりや、そこにかけるつくり手の情熱を理解できるほど、ザ・プレミアム・モルツの「美味しさ」をより実感してもらいやすく、ファン化につながりやすい、という分析結果によるものだという。

工場見学ツアーで「天然水へのこだわり」と「つくり手の情熱」の両方が印象付けられると、「美味しさ」をより実感してもらいやすいという調査結果
サントリー株式会社 ビールカンパニーで、サントリービールのづくり一筋30年という工場長の梅澤祐輔氏(左)と、同プレミアム戦略部 課長の中村昌平氏

 そうしたことからリニューアル後の工場見学ツアーは、最初につくり手の思いや姿が見えるような動画を「ビジュアルシアター」で放映するところからスタート。そこでプレミアムモルツのこだわりなどを感じ取ったあとに工場内部へと入っていく。内部ではビールの製造工程に沿って「素材選び」「仕込」「発酵」「貯酒」「ろ過」「パッケージング」の順番に見学していき、最後につくり手のパネルが並ぶ「つくり手ロード」を通過して、「ゲストホール」で試飲を楽しむ、という流れだ。

「ビジュアルシアター」で上映される動画でつくり手の思いを知る

プレモルの素材から、仕込、品質管理の現場まで“体感”できる見学ツアー

工場の構内

 工場に入って最初の「素材選び」のエリアでは、ザ・プレミアム・モルツの仕込水に使われている天然水が生まれる仕組みを模型で解説。麦芽については、ザ・プレミアム・モルツではチェコや周辺国で生産された二条大麦の「ダイヤモンド麦芽」と呼ばれるものを使っており、その実物を“試食”することもできる。味は麦そのものではあるけれど、ほんのり甘みが感じられるようだ。

「素材選び」のエリア
武蔵野の大地に染みこむ雨水から生まれる天然水を表現した模型
幾重もの地層を通過することできれいな天然水に
ビールの主原料の1つである麦芽
ダイヤモンド麦芽を試食できる

 さらにビールにとって重要なホップも紹介。ザ・プレミアム・モルツには、華やかな香りを実現する欧州産のファインアロマホップを100%使用している。そのホップを現地から運ぶ際にはペレット状にしており、その実物を見たり、香りを体感したりすることもできる。まさしくビールのあの香りが鼻腔を刺激する。

もう1つの重要な原料であるホップ
生産地でこのようなペレット状に加工されて工場へと運ばれる

 続いて素材の「仕込」工程へ。具体的にどのような工程で素材を仕込んでいくのかをシアタールームの動画で学んだあと、実際にビールの製造に使われている大型タンクのエリアに足を踏み入れる。天然水と麦芽を混ぜる「仕込槽」、そこでできあがった麦汁の素を煮出す「仕込釜」、麦芽の殻など不要なものを取り除く「ろ過槽」、さらにはアロマホップを2回に分けて投入し、麦汁を煮沸させて華やかな香りを引き出す「煮沸釜」などを目の当たりにすることが可能だ。

窓ガラスに映し出される仕込工程の解説動画。ガラスを隔てた向こう側にそのエリアが広がっている
最初のステップとなる仕込槽と仕込釜
麦芽の殻などを取り除くろ過槽と、麦汁受け槽
アロマホップを投入して麦汁を煮沸する煮沸釜
左にあるのが沈殿槽

 その後は「発酵」の工程へ。ここで酵母の働きによってアルコール、炭酸ガスなどが含まれる「若ビール」と呼ばれるものができあがる。次の「貯酒」工程で時間をおくことで、不純物のオリなどが底に沈んでクリアな色合いになり、最後の「ろ過」工程で酵母など不要になったものを取り除くことでビールが完成する。

「発酵」に使われる設備
発酵を進めることで「若ビール」になる
「貯酒」工程を経ることで味・香りがまろやかに
貯酒をイメージさせる貯蔵タンクを模した扉
開くと、実際に使われていた貯蔵タンクで作られたトンネルが
製造の最終工程となる「ろ過」に使われる設備。ミクロフィルターによって不要なものが取り除かれる

 この製造工程のなかでは、つくり手たちによるビールの「官能評価」というものも随時行なわれている。工場内の「官能検査室」で、その日にできあがった最終製品だけでなく、途中段階の素材なども含めて「五感」を駆使して検査し、品質の向上・管理につなげているのだとか。

 見学ツアーでは官能評価の様子を直接見ることができないため、VRスコープで官能評価の現場を“覗き見”できるようにしている。スコープを持ったまま上下左右に向きを変えると、それに合わせて視野も変化する仕組みで、360度全方位を眺められる映像からは臨場感とともに現場の空気感も伝わってくる。

日々製造していくなかでもビールの品質を確認する「官能評価」が行なわれている
「官能評価」の様子を知ることができるVRの体験スペース
VRスコープを使用する
官能評価中の社員のリアルな様子を360度の視界で把握できる

 VR体験のあとは「パッケージング」工程で自動で缶に詰められ、梱包されてザ・プレミアム・モルツとして製品出荷していく設備を見学。そして、つくり手の姿やメッセージなどがパネルになって並ぶ「つくり手ロード」を通り、試飲会場となるゲストホールへと向かう。

「パッケージング」設備
設備は稼働していないタイミングもあるため、映像でパッケージングの流れを確認できるようになっている
缶にビールが充填されていく様子
箱詰めされ、普段私たちがお店でよく見かける姿に
パッケージング設備の見学エリアの柱もプレモル
「つくり手ロード」を通過して試飲会場へ

ラテアートならぬ神泡アート体験、自分で注いで試飲も可

試飲会場の「ゲストホール」

 ゲストホールでは、スタンダードなザ・プレミアム・モルツのほかに、「香るエール」と「マスターズドリーム」の計3種類が用意され、そのなかから好きな3杯を試飲できる。従来は試飲時間が20分だったところ、リニューアル後は30分に延長されたので、3杯フルに試飲する場合でもゆっくり味わえるだろう。

ビールサーバーから直接注がれたザ・プレミアム・モルツが味わえる
試飲できるのはこの3種類。20歳未満の人はソフトドリンクを頼める

 また、試飲するビールの泡にラテアートのような絵を描ける「神泡アート」体験が楽しめるのに加え、ビールサーバーから自分の手で注げる「神泡セルフサーブ体験」も可能。帰り際には工場入口に併設されたショップに立ち寄って、ビールやおつまみ、プレモルグッズなどを購入することもできる。

「神泡アート」のプリンター。原料は粉末状の麦芽エキス
9種類のデザインから選んで泡に描ける
参加者自身の手でビールサーバーから注ぐ「神泡セルフサーブ体験」
工場併設のショップ
プレモル以外のビールも購入可能
Tシャツやタオルなどのオリジナルグッズも
床に映し出された“天然水”。上を歩くと波紋が広がる

 工場見学60分、試飲30分でトータル90分の見学ツアーは、ザ・プレミアム・モルツの美味しさの秘密を知ることができるだけでなく、つくり手たちがどんな思いでビールに向き合っているか、といった情熱の部分までしっかり伝わってくるような内容になっている。

 以前まで無料だったのが、今回から1000円の料金がかかるようになってしまったが、3杯の試飲もできることを考えればむしろ格安と言えるほど。この記事執筆時点ではツアー予約の空きにもまだ余裕がありそうなので、ぜひWebをチェックしてみてほしい。

工場入口正面に設けられたフォトスポット