マクドナルド、スピーディーにできたてを提供する秘密「メイド・フォー・ユー」

スピーディーにできたてを提供する秘密「Made For You（メイド・フォー・ユー）」を紹介

　マクドナルドは「ビッグマック」「マックフライポテト」「マックシェイク」をはじめとして、世界中、いつでも、どこでも同じ味を提供する「Gold Standard Quality（ゴールドスタンダードクオリティ）」のもと、商品を提供している。

　年間約14億人が来店し、年間バーガー販売個数は約13億個を誇るマクドナルド店舗で、どのように商品が提供されているのか紹介していこう。

世界中、いつでも、どこでも、同じ味を提供する「Gold Standard Quality」

生産地から店舗まで切れ目のない衛生管理を実施

日本マクドナルド株式会社 レストランフードセーフティ部 小澤尚子氏

　レストランフードセーフティ部 小澤尚子氏は、食品衛生管理について、農場、加工、物流・倉庫、店舗まで一貫した品質・食品安全の管理を行なっていると説明。

切れ目のない衛生管理を実施

　特に日本では消費者からも食品衛生について関心が高いとのことで、その背景に小学生から学校給食や掃除の時間から自然と衛生管理を学ぶことを挙げた。

小学生から自然と衛生管理を学ぶ機会がある

　マクドナルドのクルー（パートアルバイト）は約20万人在籍しており、性別や国籍も異なる。さまざまな衛生意識があるなかで“誰が作っても安全で美味しい商品が作れる”マニュアルを制定。

　また、手洗いや保管方法、原材料の温度チェックなどの衛生管理手法、グリルの清掃といった機器のメンテナンスなど衛生管理手法「HACCP（ハサップ）」に沿った食品管理システムを導入しているほか、2020年からデジタルを活用したフードセーフティに取り組み、食中毒の発生件数はゼロだという。

多くの人に安全で美味しい商品を提供するためマニュアルやHACCPに沿った食品管理システムを導入

注文を受けてからスピーディーに商品を提供し、フードロス削減にも貢献する「Made For You（メイド・フォー・ユー）」

日本マクドナルド株式会社 オペレーション展開部 松吉美穂氏

　オペレーション展開部の松吉美穂氏は、温かくて美味しいできたての商品をスピーディーに提供するマクドナルドが開発したバーガー類を作るシステム「Made For You（メイド・フォー・ユー）」を説明。

Made For Youシステム

　これを最大化するには商品を注文するレジ、ドライブスルー、モバイルオーダーのサービスエリアと、商品を作るキッチンエリアのそれぞれの仕事量が釣り合っていることがポイント。クルーの配置やスキルを見極めてバランスよく配置することがマネージャーの重要な役割と述べた。

サービスエリアとキッチンエリアで仕事量のバランスを保つことが重要

「Made For You」のメリットは3つあり、1つ目は温かくて美味しい商品の提供ができること、2つ目は食品の廃棄が減ること、3つ目は顧客ニーズに対応できることという。

　以前のシステムでは需要予測が難しく、売れなかった商品は廃棄していたが「Made For You」は受注製造のため、基本的に廃棄が発生しにくくなった。結果、約43％のフードロス削減を実現した。

　顧客ニーズの対応へは、新規原材料を簡単にセットできるため、期間限定などの新メニューの追加が簡単になった。また、オーダーごとのカスタマイズにも対応でき「ピクルスが嫌いなので入れないでほしい」といったカスタマイズにもスピーディーに対応できる。

　さらに、モバイルオーダーやデリバリーなどオーダーチャネルの多様化に対応し、従来の製造ラインが2ラインだったところ、新製造ラインは4ラインに増やし、製造ラインを確保。

　松吉氏は、今後も時代に合わせてシステムを進化させていくと展望を述べた。