インタビュー

主食で1食に必要な33種類の栄養素が摂れる“完全栄養食”の「ベースフード」

べースフード株式会社 マーケティング担当 鯉沼花帆氏

 1食分で1日に必要な栄養素の1/3が摂れる「完全栄養食」の開発・販売を行なうベースフード。年末年始の食べ過ぎを経て、新年に「今年こそはダイエットを成功させるぞ!」「健康を意識しよう」と抱負を立てた人も多いのではないだろうか。そんな皆さん、1か月経って進捗はいかがだろうか。

 または、忙しいながらもなるべく体によいものを摂り入れたい、さらに効率よく栄養素を摂りたいと思っている人も少なくないだろう。

 今回、べースフード マーケティング担当の鯉沼花帆氏にサービス提供のきっかけや想い、実際にどんな人が食べてどうなっているのかなどを聞いてみた。

そもそも「完全栄養食」とは?

 一般に、厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」を基に1食で1日に必要な栄養素の1/3を摂れる食品を指す。ベースフードが展開する商品も同様に設計されている。

BASE BREAD プレーンの栄養素

 ユニークなのは「主食」を中心に商品を展開しているところだ。ベースフードの商品ラインアップは「パスタ」2種、「ブレッド(パン)」6種、「クッキー」5種、「冷凍パスタ」1種の合計14品(2023年2月9日時点)。1番人気のメニューは「BASE BREAD チョコレート」。そのまま食べても美味しく完全性が高いことが人気の理由と考えているとのこと。

べースフードシリーズ各種商品
BASE FOOD(ベースブレッド)
BASE PASTA(ベースパスタ)
2月8日に発売した「BASE PASTA ボロネーゼ」

 2016年に創業し、最初の商品である完全栄養食パスタを発売したのは2017年。「主食をイノベーションし、健康を当たり前に」とのミッションを掲げて開始した。その後、ブレッド、クッキー、冷凍パスタと展開してきた。主食である炭水化物は糖質が基本になるが、全粒粉や昆布、大豆など栄養豊富な自然由来の材料を使っているため、糖質以外のさまざまな栄養素も摂れる。

原材料イメージ

 主食にこだわって開発をしている理由は「食べる頻度が多い」からだと言う。頻度が多いものは例えばお菓子を控えることよりも、生活に与える影響が大きい。朝ごはんにブレッドを、夜ごはんにパスタと主食に取り入れることで健康に大きな影響を与えることができると考えているという。

「そもそも一汁三菜を摂るの難しくない?」から、主食であれば生活に取り入れやすくかつ長く続けやすい。さらに外食時に1食に必要な33種類の栄養素をそろえることもハードルが高い。また自分にどういう栄養素が足りておらず、何を摂ったらよいかを認識している人もあまり多くないのでは。ベースフードには33種類をすべてバランスよく満たせるので、計算をせずに済むメリットもある。

食べ続けても飽きない工夫も!

 ベースフードが提案するのは1か月20食ほどの頻度。大体学校給食と同じ位だ。完全栄養食だからと言って、栄養素が摂れていれば無機質な食事でも問題ないとの考え方はしていないという。食事を楽しみながら簡単に健康になってほしいとの想いがあり、商品数を増やすほかもっと美味しい味の改良、アレンジも提案している。

 またアレンジをすることも折り込み済みで、日本人が摂りすぎになりがちな糖質や塩分はあえて少なめに設計している。ベースフードのユーザーコミュニティ「BASE FOOD Labo(ベースフードラボ)」も用意しており、日々、美味しい食べ方や季節のアレンジなどがシェアされている。展開商品が主食であることから、主食にプラスオンをしたアレンジが多いとのことだ。

BASE FOOD Labo(ベースフードラボ)Webサイトより

 とはいえ、鯉沼氏によると「もっと美味しくしていくこと、商品数を増やすこと」が大きなポイントとなる。現状は健康志向やダイエット、筋トレに興味がある人がユーザーの中心だが、それ以外の人にも広く手に取ってもらいやすくするために工夫するという。

 主食以外には「ベースクッキー」も用意している。主食の軸を持ちながらもお菓子として取り入れやすく、簡単に栄養バランスを整えてみないか? と提案する商品だ。今後は「簡単」「美味しい」「体によい」の3つを両立するコンセプトで、価格を抑えて手に入れやすい販路の拡大も目指していると展望を示した。

BASE Cookies(ベースクッキー)

 現在の販路はオンラインではベースフード公式オンラインショップ、ECモールサイト(Amazon、楽天、Yahoo!ショッピング)、小売店ではコンビニやドラッグストアが中心。中長期的にはどこでも手に入るように販路を拡大していきたいという。

健康を当たり前に

 現時点ではビジネスパーソンや共働き夫婦で料理をする時間のない「忙しい人」「時間に追われている人」などを中心に利用されているという。料理を作る時間は多く取れないが健康は満たしたいジレンマを満たす。

 また高たんぱく質で食物繊維も豊富なため、積極的にたんぱく質を摂取したい筋トレをしている人やダイエット中の人、健康診断の数値が引っかかって健康を意識し始めた人なども利用者に多いという。年齢も20~50代と幅広く性別の偏りもないとのこと。

 同社が実施したユーザーアンケートからの回答で、感じている効果として「ダイエット効果があるから食べている」が約30%、「健康に効果ががあるから食べている」が約40%、「タイパ(タイムパフォーマンス)目的」が約70%だという。

 最終的にはどこでも買えて、誰でも食べられて「健康が当たり前」を実現していきたいとしている。