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「キリン 氷結 mottainai 尾花沢すいか」、6月17日発売

2025年6月17日 発売
キリン 氷結 mottainai 尾花沢すいか(期間限定)

 キリンビールは、「キリン 氷結 mottainai 尾花沢すいか(期間限定)」を6月17日に発売する。

 同社では果実のフードロス削減と農家支援をテーマに掲げ、「キリン 氷結 mottainai」シリーズを展開しているが、今回の商品はその第3弾となる。商品の売上1本につき1円が果実農家支援に活用される。

 今回の商品では、山形特産の尾花沢すいかを使用。尾花沢すいかは、シャリッとした食感と糖度の高さが特徴とされているが、果肉が柔らかくなり、食感が損なわれる「ウルミ果」という症状や空洞化、形の悪さなどで規格に合わず、廃棄される予定だった“モッタイナイ果実”約2000個分(約16トン)が用いられている。

 果汁は0.2%で、味わいについては、ジューシーでみずみずしい甘さの尾花沢すいかの特徴が感じられ、満足感がありながらもスッキリとしたおいしさが楽しめる、とされている。アルコール度数は4%となる。

 キリンビール マーケティング部「氷結」アシスタントブランドマネージャーの山岡加菜氏によれば、昨年5月に第1弾の浜なしを発売した直後にJAみちのく村山から問い合わせが入り、8月に現地の農園を訪問し、9月から開発に着手。生産者サイドから提案をもらったのは初めてで、「まだまだ全国にはモッタイナイ果実がたくさんあるということを実感し、プロジェクトを継続していくことの必要性を強く感じた」という。

 JAみちのく村山 営農販売部 営農販売担当部長の志村秀弥氏は、尾花沢すいかの収穫量は年間1万2350トンで、生産技術の向上で規格外の割合は以前より少なくなっているものの、廃棄量は300~400トンになるとする。

 尾花沢すいかを育てるJAみちのく村山 すいか生産部 部会長の大山功氏は「すいかの栽培は手作業によるものが多く、手間暇かかるぶん、本当に甘くて強いシャリシャリ感があるすいかになる。すいか一つ一つにかける愛情は変わらないので、規格外の問題で廃棄されてしまうのは、尾花沢すいかのブランドを守るためとはいえ、本当に悲しい」と、すいか農家の思いを打ち明ける。

 開発を担当したキリンビール マーケティング部 商品開発研究所 中味開発グループの佐藤良子氏は、「尾花沢すいかを食べたときの甘い香りを思い浮かべながら作った。まずは香りを感じていただきたい」と語る。商品の特徴としては、「1つ目は尾花沢すいかの特徴である甘さとシャリシャリ感が感じられる味わい。2つ目はすいからしい糖酸バランスと氷結らしくすっきり飲んでいただける設計」がポイントだとしている。

 開発当初の試作品はキュウリやメロンのような瓜っぽい味わいだったが、生産者のアドバイスにも耳を傾けながら、尾花沢すいかの味わいに近づけていったという。

 第1弾(浜なし)、第2弾(ぽんかん)ともに目標としていた18万ケースを上回る27万ケースを販売してきたが、今回の第3弾では21万ケースを目標に掲げているとのこと。

(左から)キリンビール マーケティング部 商品開発研究所 中味開発グループの佐藤良子氏、キリンビール マーケティング部「氷結」アシスタントブランドマネージャーの山岡加菜氏、JAみちのく村山 営農販売部 営農販売担当部長の志村秀弥氏、JAみちのく村山 すいか生産部 部会長の大山功氏