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キリンビール、スプリングバレーの白ビール「シルクエール」発売。無料試飲会も開催でシルキーな味わいを一足先に体験
2022年8月24日 17:00
- 2022年9月10日~11日 開催
- 2022年9月13日 発売
キリンビールは9月13日より、クラフトビールブランド「スプリングバレー」の第2弾「SPRING VALLEY シルクエール<白>」の一般販売を全国で開始する。「SPRING VALLEY 豊潤<496>」に続く新作で、価格は350mL缶が248円前後、500mL缶が330円前後。9月15日にはキリン ホームタップ用の1Lペットボトルも発売するほか、8月8日から先行して販売開始しているスプリングバレーブルワリー直営店や、全国のTap Marché対応店舗でも楽しめる。
これにあわせ9月10日~11日には、新商品を含むスプリングバレーの一般向け試飲会も開催する。東京・代官山の「スプリングバレーブルワリー 東京」で実施され、2商品の試飲ができるだけでなく、それぞれにマッチする料理とのペアリングを通じて新たなビールの楽しみ方も発見できる。
予約不要で2商品+料理4品を試せる500円の「スタンダードコース」と、要事前予約で2商品+料理6品を試すことができ、担当者からの解説もある無料の「プレミアムコース」を用意。予約はWebサイトで受け付けている。本稿では、「プレミアムコース」とほぼ同内容の事前試飲会に参加してきたのでレポートする。
希少ホップを使用し、上質でまろやかな口当たり
新発売となる「SPRING VALLEY シルクエール<白>」は、スプリングバレーシリーズ第2弾となる「白ビール」。ニュージーランド産の希少ホップ「ネルソンソーヴィンホップ」を一部使用し柑橘系の香りを漂わせつつ、トウモロコシを配合したことでわずかに甘味も感じるようなテイストとした。そのうえで無濾過仕上げとし、「ふわとろの泡」にもこだわることで「シルクのような上質でまろやかな口当たり」となっている。
担当者によると、日本人にとってまだめずらしいとされる白ビールではあるものの、直営店で白ビールが一番人気の「豊潤」に続いて好評だったことなどから、同社の技術・知見を活かした新たなクラフトビールとして販売するに至ったとのこと。宅飲み需要の増加などもあり、近年人気が高まっているクラフトビールだが、キリンの担当者によると「クセや個性が強そう」という思い込みから日本では「クラフトビール未体験の方がまだ多い」。そうした人たちに向けて、このスプリングバレーを「クラフトビールの入口になるような商品」にすることを狙っている。
グラスや注ぎ方の違い、温度による変化も楽しめる
そういったスプリングバレーや新商品の特徴・狙い、あるいは歴史などの解説を担当者から受けつつも、試飲会の肝となるのは、スプリングバレーブルワリーのブランドアンバサダーである中水和弘氏による、クラフトビールをより深く楽しむための「講義」。「豊潤」や「シルクエール」の開発におけるこだわりを熱っぽく語るとともに、クラフトビールを楽しむときにはまず「グラスの選び方」にこだわってほしいと話す。
たとえば「ステム」と呼ばれる脚付きのグラスとステムのないグラス、あるいはグラス自体の形、厚み、飲み口の大きさによって、同じビールでも味わいや香りが変わってくるという。ステム付きの場合は、その部分を指先でつまむように持ち上げることから、手の温度が中のビールに伝わりにくいため、冷たいまま飲むことができる。もちろんグラスの厚みによって室温の影響の受けやすさも変わってくる。
飲み口が大きい、もしくは丸みのあるグラスは香りを感じやすく、ストレート体型のグラスだと味わいを感じるのにも向いている。キンキンに冷えたビールを長く維持したいのであればステム付きを、ゴクゴク飲みたいならストレートなグラスを、香り豊かなIPAなどのビールをゆっくり堪能したいなら丸みのあるグラスを、というように、ビールの種類やそのときの気分によってグラスを使い分けるのも一興だ。
スプリングバレーでいえば今回の「シルクエール」は、香りを感じつつも冷たさをある程度保ったまま飲める丸みのあるステム付きのグラスがおすすめ。「豊潤」はまさに芳醇な香りをダイレクトに感じながら、温度による味わいの変化を楽しめる飲み口の広いストレートなグラスがおすすめとのこと。試飲会でもその組み合わせで「シルクエール」と「豊潤」の両方を飲み比べられる。
さらに、ビールの注ぎ方や扱い方にもこだわってほしいとし、「シルクエール」はあえてビールでは「禁忌」とされる、ワインで香りを引き出すときのようにして泡立たせる「スワリング」をしてみるように促す。これによって「シルクエール」で使われている「ネルソンソーヴィンホップ」の柑橘系のフレッシュな香りをより引き立たせることができ、炭酸がある程度抜けることで「柔らかい味わいになる」のだとか。
一方の「豊潤」では、最初は静かに注いだあと、下から持ち上げるようにして注いで泡をしっかり作る「二度注ぎ」を提案。こうすることで、表面の大きな泡でビールの余分な苦味・雑味が飛び、ちょうどいい苦味とコクが得られるという。ビールの液体部分だけでなく、泡にも「麦の旨味、ハーバル感で、しっかり味があることが感じられる」ことが分かると中水氏。
6品の料理とのペアリングで、さらなるビールの奥深さを知る
こうしてビール自体の飲み方について知ったあとは、これら2商品に合う料理との「ペアリング」の妙を体験する。用意されたのは「サーモンムニエル」「ハラミステーキ」「ブラウンマサラカレー」「バターチキンカレー」「レモンケーキ」「みたらし団子」の6品(「スタンダードコース」ではカレー2品が省かれる)で、それぞれ2種類のビールとは「色や風味で合わせる」のが基本。が、それとは反対の合わせ方でペアリングする「冒険」をしてみるのも楽しみ方の一つだとする。
したがって、どのペアリングが「正解」ということはない。中水氏いわく「自分の好み、感じ方を確かめるのがペアリングの楽しさ」であり、たとえばハラミステーキと「豊潤」のペアリングがマッチしていると感じる人もいれば、「シルクエール」とペアリングして味わいが変化する面白さを感じるのもいい。
今回の試飲会ではハラミステーキは「豊潤」とのペアリングがおすすめされていたが、筆者の場合、ステーキに添えられていたアルゼンチン生まれの「チミチュリソース」という香草・ガーリック・ワインビネガーなどを合わせた独特のソースには、「シルクエール」の方がしっくりくるようだった。みたらし団子やレモンケーキにビールをペアリングする意外に思える取り合わせも、こってりした甘味と爽やかな酸味がスプリングバレーの個性ある苦味・旨味によって引き立てられ、ビールの新たな可能性を感じてしまう。
このようにビールと料理にじっくり向き合える「プレミアムコース」は、1時間程度のプログラムとはいえ、およそ無料で提供されるものとは思えない贅沢な体験だ。もし予約が取れなかったとしても、500円という破格値でスプリングバレー2種と料理4品を試せる「スタンダードコース」にはぜひ参加してみてほしい。