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キリンビール、スプリングバレーから白ビール「SPRING VALLEY シルクエール<白>」発売。飲む瞬間に華やかで心地よい香りが広がる
2022年8月2日 16:29
- 2022年8月2日 開催
キリンビールは、クラフトビールブランドである「SPRING VALLEY (スプリングバレー)」から「SPRING VALLEY シルクエール<白>」の缶商品を9月13日に発売するにあたり、クラフトビール事業戦略・新商品発表会を開催した。
「SPRING VALLEY シルクエール<白>」は小麦麦芽を使った“白ビール”で、大麦麦芽主体の一般的なピルスナータイプのビールの味わいとも大きく異なる。ビールにあまり馴染みのない人にもクラフトビールを手に取ってもらいたいとの思いから生まれ、飲みやすいクラフトビールに仕上げている。
価格は350mL缶が248円前後、500mL缶が330円前後(いずれも税別)。
なお、発売に先行し8月8日から「Tap Marché(タップ・マルシェ)」(3Lペットボトル)、「スプリングバレーブルワリー」直営店(15L樽)でも提供を開始する。
クラフトビール市場について
キリンビール 事業創造部部長の佐藤勇氏によると、クラフトビールには明確な定義はなく、キリンビールでは「美味しさにこだわった造り手の感性と創造性が楽しめるビール」としていると説明。
世界には150を超えるビアスタイルがあるなかで、日本のビールは99%がピルスナータイプで、その美味しさの選択幅には無限の可能性があるという。
そして、コロナ禍で家での食事やお酒の時間を豊かにしてくれるものへの消費者の期待が高まっており、クラフトビールの間口・販売金額が共に大きく伸長。「高くても美味しいものが飲みたい」との意向もあり、クラフトビールは日常の食卓を豊かにできるカテゴリーであり、さらなるチャンスと捉えているという。
元々、クラフトビールはアメリカで始まり、人の多様性から多様なビール造りがされた歴史がある。1960年代半ばくらいから約30年でアメリカのビール市場の1%を獲得し、今日では販売金額ベースで2割を超えるという。
日本では、1994年の酒税法改正でビール製造が緩和されたのが推進力となり、小規模で多様なビール造りが可能に。これがクラフトビール(当時の“地ビール”)の誕生へつながった。
日本での2021年のクラフトビール市場は急拡大し、ビール類市場における市場構成比は初めて1%を突破し約1.5%に成長した。さらに、日本のクラフトブルワリー数も500か所と増加傾向にあり、47都道府県に存在している。
また、世界的なビールのコンペティション「ワールドビアカップ」で日本のクラフトブルワリーは数々の賞を受賞し、世界にも日本のクラフトビールが認められている。
そんななかで、佐藤氏は「10人飲んだら10人、100人飲んだら100人に美味しいといわれるビールを作りたい」と力強く語った。
「すべてのチャネルでブランドを育てていく」キリンビールのクラフトビール戦略
次に、同氏はクラフトビールの持続的成長を実現に向けた戦略として、強固なブランド体系の構築と高付加価値ブランド・サービスといった新たな成長エンジンの育成を挙げた。
キリンビールでは、2011年にクラフトビールの構想を開始し、直営店のオープンなど消費者との接点拡大によるファン層の獲得、飲食店での取扱いを経て、2021年は家庭用での取り組みを本格的に開始し、缶のクラフトビールである「スプリングバレー 豊潤<496>」を発売した。
家庭用ビールサーバー「キリン ホームタップ」の利用者も10万人を突破し、利用者アンケートによると50%がクラフトビールを飲む機会が増え、それ以上の人が缶の「スプリングバレー 豊潤<496>」を購入していると回答したとのこと。
今後の展望として、すべてのチャネルで「スプリングバレー」ブランドを育て、消費者の飲用接点を増やし、より身近にクラフトビールを楽しめるようにしたい。ビール類市場の魅力化・クラフトビール市場の活性化を大きく進めると語った。
また、「スプリングバレー 豊潤<496>」の成果について、2021年のクラフトビール市場は約1.6倍に伸長し、増分の約8割を同商品が占め、市場拡大をけん引したという。さらに、国内外の複数のビアコンペティションでは、109のメダルを獲得するなど高い評価を受けている。
今後の市場拡大のために、すべてのチャネルで「スプリングバレー」ブランドを育て、消費者の飲用接点を増やし、より身近にクラフトビールを楽しめるようにしたい。ビール類市場の魅力化・クラフトビール市場の活性化を大きく進めると語り、クラフトビールや「スプリングバレー」の接点・認知拡大を行ないビールをあまり飲まないライト・ノンユーザーを獲得していくとしている。
新商品「SPRING VALLEY シルクエール<白>」発売
ビールにあまり馴染みのない人にも広くクラフトビールを手に取ってもらうため、スプリングバレーブランドから飲みやすい“白ビール”「SPRING VALLEY シルクエール<白>」を9月13日に発売する。
販売数量は約50万ケースを計画しており、スプリングバレーブランド合計で約210万ケース、2027年のビール類市場におけるクラフトビール市場構成比を4%超を目指すとしている。
キリンビール マスターブリュワーの田山智広氏によると、一般的に白ビールは、原料に小麦や小麦麦芽を多く使用するのが特徴という。
一般ビールは大麦麦芽を使うが、白ビールに使う小麦は穀皮がないためすっきりしたタイプのビールに仕上がり、麦の主張が強くなく、ホップの特徴が出やすく原材料が活かされるという。また、小麦はたんぱく質を多く含むためクリーミーな綺麗な泡となる。
特に注いだ瞬間の外観にこだわったとのことで、淡い液色で無濾過由来の濁りのあるものに仕上げた。ホップはニュージーランド産の「ネルソンソーヴィンホップ」を一部使用し、飲む瞬間に華やかで心地よい香りが広がる。
「スプリングバレー 豊潤<496>」がしっかりした味わいで、肉や揚げ物、タレ・ソースなど濃い味付けの料理とのペアリングがおすすめなのに対し、シルクエール<白>は飲みやすく、魚や野菜、塩・レモンといったあっさりした味付けの料理と合うという。
パッケージも豊潤<496>は赤、シルクエール<白>は白にしており、赤・白ワインを意識した。
また、グラスと注ぎ方についても、豊潤<496>はグラスを冷やして注ぐのをすすめているのに対し、シルクエール<白>は、グラスは常温の水ですすぐ程度で冷さずゴブレット型のグラスがおすすめという。グラスがあまり冷えていないほうが香りが立ち、ゴブレット型のグラスの空寸を半分残してワインを飲むときのようにクルクル回してスワリングすると、香りが空寸に閉じ込められて楽しめるとのこと。
また、今後も「スプリングバレー」は白ビールをはじめ、さまざまな新しいビールの美味しさを生み出し、日常をもっと豊かにしていくことに貢献するとしている。