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サッポロ、安曇野と北斗で作られるプレミアム日本ワイン「グランポレール」新商品試飲体験会

2024年10月9日 開催

グランポレール新商品試飲体験会

 サッポロビールは、日本ワイン「グランポレール」新商品の試飲体験会を開催した。

 グランポレールは「想いをつなぐ日本ワイン」をコンセプトに2003年に誕生したプレミアムシリーズ。フランス語で「偉大な」を意味する「グラン」と「北極星」を意味する「ポレール」から名付けられており、サッポロビールがぶどうづくりから醸造まで手掛けていることが特徴となっている。

 試飲体験会ではまずサッポロビール マーケティング本部 ワイン&スピリッツ事業部 部長 佐々木悟大氏があいさつを行ない、次に同グランポレール ブランドマネージャー 春日陽佑氏がグランポレールブランドの現状について説明した。

サッポロビール株式会社 マーケティング本部 ワイン&スピリッツ事業部 部長 佐々木悟大氏
サッポロビール株式会社 マーケティング本部 ワイン&スピリッツ事業部 グランポレール ブランドマネージャー 春日陽佑氏

 グランポレールは3年連続で売り上げが拡大しており、特に2024年は9月累計の時点で前年比114%を達成。非常に好調な推移となっている。

2024年は9月の時点で昨年比114%の売り上げを達成

 サッポロビールは1974年からワイン事業を開始。グランポレールは2003年に発売し今年で21年目を迎えている。また、今回の新商品に使っているぶどうを生産する安曇野池田ヴィンヤードは2009年開園、北海道北斗ヴィンヤードは2018年に開園している。

グランポレールの歴史

 グランポレールは3シリーズに分かれており、「シングルヴィンヤードシリーズ」を自社畑・指定畑の単一畑から作った最高峰ワインに位置付けている。その下が産地×品種×生産者の個性を前面に出した「キャラクターシリーズ」、一番下が日本ワインの魅力をカジュアルに楽しめる「ブレンドシリーズ」となっている。

グランポレール ポートフォリオ

 産地と品種の個性・ポテンシャルを活かしたワイン造りで国内外問わず高い評価を獲得しており、SAKURAワインアワード2024では「エスプリ・ド・ヴァン・ジャポネ 泉-SEN-2021」が最高賞のダイヤモンドトロフィーを獲得。IWSC 2024では「安曇野池田シラー 2018」が最高賞の金賞を獲得している。

 また、9月25日には新商品4種を数量限定で発売している。

サッポロビール「グランポレール シングルヴィンヤードシリーズ」新商品

・「グランポレール 安曇野池田シャルドネ ブラン・ド・ブラン<トラディショナル・メソッド>2020」(スパークリング 9500円前後)
・「グランポレール 安曇野池田ソーヴィニヨン・ブラン<薫るヴェール>2023」(白 7300円前後)
・「グランポレール 北斗シャルドネ2023」(白 4880円前後)
・「グランポレール 北斗メルロー2022」(赤 4880円前後)

「グランポレール 安曇野池田シャルドネ ブラン・ド・ブラン<トラディショナル・メソッド>2020」(9500円前後)
「グランポレール 安曇野池田ソーヴィニヨン・ブラン<薫るヴェール>2023」(7300円前後)
「グランポレール 北斗シャルドネ2023」(4880円前後)
「グランポレール 北斗メルロー2022」(4880円前後)

 続いて今年サッポロビール グランポレールの新・チーフワインメーカーに就任した多田淳氏と、約20年にわたりグランポレールのチーフワインメーカーを務め、今年シニアワインメーカーに就任した工藤雅義氏が登場。新商品を解説した。

サッポロビール株式会社 グランポレール チーフワインメーカー 多田淳氏
サッポロビール株式会社 グランポレール シニアワインメーカー 工藤雅義氏

 安曇野池田ヴィンヤード長野県に位置するは高品質なフランス系品種の栽培を手掛ける自社畑で、標高560~630mに位置し面積は12.4ha。風通しがよく標高が高い影響で昼夜の寒暖差が大きい。また、礫が多い傾斜地なので水はけがよく土がやせているのも特徴となっている。これらの特徴からできるぶどうは非常に小粒で香りがあるポテンシャルが高いものがとれる。

