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カリフォルニアワイン「ロバート・モンダヴィ」、セントラル・コーストシリーズ登場
2024年7月18日 20:10
- 2024年7月18日 取材
キリンは7月18日、カリフォルニアワインの「ロバート・モンダヴィ」に関するセミナーを都内で開催し、プライベート・セレクションの醸造責任者を務めるグレン・コーヘル氏らが同社のワインづくりについて語った。
同ワイナリーは、カリフォルニアワインの父と呼ばれる故ロバート・モンダヴィ氏がナパ・ヴァレーを拠点に設立したワイナリー。イタリア移民の血を引く同氏は、ヨーロッパのワインづくりの伝統と最新のアメリカの技術を組み合わせ、アメリカのすべての家庭で高級なワインが飲まれる状況を作り出すことを目指してワインづくりに取り組んだ。
その後、同社は2004年にコンステレーション・ブランズの傘下に入ることになるが、こうした創業者の哲学はコーヘル氏らにも受け継がれている。
現在のロバート・モンダヴィには、オリジナルの流れをくむ「ロバート・モンダヴィ・ワイナリー」と、1994年に新たに立ち上げられた「ロバート・モンダヴィ プライベート・セレクション ヴィント」の2つのポートフォリオがある。
ワインづくりを意味するヴィント(Vint)においては、各種ベーシックシリーズや、バーボン、ラム、ライといったスピリッツ樽で熟成させたスピリッツ・バレルエイジドシリーズが展開されている。
そんなヴィントのラインアップだが、新たにセントラル・コーストシリーズが追加され、カベルネ・ソーヴィニヨン(赤)とシャルドネ(白)が販売される。価格は各3720円(税別)で、8月27日に発売となる予定。
セントラル・コーストという名の通り、ナパ・ヴァレーより南のモントレーからサンタバーバラにかけての太平洋沿岸の畑のぶどうが使用されている。コーヘル氏によれば、寒暖の差が大きい産地でぶどうがゆっくりと育つことで、複雑で深みのあるフレーバーが形作られる。さらに、理想的な酸度と糖度を追求し、育てられたぶどうは夜から早朝にかけて収穫されるという。
カベルネ・ソーヴィニヨンについては、ステンレスタンクで発酵させた後、フレンチオークとアメリカンオークの樽(新樽比率40%)で8か月熟成。熟したダークチェリー、ブラックベリー、ラズベリーのような香りや、タバコのニュアンス、ソフトで上品なタンニンが感じられ、オーク樽での熟成により、バニラやナツメグ、トーストの後味にコーヒーのニュアンスが加わっている。
一方のシャルドネについては、発酵後にフレンチオーク樽(新樽比率40%)で6か月間熟成。熟したリンゴ、ピーチ、パイナップルや洋梨のコンポートのような香り、柑橘類やスイカズラの香りがもたらされ、マロラクティック発酵とオーク樽熟成により、クレーム・ブリュレやバニラビーンズのニュアンスも加えられている。
コーヘル氏曰く、いずれもスピリッツ樽熟成が行なわれているが、ワインの特徴を隠すことがないようなバランスを意識し、少しユニークさが加わったという状況を作り出すことを心がけているとのこと。
なお、同社の最新のラインアップではコルク栓が廃止され、スクリューキャップが採用されている。すべての素材をリサイクル可能にすることで環境に配慮する施策の一環だが、コーヘル氏は、スクリューキャップ化によってコルク使用時に発生していた品質の劣化や酸化といった問題が解消され、ボトル内での熟成をコントロールしやすくなったとしている。