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ネスカフェ、ブランドコンセプトを「Make your world」に刷新

パッケージには“アクサン”マークを大胆にデザイン

2023年8月3日 発表

ネスカフェの新しいパッケージデザイン

 ネスレ日本は8月3日、「ネスカフェ」ブランドの新コンセプト“Make your world”の日本で展開していくことを発表した。発表に際し、報道関係者向けのラウンドテーブルが開催され、背景が説明された。

 マーケティング&コミュニケーションズ本部 コーポレートアフェアーズ統括部の山口恵佑氏は、近年は世界的に気候変動が大きな問題となり、2050年までにコーヒーの生産に適した地域が最大で50%減少する“コーヒーの2050年問題”が現実味を帯びてきているほか、コーヒー生産世帯の80%が貧困ライン以下で生活していると推定されることから、コーヒーを長期的に持続可能な形で提供していくための行動が求められていると指摘。

 そこで、同社では「ネスカフェ プラン2030」を掲げ、2025年までに100%責任ある調達を行なうとともに、再生農業を通じたコーヒー豆の割合を20%まで高める目標を定めた。さらに2030年には、再生農業を通じた豆の割合を50%以上にすることで、温室効果ガスの排出量の50%削減を目指すとし、10億スイスフランの関連投資を計画している。なお、日本向けのネスカフェで使用される豆については、すでに100%責任ある調達を達成しているという。

マーケティング&コミュニケーションズ本部 コーポレートアフェアーズ統括部の山口恵佑氏(左)と飲料事業本部 ソリュブルコーヒー&システム・ギフトボックスビジネス部の中西弘明氏(右)

 飲料事業本部 ソリュブルコーヒー&システム・ギフトボックスビジネス部の中西弘明氏は、ネスカフェの生い立ちについて、1930年代にコーヒー豆の大豊作と価格の暴落に悩まされていたブラジル政府からの要請を受け、保存に便利な粉末タイプのソリュブルコーヒーを開発したことに始まるとして、同社の根幹に社会課題を解決していくマインドがあることを説明。

 その上で、今回のブランドコンセプトの刷新は、ネスカフェ プラン2030の活動への理解を深めてもらうとともに、ネスカフェを選んで飲むことで、個々の消費者も世界をよくすることに参加できるようにすることが狙いだとしている。

 ブランドコンセプトの刷新にあわせ、各商品のパッケージデザインも新しくなる。パッケージの中央には、「アクサン」(フランス語でアクセントの意味)マークを大きくデザインする形となり、裏面には上記のようなネスレの取り組みの紹介も記載され、QRコードを読み取ることで詳細情報を参照できるようにしている。

「アクサン」マークをあしらった新パッケージ。Twitterの鳥のようにも見える?
裏面では同社の取り組みが紹介されている

 10月からは日本語のブランドメッセージを「そのコーヒーは、あなたをちょっとだけヒーローにする。」とし、テレビCMなどでもアピールしていくという。

 また、中西氏は、沖縄において現地の社会課題の解決を目指し、耕作放棄地などを活用してコーヒー豆を栽培するプロジェクトを2019年から展開していることや、昨年の冬から今年の春にかけて初めて収穫が行なえたことを報告。

 現在は、沖縄での生産に最適なコーヒー豆を見定める段階で、さまざまな品種を植えて試しているとのことで、収穫量も多くないが、おいしく飲める豆が収穫できているという。まずは沖縄県内で飲めるようにすることを目指し、最終的には市販できるところまで持っていきたいとしている。