インタビュー

マクドナルド公式アプリはこんなに便利! 一度使うと戻れない「モバイルオーダー」

日本マクドナルド マーケティング本部 ナショナルマーケティング部 伊藤直美氏

 マクドナルド公式アプリには、新商品やクーポン情報発信のほか「モバイルオーダー」「マックデリバリー」など便利なサービスが詰め込まれている。

 一度体験した人はその便利さに、「通常注文へはもう戻れない」との声もあがるが、まだ知らない人も少なくないという。今回、日本マクドナルド マーケティング本部 ナショナルマーケティング部の伊藤直美氏に便利な機能やうれしいポイント、現状の課題について伺った。

――まず、マクドナルド公式アプリではどんなことができるか教えてください。

伊藤氏:マクドナルド公式アプリでは新商品やクーポン情報の発信のほか、「マックデリバリー」、アプリ上で注文から決済まで行なう「モバイルオーダー」など、さまざまな機能があります。「モバイルオーダー」の中でも受け取り方はいくつかあり、店舗カウンターかドライブスルーでの受け取りだけでなく、スマホで注文・決済後に店舗の駐車場で受け取れる「パーク&ゴー」や「テーブルサービス」(テーブルにスタッフがお届け)も提供しています。

 そのほか、ARコンテンツやモバイルオーダー専用で使えるスタンプカードなど、さまざまな「fun(楽しい)」体験ができる機能をそなえています。モバイルオーダーを通じてドナルド・マクドナルド・ハウスへ募金ができるチャリティー支援も行なっています(クレジットカード支払いのみ)。

マクドナルド公式アプリ(イメージ)
クーポン情報を配信

店舗カウンターでの受け取りのほか、テーブルまで届けてくれる「テーブルサービス」や駐車場の車まで届けてくれる「パーク&ゴー」も

さまざまな機能をそなえるマクドナルド公式アプリ

――マクドナルド公式アプリにモバイルオーダーを搭載したねらいは?

伊藤氏:2つあります。1つめは注文時にゆっくりと時間をかけてお好きな商品を選んでいただきたいという想いからです。店頭での注文時、後ろにたくさん人が並んでいると焦ってしまうとの声が多数ありました。焦って慌ててしまい「本当は期間限定商品を選びたかったのに、ついいつものビッグマック! と頼んでしまう」など、ご経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。モバイルオーダーでは事前にゆっくり画像を見ながら選ぶことができます。

 2つめは利便性の向上です。事前に注文と決済まで行なうことができますので、注文の列に並ぶストレスが解消されます。実は2019年1月に公式アプリとは別にモバイルオーダーのアプリを全国へ導入開始したのですが、お客さまの利便性をさらに向上させるために、2020年3月に現在の公式アプリに統合しました。

ゆっくりと画像を見ながら注文できる
テイクアウト・店内飲食に応じて受け取り方をアプリ上で選べる
デリバリーの場合も配達情報をアプリで確認できる

――モバイルオーダーはどんな人が利用していますか?

伊藤氏:ご利用くださるお客さまはファミリーから、スマホ1つで身軽に利用できるキャッシュレス決済を好む方などさまざまです。一度体験した方がリピートして利用くださっている傾向があるようです。

 例えば小さなお子さまを連れたファミリーのお客さまの場合、多くの人でにぎわう休日のランチタイムは、長蛇の列に並んで「どれにする?」とお子さまとコミュニケーションを取りながら注文して、混みあった店内の中で空いている席を探して……と従来は大変でした。私にも小さな子供がいるのですが、「やっぱりこっちにする!」と言われて慌てたり、飽きてしまうとパーッとどこかへ駆け出して行ってしまったり。

 今はモバイルオーダーを利用することで、テーブルでゆっくりとお子さまと画像を見ながらお好きな商品を選べます。そして「テーブルサービス」を利用することで、テーブルまで商品を持ってきてもらえます。テイクアウトでも事前に注文を済ませて代表の1人が取りに行くといったこともできます。

 またスマホ1つで身軽にお出かけした際や現金を持っていなくてもマクドナルドをご利用いただくことができます。

注文して座席番号を入力すると、待っているだけでテーブルまで商品を持ってきてくれる「テーブルサービス」

一度体験した人がリピートして利用する傾向があるという

――モバイルオーダーのサービスの提供にあたり、どのような課題がありますか?

伊藤氏:公式アプリに統合された経緯から、認知度を高めることが課題です。便利なテーブルサービスもまだ知らない人が多く、ルパン三世を起用したコミュニケーションを展開したり、デジタル広告やバナーも設置したりしています。一度試してもらって便利さを体験いただければ、その後も利用してくださる傾向があるので、便利なサービスがあることを知ってもらうこと、体験のきっかけづくりがもっと努力すべきところです。

 店頭で荷物の多いお客さまに、クルーからモバイルオーダーの案内をさせていただくこともあります。

認知度を高めることが課題という

――全然関係ないですが、なぜルパン三世を起用したのですか?

伊藤氏:みんなが好きでかつ知っているキャラクターだからです。アニメキャラですがお子さまだけではなく、大人からも好印象。ちょっと遊び心もあり、ルパンだけではなく、次元大介や石川五ェ門などキャラクターに合った内容のCMを展開できることも魅力でした。

――ポイントを貯めたいからモバイルオーダーを使わない人もいるようですが……

伊藤氏:「d払い」「楽天ペイ」でお支払いいただけると「dポイント」「楽天ポイント」が付与されます。付与率は原則店頭レジと同じです。各種支払い方法でのキャンペーンも行なっており、2月21日まではd払いキャンペーン、2月22日~3月14日はau Payキャンペーンを実施します(2月14日時点)。キャッシュレス決済でのお得なキャンペーンを展開していることの認知を広げていくことも課題です。

利用可能な支払い方法

――カスタマイズにはどれだけ対応しているのでしょうか?

伊藤氏:「抜く」カスタマイズに対応しています。お子さまや健康上の理由、好みなどから、店頭でも要望が多かったケチャップ、マスタード、オニオン、ピクルス、ソース、トマト、チーズを抜くことができます。ケチャップ多めなどといった「増やす」場合は店頭の注文カウンターでご案内しています。いずれにしても、お客さまに美味しく食べていただきたいとの想いです。

――ちなみにドライブスルーの渋滞の解決策はありませんか?

伊藤氏:モバイルオーダーのみで解決されるものではないと思っています。店舗の導線やクルーの数、配置が適切かどうかなど、日々社内でアップデートをしています。特に渋滞する週末のランチタイムには、クルーを多く配置してご提供を早める工夫や厨房の製造能力を高める機器を導入するなど対応を行なっています。そのほか、ドライブスルーのレーンを増やし、モバイルオーダー専用の受け取るだけのレーン「ファストトラックレーン」を導入するなど改善の努力を続けています。

 クルーの適正人数の検証、オペレーションの簡易化や、クルーのトレーニングなど該当する部署がそれぞれ力を合わせて、お客さまに快適な体験をしていただけるように努力しています。

――なるほど。今後にも期待しています。本日はお忙しいなか、ありがとうございました。