長野安曇野池田ヴィンヤード

 もともとは桑畑で1枚の畑としては大きく、造成してなだらかに傾斜を付けたやせた土地。ここに必要な養分だけを徐々に入れていってぶどうを栽培するうえで養分と土地のバランスがよい状態に仕上げている。

 安曇野池田ヴィンヤード初の瓶内二次発酵スパークリングワイン「グランポレール 安曇野池田シャルドネ ブラン・ド・ブラン<トラディショナル・メソッド>2020」は、去年出したものがまだ中味が若い印象があったためさらにビンの中で1年寝かせたもの。

 ビンの中の酵母がまだ残っている状態で熟成を進めると酵母が分解され、これに接触したことにより出てくるバター系の香りがシャルドネによく合うということから1年熟成させたという。また、安曇野池田産ぶどうは酸がしっかり残ってくれる特徴があり、瓶内二次発酵でこれを活かす意図があった。

 白ワイン「グランポレール 安曇野池田ソーヴィニヨン・ブラン<薫るヴェール>2023」は、2020年にボルドー大学から戻った多田氏が安曇野池田の畑に合う新しいエッセンスや技術を持ち込み、翌年には醸造も見直したことにより、納得いく香りを作ることができたため<薫るヴェール>の名前が付いた。

 2022年には一部樽を使うこともあったがこの香りには樽は控えた方がよいという結論になり、2023年では使っていない。

 北海道北斗ヴィンヤードは海が一望できる北斗市のトラピスト修道院の土地を借りて運営している。標高は50~120m、面積は25.4ha、大きな傾斜がある南東向きの畑で、2018年に運営を開始した比較的新しいものなっている。主にメルローとシャルドネを栽培しており、非常に小粒のぶどうがとれる。

北海道北斗ヴィンヤードヴィンヤード

 栽培5年目にしてシャルドネらしい豊かな香りが出てきており、想定以上にこの土地がワイン用のぶどうを作るのに非常に適していることが分かった。

 日本ワインコンクール2024で金賞を獲得した白ワイン「グランポレール 北斗シャルドネ2023」は北海道北斗ヴィンヤードのセカンドヴィンテージで、華やかでフレッシュなシャルドネになっている。

 こちらも1年目は樽を使っていたが、この香りには樽なしの方がいいということになり2年目からは使っていない。決して樽を使わないということではなく、ぶどうの成長に合わせて作り方を変えていきたいという。

 北斗ヴィンヤード初の赤ワイン「グランポレール 北斗メルロー2022」は、緻密なタンニンと奥行きがある味わいが合わさったバランスのよい仕上がりで、香りをストレートに出すために古樽を使うなどして樽の影響を減らしているとのこと。

 記者も新商品4種を試飲してみた。「グランポレール 安曇野池田シャルドネ ブラン・ド・ブラン<トラディショナル・メソッド>2020」は、さわやかな香りで果実の甘味と香りがあり、しっかりとした味わいが印象的。

「グランポレール 安曇野池田ソーヴィニヨン・ブラン<薫るヴェール>2023」は、名前のとおり柑橘のような強い香りが特徴的で、酸味と苦味が合わさった濃厚な味わいだった。

「グランポレール 北斗シャルドネ2023」は、やさしいマイルドな香りかつ甘さがありながら酸味のさわやかさが印象的な1本。

「グランポレール 北斗メルロー2022」は、華やかな香りが特に印象的で、タンニンの渋味が酸と合わさってすっきりとした味わいに仕上がっている。

「グランポレール 安曇野池田シャルドネ ブラン・ド・ブラン<トラディショナル・メソッド>2020」(左)/「グランポレール 安曇野池田ソーヴィニヨン・ブラン<薫るヴェール>2023」(右)
「グランポレール 北斗メルロー2022」

 サッポロビールではどこのものでもない日本ならではのワインを作るのを目標としており、またビール会社の強みを活かしてビールが流通する「オンビア市場」に向けてワインも合わせて提案していく取り組みを進めているという。

グランポレール新商品試飲体験会